1-8 学校へ行こう③
1-8 学校へ行こう③
「もう終わりだっぺ、母ちゃんに殺されるっぺ」
登校すると、ゴリぽんが地面にうなだれながら謎の絵を描いていた。
掲示板に昨日の試験のクラス分け結果が貼りだしてある。あの様子じゃゴリぽんは失格になったのかな…。
ゴリぽんの名前がEクラスにあった。良かったじゃん。失格よりマシさ。
レオン先生に一撃入れた僕は当然Aクラスだろう。見るまでもな…ゴリぽんの下にカグラの名前があった。僕も地面に絵を描きだす。タイトル“ムン〇の叫び”だ。
「カグラ君元気出して…きっと何かの間違いだよ私抗議してくる!!」
やめてサクラ。泣きたくなるから…。
「カグラ…私はEクラスでもカグラのことが好き…周りの目…気にしちゃダメ…。」
やめてマキナ。同情されると泣きたくなるから…。
因みにマキナとサクラはAクラスだった。魔法の試験はクレイマン博士が試験官だったみたいだ。博士の召喚したゴーレムを魔法で壊せというものだったらしい。ブラックミノタウロスに一撃で燃やされていたあれだ。魔法を選択しとけばよかった…。
「まあ…落ち込んでいても仕方がない。ゴリぽんEクラスの教室に行くぞ。」
「だべな…。行くべ…。」
僕とゴリぽんはマキナ達と別れ教室に向かった。
教室に行く途中昨日の試験について聞いた。
どうやらレオン先生に一撃入れたのは僕だけだったらしい。
因みにゴリぽんは魔闘士といって、鋼拳という拳を守るグローブのような武器をつけ、魔法で自身の身体能力を強化して戦うスタイルなんだが、ボコされまくってもめげずに何度も立ち上がってレオン先生に終わりですと言われたらしい。
脳筋乙。
教室の扉を開けるとそこには20名ほどの鬼がいた。
クラスメートだ。
半数ほどは包帯やら生傷やらでボロボロだ。
というか昨日技法の試験会場に残ってたやつらだなこれ。
もう半数はとりあえず態度が悪い。
ガムの実と言われるお菓子を口の中でくちゃくちゃしてる奴。
肺炎の葉と言われる葉っぱを乾燥させたものを紙に包みプカプカしてる奴。
眩しくないのに光を抑えてみることができる黒塗りの眼鏡をかけてる奴なんかだ。
これなんか前世の不良漫画でよく見る感じだ。カオスだ…。
とりあえず一番後ろの窓際の座席にぼくは座る。
ゴリぽんが隣に座ろうとしたがそこはかわいい転校生が座る席だといい前に座らせた。こいつは体がでかいから先生からうまく隠れられる。
僕が席に座ると包帯ぐるぐる巻きの3人組が近寄ってきた。
ミイラ男の襲撃だ。僕はファラオみたくなってる。
「昨日レオン先生に一撃入れてたよね。すごかったね。あんな鋭い突き初めて見たよ!」
口々にウンウンと同意している。なんか興奮している。不良連中はあいつが噂の…とか言ってちょっと引いてる…。こいつらあれだな。僕のフォロワーだな。
顔がいい男子に微妙な男がくっついておこぼれもらおうとするあれだな。
でも僕は目つき悪いしかっこよくはない…悪くはないとは思うが…うーむ…よし。
「たまたまだよ。うまく作戦勝ちできただけさ。それより君たちの方がすごいよ。そんなにボロボロになるまでレオン先生に向かって行けるなんて」
ミイラ男たちが照れる。気色悪い…。
「あんなに強いのに柔らかい喋り方をするんだね。僕はワン、こっちの二人はツーとテンよろしくね!」
「僕はカグラこちらこそよろしく」
ゴリぽんがこいつ誰だという顔で僕の方を見ている。
前世で僕は学んだんだ。最初から敵対ばかりしていると有能な奴らを見つけられないことをな…。
前世で高度な偽造書類を作れる連中がいて、そいつらのおかげで海外への人身売買がスムーズになった。
最初から敵ばかりつくっていたら彼らとは出会えなかっただろう。僕は有能な奴を見つけるのに労力はさく男なのさ。
僕らが談笑しているとガチャと扉が開き、黒髪ロングで全体的に黒でまとまっている赤い眼の女盗賊みたいな少女が入ってきた。
「邪魔よあんた達どいて!」
ミイラ男たちが言葉だけで散っていく…。
彼女はそういうと僕の隣の席に黒いポーチを置き、ドカリっと椅子に腰を下とす。
「何見てんのよ!……あんた昨日の…。」
そこは美人転校生の席です。という目でついじっと見てしまったらお叱りを頂いた。
ん?でもこいつよく見るとかなりかわいいぞ右目の泣き黒子が色っぽい。
「いやー美人を見ると見とれちゃう癖があるんですよ。申し訳ない。」
教室がザワリとざわめく…
「な、なによ…そいうことなら仕方ないわねッ!」
プイッと彼女はそっぽを向いた。
ガチャリと扉が開く音。教室がまたざわめく…
「やあまた会いましたね皆さん。今日から僕がこのクラスの担任になるレオンですよろしく」
「ギャアアアアアアアッ」
教室に阿鼻叫喚が巻き起こった。




