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略奪の鬼  作者: あきねこ
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1-9 学校へ行こう④

1-9 学校へ行こう④


「死にたくない死にたくないウワアアぁぁぁあ」


包帯集団は奇声を上げたり小刻みに震えている。不良集団は何こいつら焦ってんの?マジひくわーって顔だ。


ゴリぽんも例に漏れず小刻みに震えていた。前がよく見えない…


「静粛に…」


教室内が一斉に静まり返る。昨日いったい何があったんだ……


「今日から私が君たちの担任になりましたレオンです。自己紹介は昨日したので割愛しますがその前にそこの君」


異世界版タバコをプカプカしている少年が指をさされる


「教室内は禁煙です。それにモクエンは未成年は吸ってはいけません。今すぐ捨てなさい」


こっちでは煙草はモクエンというのか……などと考えているが少年は一向に捨てる気配がない。  


あいつ勇者かよ…なんて先程のワン君がつぶやいている。


レオンはその少年に近寄り、モクエンを取り上げるのかなっと思うと…


バキンッ


「歯ぎゃ、歯ぎゃああッ」


普通に殴った。


少年の前歯とモクエンは吹き飛んだ。


先生は自分のポーチから何やらモノを探している。

そうか先生は外開者だ。傷の手当なんてお手の物だろう。きっとあのポーチから回復薬なんかを取り出して…


「これは消しゴムです。それを一切れちぎって歯に詰めなさい、白いし目立たないでしょう。」


慈悲はなかった…


「さて、こうして私は教師になりましたが、私の目的は唯一つ。君たちを強くすることです。私に支持されたら答えは『はい』か『YES』です。君たちに選択権はありません。」


先生は独裁者のようなことを言い始めた…


「先生…」


「はい、何でしょうか?」


「カマセ君が泡を吹いてカニみたくなってるんですが……」


「放っておきなさい……それでは皆さん今すぐ運動着に着替え体術場へ移動しなさい。女生徒は体術場の更衣室を使うといいでしょう。私は一足先にまっています。」


そう言い残し先生は去っていった。


「ゴリぽん昨日何があったんだ…?」


「ああ、昨日カグラが合格した後、木剣がなくなったんで先生は素手で戦うと言い出したんだ、その後はもう聞かないで欲しいっぺ…」


こいつら恐怖を刻まれてやがる…


僕らは急いで体術場へ移動した。


******************


体術場は簡単に言うと小さな運動場を塀で囲まれているような建物だ。当然天井はない。

体術場には重そうな鎧がぎっしりと並べられていた。嫌な予感しかしない……。


「今すぐこの鎧を身に着け僕の前に並びなさい」


全員すぐに鎧を身に着け先生の前に並ぶ。まるで軍隊だ……


「今からこの体術場を走ってもらいます。100週です」


ええー!!理不尽だ!!皆心の中で叫ぶ。声に出せる勇者は教室で泡を吹いている。


「戦場では当然装備を身に着けて戦います。ある程度の重さに耐えつつ素早く動けるようになることが戦闘の基本です。」


確かにそうだ、村の戦士も生還率の高い者程、基礎訓練を大切にしている。


「ゴリータ君」


「なんですかっぺ先生」


「私は見下されるのが嫌いです。君は背が大きいですからね今すぐ腕立て伏せを100回やりなさい」


「そ、そんな理不尽だっぺ!背が大きいのは仕方ないッぺ!!」


「200回」


「グッ…」


ゴリぽんは腕立てをし始める。


すると先生は当たり前のようにその上に腰を下ろした。


「重いッぺぇ~」


「では皆さん始めてください。」


こうして僕たちの夢と希望が詰まった学園生活が始まった……。


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