9 隣の母きたる
十月に入り、少し過ぎた。徐々に気温が下がっていて、冷房を使う者はめっきり減っていたし、人々の衣服もほとんどが秋物だ。
透の学校も衣替えをして、学ランになっている。クリーニングから返ってきたそれを双子が着て、大きいねとはしゃいでいる写真は父母や祖父母に好評だった。
雨が降る午後、傘を差した双子がマンションに向かって歩いている。
傘に当たる雨の音を聞きながら歩き、学校であったことを話している二人にコンビニから出てきた里紗が気づく。
「実星に星乃」
「あ、りさ姉ちゃん」
「こんにちは」
挨拶してきた双子に、里紗もこんにちはと返す。
傘を差した里紗は二人の隣を歩き、思ったことを聞く。
「いつもより帰るの早くない?」
コンビ二にあった時計の針は三時前をさしていた。
双子はいつも六時間目まであると聞いていたので、この時間に帰るところを見たのは初めてだ。
「先生たち会議をするって、だから早く授業が終わったんだ」
実星の言葉に追従し、星乃が頷く。
「なるほどね」
ありふれた理由に納得する。
そんな里紗に実星が「りさ姉ちゃんも早いね」と聞く。
「私は大抵こんな時間よ」
木曜日だけ授業の関係で四時まで大学にいる。他は二時半に終わる講義の取り方をしているのだ。
この一年で五十二単位とれるようにしていて、今のところは順調に言っている。去年は講義一つ落として、五十六の単位を取得してる。このまま順調にいけば、三年生と四年生の授業は少なくてすむ。卒業論文もおおまかにだが方向性を定めているので、三年生で資料集めをして少しずつ進める気だ。
そして余裕の生まれた時間で就職活動というわけではなく、綾とすごす時間を満喫するつもりだ。
綾と同じ授業に出て、隣で過ごすといったことを楽しみにしていた。
「いつも早く授業終わるの? 羨ましい」
「そのかわり、一つの授業に九十分かけるんだよ。長いぞー」
一時間以上授業が続くところを想像し、うへぇと表情を歪めた双子。
それを里紗は笑って、隣を歩く実星の頭を軽く撫でる。
「あや姉ちゃんは一緒じゃないの?」
星乃が聞く。
「綾は四時までの授業もとってるからね。今もまだ授業中だ」
「りさ姉ちゃんなら待って一緒に帰りそうなのに」
「なるべく一緒に帰るようにしてるけど、たまには一人で帰るときもあるよ。なんとなくそんな気分になるときがある」
体調が悪いとか気分が沈んでいるとかではなく、本当になんとなく一人で歩きたくなるのだ。
それは今日みたいに雨の日だったり、風の強い日だったり、雪の日だったり。常日頃とは少し違った空の下、散歩するのを楽しんでいる。
台風や雷雨といった悪天候の日もふらっと出歩きたくなるときがあるが、さすがに止められる。かわりに窓辺に寄って空にはしる稲光を見て楽しんでいる。
「ふーりゅーって言うんだっけ?」
テレビで聞いた知識を元に実星が言う。
それに里紗は笑って、どうなんだろうねと答えた。
そのまま三人でマンションまで帰り、里紗に誘われた二人はゲームで遊ぶことになる。
レースゲームで遊んでいるうちに四時三十分になり、玄関の開く音が聞こえてきた。
「綾が帰ってきた。三人で出迎えにいこうか」
ゲームを止めて、三人で玄関に行くと四十才ほどのパンツスーツの女がいた。顔つきは欧米方面のもので、里紗と同じ長い金髪をシュシュでまとめている。
実星と星乃は見覚えがなく、里紗なら知っているかと見上げる。
里紗は少し驚いたような表情でいて、警戒心など見せず口を開く。
「ママ、どうしたの急に」
「久しぶり。中々帰ってこないからこっちから顔を見に来たのよ」
流暢な日本語で返す。
そして双子に視線を向けて、ニコリと笑みを浮かべた。
