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略奪の鬼  作者: あきねこ
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1-2 転生ってホントにあるんだ…。

【自分の国をつくりたい】暴力団経営者の男が恩人に殺され、異世界に「鬼」として転生する。


神楽カグラと名付けられたその鬼は恩人に殺されたことから生前の失敗を活かすため他者の心をコントロールし、自分の国をつくるために奮闘するお話。

略奪の鬼

1-2 鬼の村編 転生ってホントにあるんだ


どうやらぼくは転生というやつをしたみたいだ。


生前でも宗教やらなにやらの自称聖教者が人は死ねば別の何かに生まれ変わり生前の罪はすべて許されるとかなんとかいってたっけ。


そいつは夜になると僕の管理する大人のお店の常連客にジョブチェンジしていたが…まあそんなことはどうでもいい。


あれから僕はあの鏡に写っていた目つきの悪いガキが僕であの女は僕の母親でナターシャという名前だということが分かった。


そして僕はどうやら人間じゃなくなったってことも。


今の僕は生前の基準でいうなら10歳程度だ。


言葉もある程度覚えて、この世界のことも何となくわかってきた。


まずぼくは鬼と言われる種族らしい。


世界的にみると非常に希少な種で多種族との交流をほとんど持たないらしい。


鬼という種族は人間の倍のスピードで成長し、10歳になると年を取らなくなり、ある程度まで若さを維持し続けるらしい。


平均寿命は200歳だ。


なぜ交流を持たない種族にうまれ世界のことも何となくわかったかというと…


「おい、何を鏡の前でブツブツ言ってるんだ?俺は狩猟へいくから家で大人しくしているんだぞ?ナターシャを困らせるなよ?」


「…。」


この筋骨隆々な脳筋バカでこいつ鉄砲玉か死体処理しか使えなさそうだなとしか思えない男が僕の父親マルキンが元外開者だからだ。


外開者というのはいわゆる旅人だ。


この僕の生まれた村ガーグ村は基本的には外の世界に出ることを禁止しているらしい。


だけどいまの村長が柔軟な考え方で外の知識を持っているものは村の発展に役立つと考えているらしく、村で一定以上の強さを持つと認められたモノだけが旅に出ることを認めているらしく、旅に出この村へ戻ってきたものを外開者、つまり外の世界を開いた者として村で結構いいポジションになるらしい。


まああれだな、海外勤務を経て国内に戻ったら出世したみたいなもんだ。


「ナターシャ、神楽が鏡の前でなんだかブツブツ言っているんだが、大丈夫なのか?教育の仕方を間違えたんじゃないか、この前も俺の部屋の刀剣コレクションを見ながらヨダレを垂らしながらうっとりしていたぞ俺は心配でたまらない…。」


「だ、大丈夫よ…。それにあの子はなんたって黒い一本角なのよきっと将来すごい子になるわ!歴史に名を残すような人は子供の頃変だったってよく言うじゃない」


ここが生前の世界で彼女たちが僕にとって役に立たない者なら、今頃体のありとあらゆる部分を解体してパック詰めして海外へ売却していただろうが、僕はまだ子供で力がないからあきらめるしかない…。


現実はいつだって残酷だ…。


「そうか…。まあ俺とお前の子だ。きっと大丈夫だろう、では狩猟へ行ってくるもしかするとしばらく戻れないかもしれない」


「はい。あなたご武運を。“フィジカリア(筋力強化)”」


マルキンの体に青い光が灯る


「いつも済まないな助かるでは行ってくる」


そして軽く口づけをし脳筋は出ていった。


僕がこの世界にきて一番驚き、一番嬉しかったのはさっきナターシャが使っていたもの。


魔法があったことだ。


この世界では魔法というものが存在してそれと対にして技法というものも存在する。


魔法というものは体の中にある魔力を放出しそれを様々な形で具現化するものらしい…。


さっきの“フィジカリア”という魔法は筋力を強化して防御力と攻撃力の両方を引き上げる魔法だ。


狩猟で怪我をしないようにといつも狩猟に行く前にナターシャがマルキンにかけている。


あー反吐がでる、生前の僕なら、自分でかけるから金でも貢げと言って狩猟へ行くだろう。


それに対して技法とは武器全般をつかって特殊な効果を出すものだ。


有名どころでいうとカマイタチという技法がある。


槍でも剣でもナイフでもいいけど素早く振ることによって斬撃を飛ばすことができる。


「神楽もブツブツ言ってないで学び舎に行きなさい今日から入舎でしょ。お友達とは仲良くするのよ。先生の言うことはちゃんと聞いて、将来の自分の為に頑張りなさい。」


「わかりました母上」


「それと行きがけに、サルマ叔父さんの所へ行くならこれを持って行って、昨日の残り者よ。研究ばかりやってないでご飯もしっかり食べなさいと伝えてちょうだい」


「わかりました。では僕も言って参ります」


「はい、いってらっしゃい」


角に口づけされた。


フィジカリアはなしだ。


そして僕は期待に胸を…特に高鳴らせることもなく初めての学び舎に向かった。



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