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淡々史記  作者: ンバ
第四、周本紀
134/274

三十六、西周滅亡の兆し

〜幽王宮湦〜


36.

四十六年,宣王崩,子幽王宮湦立。幽王二年,西周三川皆震。伯陽甫曰:「周將亡矣。夫天地之氣,不失其序;若過其序,民亂之也。陽伏而不能出,陰迫而不能蒸,於是有地震。今三川實震,是陽失其所而填陰也。陽失而在陰,原必塞;原塞,國必亡。夫水土演而民用也。土無所演,民乏財用,不亡何待!昔伊、洛竭而夏亡,河竭而商亡。今周德若二代之季矣,其川原又塞,塞必竭。夫國必依山川,山崩川竭,亡國之徵也。川竭必山崩。若國亡不過十年,數之紀也。天之所棄,不過其紀。」是歲也,三川竭,岐山崩。


(訳)

四十六年、宣王が崩御し

子の幽王ゆうおう宮湦(きゅうそう)が立った。


幽王の二年、西周の三川で地震が発生し、

伯陽甫はくようほがこのように述べた。


「周が亡びようとしている。


そもそも天地の気が乱れていなければ

秩序が失われることはない。


もし秩序に過失があるとすれば

民がこれを乱したのだ。


陽の気が伏せて出てこられないと

陰の気が迫りて立ちのぼれず

地震はこうして起こる。


今山川で実際に地震が発生したが

これは陽気がその居所を失って

陰気を填いでしまったからである。


陽失われれば陰在り、

源は必ず塞がれる。

源が塞がれれば国は必ず亡ぶ。


そもそも水と土が潤えば

民の用となるが

土の潤う所がなくなれば

民の財用も乏しくなり

亡ぶ事は時間の問題となる。


かつて伊水と洛水が竭きて夏は亡び、

黄河が竭きた時には商が亡んだ。

今、周の徳はまるで

夏と商、二代の末期のようだ。


その川原もまた塞がれ、

塞がれれば必ずや竭きる。


そもそも国家とは必ず山川に依るもので

山が崩れて川が竭きるのは

国が亡ぶ徴なのだ。


川竭きれば必ず山は崩れる。


もし国が滅びるとすれば

十年を過ぎることはあるまい。

数の紀(おわり??)である。


天の棄てる所、

その紀を過ぎることはあるまい」


この年、果たして三川が竭き

岐山が崩落してしまった。


(註釈)

「天に見放された国家は10年もたない」


紀が「10年」という意味だそうです。


共和体制が少なくとも14年、

宣王の治世が46年間なので

宣王が亡くなった時65〜70歳ですかね。


地震や水害は国が滅ぶ凶兆です。

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