「こんにちは。実星ちゃんと星乃ちゃんであってるかしら」
双子は頷いて、こんにちはと挨拶を返した。
それに里紗の母親は笑みを深め、屈んで視線を合わせる。
「私はリサの母親でクロエっていうの、よろしくね。リサや綾から可愛い子たちが隣にいると聞いていたけど、本当に可愛いわね」
クロエの言葉に照れたような反応を見せる双子。
その双子の頭を軽く撫でて、立って里紗と視線を合わせる。
「入ってもいいかしら?」
どうぞと里紗は言い、双子を連れてリビングに移動する。
クロエは玄関で携帯を操作し、どこかに連絡してから移動する。
「ママ、どこに電話してたの?」
「下にいる宗鐘たちにちょっとね」
あとは秘密とウィンクする。
宗鐘とはクロエをここまで送り届けた運転手であり、身辺警護を担当している女だ。里紗とも顔見知りで、バイクの運転は彼女から習っていた。
「そんなことより、綾はいないの?」
「講義終わって帰ってきてるところじゃないかな」
「一緒に帰らなかったの? 珍しい」
母親からも珍しいと言われて、里紗は苦笑を浮かべる。
「私だってたまには一人で行動するわよ。これまで何度かあったでしょ」
「たしかにあったけどねぇ。それでも珍しいと思わせるほどに綾のことが好き過ぎすぎるし。この子、小学校のときの夢は綾と結婚することだったのよ?」
「ちょっ!?」
クロエは双子に面白そうに思い出をばらし、里紗は恥ずかしさから顔を赤くした。
こんなふうに慌てた里紗を見るのは初めてで、双子は珍しそうな視線を向けている。
「大学生になって、綾と一緒に住むって言いだしたときは、一度は諦めた夢を復活させたのかと真剣に悩んじゃったわ」
「もうっいい加減にしてよ!」
「今を満喫しているんだから、これくらいは我慢なさいな」
「からかいたいんなら、私だけのときでもいいでしょ!」
「誰かに聞かせたときのあなたの反応を楽しみたいのよ。これも親子のコミュニケーションよ」
「とんだコミュニケーションもあったもんだわっ」
少し怒気を混ぜて言ったことで、それを感じ取った双子が里紗から一歩離れた。
「ほらあなたが怒ったからこの子たち怖がったじゃない。仕方ない子ね」
「怒らせたのはママじゃないの」
里紗は深呼吸して気分を落ち着かせて「ほら怖くないよー」と双子の頭を撫でる。
そんなタイミングでインターホンが鳴る。
「郵便かしら」
「宗鐘でしょう。頼みごとをしたし」
クロエが玄関を開くと、黒のスーツを着た三十才ほどの女が旅行鞄を持って立っていた。
「奥様、頼まれた品をお持ちしました」
「ありがとう」
「宗鐘さん、おひさ」
クロエの背後から里紗はひらりと手を振る。
それに宗鐘は小さく笑みを浮かべて一礼する。
「元気そうで安心いたしました。旦那様がたまには顔を見たいとおっしゃっていましたよ」
「土曜か日曜にでも顔見せに行くよ」
「それはとても喜ばれますね」
「史人がいるから毎日楽しんでると思うんだけどなぁ」
里紗には五歳上の兄がいて、既に結婚していて、一才になる子供もいる。その子の名前が史人だ。兄たちとクロエたちは同居しているので、毎日顔を合わすことができる。
娘に会えずとも退屈などしない毎日を送れているのではと里紗は思っている。
そんな里紗にクロエは呆れた視線を向ける。
「確かに楽しそうだけどね、娘も可愛いのよ」
「そうですね、旦那様は昔からお嬢様を可愛がってらっしゃっています」
宗鐘は里紗が十才になる前から今の仕事をしているので、里紗たちの日常生活を知っている。だから里紗の父親が里紗に愛情を注いでいるところも見てきたのだ。
「帰ったら肩でも揉んであげようかな。それで宗鐘さんはなにを持ってきたの?」
