疑い
「誰がとったのよ!」
エーデルが叫ぶ。
「エーデル。落ち着け。まだ、誰かがとったって決まったわけじゃない。」
ウォーズは、エーデルをなだめる。
「だって、この4人以外に、盗めるやつなんているわけないじゃない! この中の、誰かが盗んだにきまってるわ!」
エーデルは顔を赤くして息を切らしている。
「俺も、そう思う。この中の誰かが、お金を持ってったんだ!」
イージスは怪しむように、他の3人を見る。
「おい。仲間割れはやめろって。俺たちは仲間だろ。仲間を疑うんじゃねえよ。」
ウォーズはこの状況でも冷静だった。
「お金は、たしかにここにあった。だが、今は、なくなっている。金庫のカギは、この4人しか、在り処を知らない。」
アルグレートは、金庫の周囲に何か手掛かりがないか、探しながら言った。
「やっぱり、それは、この中の誰かがとったってことよ! それ以外、考えられないもの!」
エーデルは他の3人を睨む。
「わかった。じゃあこの中の誰かが盗んだと仮定して、調べることにする。」
アルグレートは言った。
「調べるって、何をだ?」
ウォーズが聞く。
「このアジトにあるすべての部屋だ。個人の部屋も含めてな。」
アルグレートが答える。
アジトには、個人の部屋があった。一人に一つ。その他、共同部屋も3つほどある。
現在アルグレート達がいる部屋と、地下室と、倉庫。
「どこから調べる?」とイージスが尋ねる。
「まずは、この部屋からだな。だが、お互いに、目の届く位置にいること。この部屋を四つに区切って、それぞれ調べよう。俺は、こっちのほうを調べる。」
アルグレートが言う。
「じゃあ私は、あっちの方を調べるわ。」
エーデルは移動する。
ウォーズとイージスも、探す場所を決め、4人とも探索し始める。
5分ほど経ったが、誰一人として、何かを見つけるものはいなかった。
「ここにはないな。次、探すぞ。」
アルグレートは部屋を移動する。他の者もそれについていく。
倉庫部屋も、地下室も、同じように調べたが、特別変わった様子はなかった。
「じゃあ、個人の部屋を調べるしかねえな。」
アルグレートは言う。
「いやよ! なんで私の部屋を調べられなきゃいけないのよ! 私は、とってないわ!」
エーデルは怒る。
「でも、他の部屋に何もなかったんだから、しょうがないよ。」
イージスが言う。
「じゃあ、まずは、私以外の部屋から見てよね!」
「わかった。じゃあまず、俺の部屋からにしよう。次にイージス、その次にウォーズ、最後にエーデルだ。それでいいだろ?」
アルグレートは皆に確認する。皆は頷く。
アルグレートは、自分の部屋の前に行き、鍵を開け、扉を開く。
4人は中に入った。