表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
血まみれの札束  作者: whiskey
2/8

金庫


 般若は停めてあった車のトランクを開け、アタッシュケースをしまい込む。

 そして、パンダからノコギリのようなものを受け取り、それも入れる。

「ほら、乗れ。」般若が言う。

 般若、ピエロ、パンダ、キツネは、黒い車に乗り込む。

 運転席は般若。助手席にはピエロ。後部座席の左側にパンダ、右側にキツネ。


 4人は、フードを取り、仮面をはずした。


 般若の仮面をしていた者の名は、アルグレート。

 ピエロの仮面をしていた者の名は、イージス。

 パンダの仮面をしていた者の名は、ウォーズ。

 キツネの仮面をしていた者の名は、エーデル。


 アルグレートが、車のエンジンをかけ、発車する。


「今回の依頼人、腕だなんて、めずらしいわね。」

 エーデルが言った。

 

「大体は、目とか、脳みそとか、そういうのが多いからな。変わった依頼人なんだろ。」

 ウォーズが言う。


「まあ、そもそも、お金を払って人体の一部を欲しがること自体、変人だけどね。」

 イージスが笑いながら言った。


 それもそうか、とエーデルとウォーズが笑う。


「今回の依頼人は、大手パソコン会社の取締役の息子だ。そいつには恋人がいて、交通事故でなくなったんだと。でも、その恋人のことが忘れられなくて、若い女の左腕を依頼してきたんだ。自分と手を繋げるようにな。」

 アルグレートが、今回の依頼人について説明する。


「あら、なんだ。意外とまともな人なんじゃない。愛する人の代わりの身体の依頼なんて。」

 エーデルは感心した表情で言う。


「まともか?」とウォーズが聞く。


「ちょっと前の依頼なんて、愛人に金持って逃げられたのに、愛人のことが忘れられなくて、女の胸とあそこを依頼してくる変態がいたじゃない。それに比べれば、ずっとましよ。」

 エーデルが答える。


「あとは、目を食べてみたいっていう欲望があるやつとかいたよね。想像するだけで、吐き気がする。」

 イージスが怪訝そうに言った。


「そう言われると、今回の依頼人がまともに思えてくるところが怖いな。感覚が麻痺してくる。」

 ウォーズは呆れている。


「前回の依頼の、脳みそを直接目で見てみたいとかの理由のほうが、よっぽど健全よ。」

 エーデルが言う。


「健全……ねえ。」とウォーズは苦笑いする。


「健全かどうかはどうでもいいが、脳みそとかの依頼が多いと、その分報酬も弾む。俺としては助かるな。」

 アルグレートは淡々と言った。

 

「今回の、腕は、いくらなのかしら?」エーデルがウキウキして尋ねる。


「8千万だ。8千万。」アルグレートが答える。


「あら、そう、ちょっと少なくないかしら?」エーデルは不満げだった。


「でもまあ、腕ならそんなもんか。」ウォーズはそこまで、金額を気にしなかった。


「前回の、脳みその報酬は4億だっけっか。」イージスが聞く。


「そうだ。今日、帰ったら山分けだ。」アルグレートが言う。

 その言葉に、エーデルは嬉しそうに鼻歌を歌う。


 4人の乗る車は、街の中を抜け、森の近くの廃墟へと近づいていた。

 その廃墟が、4人のアジトだった。

「ついたぞ、降りろ。」

 アルグレートはエンジンを止め、車を降りる。そして、トランクから、アタッシュケースを取り出す。

 そして、血のついたノコギリのようなものを、ウォーズに渡す。


 アルグレートは、アジトに入り、まっすぐと冷蔵庫の方へ向かう。冷蔵庫を開け、女の腕を中に入れる。取引は明日なので、それまで傷まないように保管する。

 ウォーズは、武器を地下室までもっていった。アルグレート達が犯行に使う武器はすべて、地下室に保管していた。地下には、ターゲットを捕獲するための檻や、手枷、足枷もある。


「じゃあ、早く、前回の報酬、分けちゃいましょうよ。」

 全員が集まってすぐ、エーデルは言った。彼女はお金に目がない。


「ああ、わかったよ。」

 アルグレートは金庫に向かう。

 エーデルもその後ろにピタッとくっつくように、ついていく。

 イージスとウォーズも少し遅れてついてくる。

 

 アルグレートは金庫の鍵を開ける。そして、扉を開く。

 中を覗き込んだアルグレートは、目を見開き、叫ぶ。


「ない! お金が、ない!」

 

 アルグレートの発言を聞いた3人は、驚き、叫ぶ。


「お金がないってどういうことよ!」


「なんで金庫にあるはずのお金がなくなるんだよ!」


「そんなはずはない。確かにここに入っていた。おい、俺に確認させろ。」


 ウォーズは、金庫の中を確認する。

 金庫の中には、1枚の札束も入っていなかった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