このままでは思い出話に花が咲きそうなので、遮ることもかねて気になることを聞く。
思い出を話すのは嫌ではないが、双子がいないところでしてほしかった。
「衣服の入ったスーツケースです」
「服? 自分で買ってるから持ってこなくてもいいんだけど」
「あなたのじゃないわよ」
「じゃあ綾?」
「違うわ。実星ちゃんと星乃ちゃんに会えるかもしれないと思って子供用の服をいろいろと持ってきたの」
楽しそうに言うクロエを、双子はきょとんとしながら指差す。
「「私たちの?」」
「ええ! 少しでいいから着てみてくれないかしら」
手を合わせてお願いと言ってくるクロエから視線を外して、双子は里紗を見る。どう反応すればいいのかわからなかった。新しい服を着れるのは嬉しいのだが、誘いにのっていいのかわからない。
会えるかどうかもわからないのに服を持ってきていたクロエを里紗は呆れた目で見ている。
「いきなりそんなことを言うから戸惑ってるじゃない。嫌なら断ってもいいんだよ。興味あるなら承諾するもよし。元デザイナーだからセンスはいいし」
クロエから期待の視線を注がれている双子はどうしようかと顔を見合わせる。
少ししてクロエに顔を向けて頷いた。
ぱあっと顔を輝かせたクロエは双子の手を取ってリビングに向かう。
「……あんなに喜ばなくても」
娘の顔を見に来たのではなく、最初から双子で楽しむことが目的だったのではと怪しむ。
「最近はお嬢様や綾様が着てくれなくなりましたからね」
「その分、史人に着せてると思うんだけど」
「若奥様に遠慮してらっしゃいますから、たまに用意した服を着せている程度ですよ」
里紗と話しているとクロエから呼ばれ、宗鐘はスーツケースを持ってリビングに向かう。
近くに置かれたスーツケースを開いて、服を取り出し双子の体にあてていく。
「お嬢様、私は車に戻ります」
「うん、荷物ありがとう」
「いえ」
ではと一礼して宗鐘は家から出る。
宗鐘を見送った里紗は、クロエが暴走しないように見張るためソファに腰かけ、双子のファッションショーを見る。
入れられるだけ入れてきたのか、服の枚数は軽く十着を超えている。いくつか里紗にも見覚えのある服もある。十才辺りに着ていたものだ。
(親戚にあげたって聞いてたけど、残ってたものもあったんだ)
懐かしいと思いつつ、楽しそうな三人の様子を携帯で撮る。
あとで透に送ろうと思ったのだ。
二十分ほどそんな様子を見ていると、玄関が開く音がして買い物袋を持った綾が帰ってきた。
「ただいまー。靴が多いけど誰が来てるの?」
玄関まで出迎えに来て、抱き着いてきた里紗に尋ねる。
「ママと実星と星乃」
「クロエさん来てるんだ。わりと久しぶりだし挨拶しないとね」
「二人を着せ替え人形にしているから、おざなりな反応になりそうだよ」
「あー、懐かしい。私たちもいろいろと服を着せてもらったっけ」
なかなか離してくれなかったなと少し苦笑が浮かぶ。
リビングに入った綾は、とても楽しそうなクロエを見る。
髪をおろし黒のゴスロリを着た実星と水夫のようなセーラー服を着た星乃は綾に気づき、おかえりと言い顔を向ける。
「うん、ただいま。クロエさん、お久しぶりです」
次はどんな服を着せようか悩むクロエに声をかけ、鈍い反応に仕方ないなと困った笑みを浮かべた。
「クロエさん、夕食はどうするんだろう? 一人分多く作った方がいいのかな?」
「どうなんだろう、ママ? ちょっとママったら」
呼びかけても集中しているクロエは生返事で、これはダメだと里紗は母親の頭部にチョップを当てる。
「ふぁ? ちょっと親の頭を叩くって。あら? 綾ちゃんいつのまに」
