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淡々史記  作者: ンバ
第六十三、老子・韓非列伝
178/274

荘子 一・二、老子の信奉者

老荘思想の「荘」の方。荘子伝です。

1.

莊子者,蒙人也,名周。周嘗為蒙漆園吏,與梁惠王、齊宣王同時。其學無所不闚,然其要本歸於老子之言。故其著書十餘萬言,大抵率寓言也。作漁父、盜跖、胠篋,以詆訿孔子之徒,以明老子之術。畏累虛、亢桑子之屬,皆空語無事實。然善屬書離辭,指事類情,用剽剝儒、墨,雖當世宿學不能自解免也。其言洸洋自恣以適己,故自王公大人不能器之。


(訳)

(荘)周はかつて

蒙の漆園の役人となり

梁の恵王、斉の宣王と

同じ時代(の人であった)。


その学問に

非見識である所などはなく

その要諦はもともと

老子の言葉に帰していた。


故にその著書は十余万言で

大抵すべてが寓話であった。


漁父ぎょふ盗跖とうせき胠篋きょきょうを作ることで

孔子の徒を責めなじり

老子の術を明らかとした。


畏累虛けいるいきょ亢桑子こうそうしの類は

みな空語(作り話)であり、事実ではない。


しかるに、文書を綴り

書き写す事に長けており、

世事に指図し、世情を類推する事で

儒家・墨家を剽剥ひょうはくしたため

当世の宿学であっても

免れられなかった。


その言辞は洸洋こうよう(深く広い)で

恣意的に己に適合させたため

王公・大人からは器量があるものと

見なされなかった。



2.

楚威王聞莊周賢,使使厚幣迎之,許以為相。莊周笑謂楚使者曰:「千金,重利;卿相,尊位也。子獨不見郊祭之犧牛乎?養食之數歲,衣以文繡,以入大廟。當是之時,雖欲為孤豚,豈可得乎?子亟去,無污我。我寧游戲污瀆之中自快,無為有國者所羈,終身不仕,以快吾志焉。」


(訳)

楚の威王は、荘周が賢いと聞いて

使者に大金をもって彼を迎えさせ、

宰相となる事を許可した。


荘周は笑って楚の使者に謂った。


「千金は重き利、卿相は尊き位です。


子はよもや郊祭の犠牛(生贄の牛)を

見たことがないのですか。

(牛は)養食に数年、文繍を着せる事で

大廟へ入らせるものです。

この時に当たって孤豚を欲したとしても

どうして得られましょうか。


子は速やかに去り、

我を汚さないでください。


我は寧ろ、汚濁の中に遊び戯れて

自ら快とし、国を有する者の為に

つながれる所とはなりません、

終身に渡って仕えず、

吾が志を快きものとしたいのです」



(註釈)

蒙はちくま訳によると河南らしい。

周が都を構えてたあたりだ。


老子の学に則って勉強するってことは

学ぶこと自体が目的なのかな。

歴史クラスタとしてかくありたいものだ。


荘子は老子に則って寓話を著し

儒学を謗った。


「井の中の蛙……」とかも元は荘子。

馬援ばえん公孫述こうそんじゅつを評した際に引用した。


賢者であるとの評判を聞いた楚王から

「宰相のポストを用意するよ」

と誘われても、蹴った。


地位とか名誉とか輿望とかより

自分らしくいる事で

心持ちが「快」である事の方が

荘周にとっては重要なんだ。



・荘周評価

戦闘 ★★★★ 4

戦略 ★★★★★★★★★ 9

内政 ★★★★ 4

人格 ★★★★★★ 6


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