表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライムが倒せない  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/98

全力で守られる系主人公

「ごめんなさいね。くつろいでいたところを」

「いや別にいいんですけど……くつろぐ?」


 夕食をとりそのまましばらく女子二人と話をしていたら、どうやら気を持ち直したらしく顔色のよくなったレイン婆ちゃんに呼び出された。


 しかしくつろぐとは。

 何かあの二人と話してるとボケたつもりもないのにつっこみを入れまくられるのは何故だろうか。


「えーと、あの白い奴の話ですよね。何で俺とクラウディアさんだけ?」


 そう。呼び出されたのは俺とクラウディアさんだけだ。

 何故ヴィオラとカムナを省く必要が。


「今から話すことは、本当なら墓まで持っていくはずだった話よ。クロエが封印されている以上、知っているのは私だけ。いえ、もしかすればコンラートさんはクラウディアに話したかもしれないけれど」

「……」


 レイン婆ちゃんの言葉と視線に、クラウディアさんは口を真一文字に結んだまま何も答えなかった。

 心当たりがないのか、あるいはあるからこそ下手なことは言えないのか。


 どちらにせよ二人の空気が重めぇ。

 これ俺いる?


「何を言っているの。狙われているのは貴方でしょう」

「それがもう意味分からんというか。そもそもあいつのあの力は何だったんですか。カムナは神子の力かもしれないって言ってましたけど」

「そうね。恐らくそれで合ってるわ」

「え」


 えらくあっさりと、レイン婆ちゃんは認めた。

 待てよじゃあもしかしてマジで。


「……本当は魔王はあいつが倒すはずだったのに、百年前に神子なしでうっかり倒してしまった?」

「なるほど。知らなければそういう風に思うのね。面白い推測だけど半分ハズレ。だってあの時、神子はちゃんとこの世に生まれていたもの」

「……はい?」


 あの時。魔王が倒されたその時に神子はちゃんと居た?

 ちょっと待て。ならなんでそのこと全然伝わってないんだよ。


「私たちが……いえ、コンラートさんが隠したのよ。神子という存在を」

「え? 白騎士がなんで?」

「あの子はコンラートさんの妹だったから」

「……え?」


 白騎士の妹。

 いや、もしかしてそれって神父様が書いた本に不自然に登場だけしてた……。


「正確には妹のような存在ね。モニカ・フォン・ヘルドルフ。まだコンラートさんが王の直属の騎士になる前に仕えていた、ヘルドルフという伯爵家のご令嬢よ」

「え? 神子って天から降臨したとかどっかの秘境でいつの間にか生まれたとかじゃなくて、そんなその辺でポンと産まれたんですか?」

「産まれちゃったのよ。しかもコンラートさんがそのことに気付いたころには、ヘルドルフ家の人たちはモニカを残してほぼ全員亡くなっていたの。ただでさえ他の貴族の食い物にされそうな立場の少女が、教会にも利用されそうな神子だと知って、コンラートさんも頭を抱えたでしょうね」

「うわー」


 いやそもそも神子じゃなくても守るの大変なんでは。

 白騎士が政治の類に長けてたとかは聞いたことないし。


「あーだから?」

「そう。徹底的に隠したのよ。モニカが神子だということを」


 まあそりゃ仕方ないというか、むしろよく隠し通せたな。

 結局そのモニカさんに魔王倒すの手伝ってもらわなきゃいけなかっただろうに。


「いえ。コンラートさんは決してモニカを戦場に出そうとしなかったわ」

「え? じゃあ魔王は?」

「私たちだけで倒したわ。だから半分正解だと言ったの」

「ええ……」


 折角魔王倒してくれそうな人間居たのに戦わせなかったの?

 何その縛り。

 いや実際倒しちゃってるから何とも言えないけれども。


「コンラートさんにとってはモニカはただの一人の少女だったのでしょうね。私も初めて彼女が神子だと知らされた時はすぐには信じられなかったもの。それくらい……普通の子だった」

「えーじゃあもしかしてそのモニカさんは魔王居なくなった後は白騎士と?」

「……ええ。だからクラウディアは何か聞いているのかと思ったのだけど」

「初耳です。しかし幾つか疑問は解けました。……知らなければよかった気もしますが」

「あー」


 しばしの沈黙の後に答えたレイン婆ちゃんの問いに、クラウディアさんは表情はそのままに声だけ少し疲れたような調子で返した。


 つまりアレか。

 もしかしてクラウディアさんに神子の力が効かなかったのは、クラウディアさん自身に神子の血が流れてるからか。

 いやそもそも。


「百年前に神子が居たのなら、あのルーナって子は結局なんなんですか」

「新しい神子……だとしたらまた魔王が現れるのかしらね」

「ええ……百年経たずに?」

「多分現れた方がマシよ。今のままなら、あの子は養父である教皇のためにその力を使うのでしょうし」

「あー」


 確かに現時点でも思いっきり自分の都合で力使ってたもんなあ。

 もしルーナが教皇の言いなりでその力を振るうなら、もう教皇は無敵だ。

 勝てるとしたら神父様か、あるいは神子の力が効かないクラウディアさんくらい……?


「あれ? 結局何で俺には神子の力が効かなかったんですか?」

「さあ?」

「『さあ?』て!?」


 ここにきてある意味一番知りたかった謎が投げ飛ばされた。

 いやこれ絶対ルーナが俺に固執する理由とも関わってるじゃん。

 どうすれば狙われなくなるのかとか分からないじゃん。


「もしかして曾爺ちゃんも神子の力効かなかったとか?」

「普通に効いてたわね」

「そっかー」


 じゃあますます何でだよ。

 とりあえずしばらくはクラウディアさんのそばから離れないようにしようと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました
日本の神々の長である天照大神は思いました。最近日本人異世界に拉致られすぎじゃね?
そうだ! 異世界に日本人が召喚されたら、異世界人を日本に召喚し返せばいいのよ!
そんなへっぽこ女神様のせいで巻き起こるほのぼの異世界交流コメディー
― 新着の感想 ―
[一言] どちらかといえば、人外をたらし込む系主人公では
[良い点] さあ?で草 話してもらったのに何も解決しとらんやないかい! [気になる点] ボケたつもりがなくてもツッコまれてるんならもうそれはボケてるんよ 認めろ [一言] 同じように神子の血族…とい…
[良い点] ああよかった、ガチ身内(親族)ではないの・・・か? [気になる点] レイン婆ちゃん、墓まで持ってくヒミツを打ち明けてくれたのにレオン狙われる理由不明www [一言] まさか曾祖父の血筋じゃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