「綾は少し前に帰ってきて声もかけたよ。やっぱり集中してて気づかなかったのね」
困った表情のまま綾は再度挨拶し、夕食について尋ねる。
「今何時? もう五時過ぎたの。まだまだ満足してないのに。……そうね、実星ちゃん星乃ちゃん、お寿司好きかしら」
「「好き」」
「よかった。人数分出前でとって、ちょっとしたおかずを綾ちゃんに作ってもらいましょうか」
それがいいと話を進めようとしたクロエに里紗がストップと手のひらを向ける。
「ママ、勝手なこと言わないでよ。透が夕食作り始めてるかもしれないのに」
「とおるって言うと……ああっこの子たちのお兄さんだったかしら。彼も呼んで一緒に食べたらどうかしら。この時間ならまだ作り始めてないかもしれないし」
「作ってたら夕食前に二人は帰すよ?」
「ううう、仕方ないか。聞いてきてくれるかしら」
はいはいと返事して里紗は家から出て、藤井家のインターホンを押す。
帰ってきていた透はインターホンを通じて誰かと聞いてくる。
「隣の里紗よ。いきなりなんだけど、もう夕食作り始めてる?」
『いえ、まだですよ。今日は焼きサンマなんですぐにできますし、もう少しあとでいいかなって』
「今日も一緒に食べない? うちにママが来ててね、寿司とるから一緒にどうかって言ってるのよ」
『ありがたい話ですけど、この前すき焼き一緒にさせてもらったばかりですし、親子の団欒を邪魔するのも悪いですよ』
「団欒なんて気にしなくていいわ。ママが実星と星乃を離したくないから、夕食どうかって言ってきてるんだし」
『みほしの、そっちにいるんですか? 誰かの家に遊びに行ってるんだとばかり』
「大学の帰りにばったり会ってね、一緒に遊ぼうと誘ったのよ。家でゲームしてたらママが来て、二人を着せ替え人形にして楽しんでるの」
『なんか話の流れがおかしいような?』
「まあ、はしょったしね。とにかく遠慮なんかしなくていいわ」
『はあ……じゃあ言葉に甘えさせてもらいます。二時間くらいすれば、そちらに行けばいいですかね?』
「今すぐでもいいよ?」
『宿題と受験勉強しておこうかなと』
「あー、わかった。寿司が届いたら呼びにくるね」
『ありがとうございます』
礼になんのなんのと返し、里紗は家に戻る。
双子は来ていた服を脱いで、違う服を着ているところだった。
その双子から視線を外してクロエは里紗に聞く。
「透君はどうだって?」
「お言葉に甘えさせてもらいますだってさ。お寿司が届くまでは勉強してるって」
「あら、感心な子ね」
そう言いながら宗鐘にメールで寿司の出前をとるように指示を出す。
「受験生だからね。しかも推薦の受験日があと二ヶ月もないそうだし」
「大切な時期ね。邪魔しちゃ駄目よ?」
「しないって。合格したら後輩になるんだし。わりと楽しみにしているんだから」
「綾以外にも関心を向ける相手が出てきてママは嬉しいわ。ボーイフレンド候補かしら?」
「透ならいいかもね。綾を優先するのを許してくれそうだし」
ぶれない里紗にクロエは小さく溜息を吐く。
冗談半分といった感じの里紗に双子が不安そうな視線を向ける。
「にいちゃんとるの?」
「とっちゃ駄目だよ」
「あーっとらないとらない! 大丈夫だからそんな顔しないの。ほらママも大丈夫だって言ってよ」
放っておけば泣くかもしれず、慌ててクロエに助けを求める。
クロエはすまなさそうに二人の頬に手を当てる。
「ごめんなさいね。大好きなお兄さんをあなたたちから奪うようなこと言って。リサも言ったように、あなたたちから離れていかないから大丈夫」
双子から「本当?」と聞かれ、クロエと里紗は頷く。それで不安が晴れたようで、ほっとした表情を浮かべた。
泣かすようなことにならず、母娘もほっとした様子だ。
