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目覚めたら、魔王に転職!? ~底辺スタートから世界統一はじめました~  作者: ふじなみ


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第59話 ―― 古代の扉と、魔力の足りない城


地下へ続く階段の先。

そこには、巨大な石の扉が立ちはだかっていた。


フェリたちは慎重に階段を降り、扉の前までやってくる。


扉の高さは三メートルほど。

厚い石でできており、中央には複雑な紋様が刻まれている。


「……大きいね」

フェリが見上げて言った。


ルナはすでに扉の前にしゃがみ込んでいた。

「やっぱり」


指で紋様をなぞる。

「古代魔導」


ミリアスが腕を組む。

「何が書かれている?」


ルナはしばらく黙って紋様を追い、それから言った。

「制御紋」

「あと……識別紋」


フェリが首を傾げる。

「どういう意味?」


「簡単に言うと」

ルナは扉を軽く叩いた。

「鍵」


レオンが低く言う。

「開くのか」


ルナは少し考えてから答えた。

「たぶん」

「でも」


扉の中央の紋様を指差す。

「魔力がいる」


フェリは苦笑する。

「……だよね」


今の魔王城で、一番足りないもの。

それが魔力だ。


ミリアスが静かに言う。

「魔力炉が停止している以上、城の設備は基本的に動かないでしょう」


ルナは頷く。

「うん」


それから、扉の横に刻まれた細い線を見つけた。

「でも」

「これ」


フェリたちも覗き込む。

扉の横の壁に、細い回路のような溝が走っている。


「魔導回路」

ルナが言った。

「上の回路とつながってる」


ミリアスが眉を上げる。

「つまり?」


ルナは床を指差した。

「昨日光った回路」

「これ」

「ここに来てる」


フェリが少し考える。

「それって……」


ルナがにやっと笑う。

「ちょっとだけ魔力流れる」


レオンが言う。

「魔石か」


「そう!」

 ルナは嬉しそうだった。


「いっぱいあれば」

「たぶん動く」


ミリアスが静かに言う。

「一時的な起動、というわけですね」


ルナは頷いた。

「たぶん」


それから扉の紋様をもう一度見る。

真剣な顔になった。


「でも」

フェリが聞く。


「でも?」

ルナは少し困った顔をする。


「これ」

「管理扉」


ミリアスが小さく呟く。

「管理区画」


ルナは頷いた。

「たぶん魔力炉」


フェリは扉を見上げた。

この城の中心。

城を動かす力。

それがこの先にある可能性が高い。


「……開けたいね」

フェリが小さく言う。


ルナは少し考え込んだ。

それから突然、顔を上げる。

「あ」


フェリが聞く。

「どうしたの?」


ルナは笑った。

「方法あるかも」


ミリアスが目を細める。

「聞きましょう」


ルナは指を立てた。

「回路、途中で分岐してる」

「たぶん補助制御」


レオンが聞く。

「つまり?」


ルナは元気よく言った。

「全部動かさなくても」

「ちょっとだけ開く!」


フェリが目を瞬かせる。

「そんなことできるの?」


ルナは胸を張った。

「できると思う!」


ミリアスが小さく笑う。

「相変わらず自信満々ですね」


ルナは帽子を押さえながら言う。

「ただし」


フェリが聞く。

「ただし?」


ルナは指を三本立てた。

「魔石いっぱい」

「回路修理」

「あと」


少し考える。

「ちょっと危ない」


レオンが苦笑する。

「最後が一番気になるな」


フェリは扉を見つめた。


巨大な石。

眠ったままの古代設備。

そして、この城の心臓かもしれない場所。


フェリは少し笑った。

「面白そうじゃない」


ルナが嬉しそうに頷く。

「でしょ!」


地下の通路に、静かな空気が流れる。

巨大な扉は、まだ動かない。

だが。


もし開くことができれば――

魔王城は、本当に動き出すのかもしれなかった。


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