「さって次はっと」
気分を変えるため、ことさら明るい口調でクロエは次の服を双子に渡す。
着せ替えの時間が再度始まり、雰囲気が元に戻る。
そうして時間が過ぎて、宗鐘が寿司を受け取り上がってきた。
綾たちがおかずを並べている間に、里紗は透を呼びに行き、すぐに戻ってくる。
「おーっ、二人とも可愛いけど、なんでそんな恰好なんだ?」
透は抱き着きてきた双子の姿を見て、疑問に思ったことを聞く。
実星はクリーム色のロングセーターに、黒のタイツ。頭部には猫耳をつけて、お尻に細い猫の尻尾をつけている。
星乃も似たような姿だ。黒に近い灰色のロングセーターに白のタイツ。頭部には垂れた犬耳をつけて、お尻にふさふさとした犬の尻尾をつけている。
透の疑問には里紗が答える。
「もう一ヶ月もしないでハロウィンでしょ? それに合わせたんだってさ。まあ、ママの趣味もあるんでしょうけど」
「趣味って言うのは否定しないわね。それはそれとして初めまして、リサの母親でクロエと言うの。娘が世話になっているわね、ありがとう。そして今後もよろしくね」
「初めまして隣に住む藤井透と言います。こちらこそ里紗さんや綾さんにはお世話になっています。今後もいい付き合いができたら嬉しいです」
「そう言ってくれるのね、ありがたいわ。そうそう今日持ってきた服は全て差し上げるので持って帰ってね?」
「服を全部ってーと、あの鞄にあふれるくらいの量を?」
古着として買っても確実に三万円は超えそうで、さすがにそれはないだろうと聞き返す。
「ええ」
「いやさすがにそれは」
「遠慮なんてしなくていいわ。リサのお古や店の余りものだから。親戚にも定期的に渡してるの。むしろもらってくれると収納スペース的にも助かるのよ」
「里紗さん、もらっていいんです? お古って言っても綺麗だし、大切に保管された思い出の服とかじゃ」
「ん? いいわよ」
気にするなと手を振り答える里紗を見て、透はありがたくもらうことにした。
双子にも礼を言わせて、夕食となる。
腕のいい職人がいる店に頼んだのか、日頃食べる寿司よりも数段美味い気がして、透はいくらするのか想像し背中に冷や汗が流れた。
その気持ちを理解できるのは綾だけだろう。双子はそこらへんを気にせず美味しいと言って食べているし、里紗とクロエは食べなれている。
綾も里紗と一緒にいることで、何度もこういった品質の料理を食べているが、これが当たり前とまでは思っていない。慣れてしまっては食費が大変なことになるので、それはそれこれはこれと別物として考えるようになっている。その方が胃と懐に優しいのだ。
その考え方をあとで助言することにして、綾は美味しい寿司を楽しむ。
食事が終わり、最後にこれぞという組み合わせをクロエは双子に施し、満足する。
それを透は当然写真に残し、現像したものがほしいとクロエに頼まれ頷いた。
「今日はごちそうさまでした」
「「ごちそうさまでした!」」
再度の礼を言って透たちは家を出る。
借りたスーツケースは写真と一緒に、リサに渡すことになっている。
家に入った双子は、早速スーツケースを開けて、猫耳や犬耳を取り出す。
そしてにゃあにゃあわんわんと言いながら、透にじゃれついた。
「なんだ? 甘えてどうした」
「にゃー」「くーん」
透の疑問に答えず、双子は抱き着く。
クロエのボーイフレンド発言が影響を残しているからなのだが、その場にいなかった透には察することはできない。
なんだろうかと思いつつ透は双子の頭を撫でる。
それに双子は満足そうな笑みを浮かべた。
感想とポイントありがとうございます
ハロウィン関連の話にしようと思ったのに、書いたら里紗ママの話になった