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魔王ガリウスの末裔 ~異世界でいきなり次期魔王宣告を受けてしまいました~  作者: 宜候(ヨロシクソウロウ)
第1章 旅立ち
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第11話「いざ行かん」

竜人族のカルマとマルカを仲間に加えたユウト達は、王城へと戻った。


そして、ユウトはカルマとマルカを魔王パイトスに紹介するため謁見の間へと向かった。


謁見の間で魔王パイトスは、巨大な姿で出迎えてくれた。


そして、魔王パイトスの隣には、巨大な竜が控えていた。


(こんな大きな龍がいたんだ。初めて見たな。)


カルマとマルカはその竜を見ると魔王パイトスの姿に驚くこともなく、駆け寄っていった。


「お兄様、お久しゅうございます。」


「これ、カルマ、マルカ、魔王様の御前だぞ。控えなさい。」


魔王パイトスの隣に控えていた竜に一喝され、カルマとマルカは後に下がって、頭を下げた。


「そう畏まらなくてもよいよい。」


丁度その時、ユウトもカルマとマルカに追いついて、魔王の前にやってくると、二人の竜人族を魔王パイトスに紹介した。


「カルマとマルカか、良く来たな。カルマは男の子でマルカは女の子じゃな。見ての通り、お前達の兄のフォルテは我が直属の部下として働いてもらっている。お前達もユウトを助けてやっておくれ。」


「はい。竜神ヴァイスの名にかけてイーデル国に忠誠を誓います。」


この言葉を聞くと魔王パイトスは立ち上がり、ユウト達の元へと歩いてきた。


フォルテもそれに従い、人型になって魔王パイトスとともにユウトも前へとやってきた。


「カルマ、マルカ、今日は兄とゆっくり過ごすがよい。フォルテも今日はもう下がって良いぞ。久しぶりに兄弟水入らずで過ごすとよい。」


「はい。お心遣い感謝し致します。」


フォルテが頭を下げた。


「ユウトも今日はゆっくりするとよい。今後のことは明日にでもヘレス参謀より聞いてくれ。」


「はい、分かりました。」


その後ユウトは、国の各所で歓迎を受けたことを魔王パイトスに報告した。


「それにしても、国中を回るとは思っていなかったので、ちょっと驚きました。」


「驚いてくれたか、黙っていた甲斐があったな。まぁ、通常はこの地に国民を集めてお披露目するんじゃがな。この国を見て回るのも良い経験になると思って、今回はあちこち回ってもらったんじゃ。わはははは。」


「美味しい料理を沢山食べて、少し太ってしまったような気もします。」


「それは良かった。わはははは。」


「ではユウトも下がって良いぞ。」


「はい、それでは失礼いたします。」


カルマとマルカには、明日、ユウトが住む旧王城へと来るように言って、ユウトも久しぶりの我が家へと帰っていった。


ユウトが戻ると、既に食事の準備が出来ており、不在のヘレス参謀以外の4人で食事をした。


その際に、ヘレス先生から竜人族の役割について聞くことが出来た。


「竜人族は、パーティの目であり耳です。」


(千里眼を持っていると言っていたけど、耳も良いのか。)


「上空を飛びながら、魔物を探してパーティに知らせます。」


「戦闘能力は持っていますが、基本的に戦闘には参加しません。」


「それはなぜですか?」


「この世界には、竜人族の他に竜族が居ます。竜人族と違い人間に擬態することは出来ません。また、竜族は人間を襲う習性があるので、竜の姿を見ると、他国の人々は、ある時は恐れ逃げ惑い、またある時は攻撃をしてきます。無益な争いを避けるため、他国民の前では竜の姿を見せないことになっています。」


(そんな理由があったんだ。まぁ、彼らはまだ子供だし、上空から見ているだけなら安全で良いな。)


「それから、今後のことですが、明日ユキムラから説明がありますが、まずは交流都市ハーフェンへ行き、そこからイーデル国を出てミナレ国に行くことになります。」


(いよいよ国外へ出発だな。)


「それでは、お疲れでしょうから今日はお風呂に入ってゆっくりお休みなさい。」


「はい、そうします。」


ユウトは、屋上に作った露天風呂へと向かった。


寝る前に露天風呂で星を眺めるのは、露天風呂を作って以来のユウトの日課になっていた。


(やっぱり満天の星の下での露天風呂は最高だな。)


一際明るく輝いているセレス、そして多くの星々が空に散りばめられていてとても綺麗だった。



翌朝、ユウトは目が覚めると、朝食のために食堂へと向かった。


テーブルにはヘレス参謀の姿があった。


「おじさん帰ってきていたんですね。おはようございます。」


「ユウト殿、おはよう。色々雑用が多くてね。ははは。」


「食事が済んだら、パーティのメンバーに集まってもらって、今後のことを話そうと思っている。」


そう言うとヘレス参謀は黙々と食事を始めた。


「お兄様、おはようございます。」


突然、セナの声が聞こえたが、姿は見えない。


魔法で姿を消しているようだった。


「どうです、かなり上達したでしょ。」


セナはこの国に来てから、昔あこがれた忍者になりたいと、主に諜報を学んでいた。


「私も付いていきますからね。お兄様が駄目と言っても絶対付いていきます。」


「わかった、わかった。連れて行ってあげるよ。」


「きっとお役に立って見せますわ。」


セナの実力は、アリーナから聞いていたので、ユウトは一緒に連れて行ってあげるつもりだったが、ちょっと意地悪をして、セナには留守番するように言っていた。


「セナ、いつまでも隠れていないで食事を済ませるよ。」



食事が終わって会議室へ行くと、既に皆そろっていた。


「では、全員そろったので今後の予定を話します。」


ヘレス参謀は、地図を広げ、皆に見せながら話し始めた。


「まずは、交流都市のハーフェンに行ってもらいます。ハーフェンのギルドで冒険者として登録してからミナレ国の都市タナンへ向かい、当面はそこを拠点に魔獣討伐と亜人の保護をやってもらいます。後は、状況に応じて臨機応変に行動してください。」


「ハーフェンのギルドには直ぐに登録できるように指示してあります。」


「また、ハーフェンには、この国から派遣した者達が冒険者として活動していますので、ミナレ国の現状についてはそのもの達から確認してください。」


「パーティについては、彼の地では5~6人程度のパーティが多いと言うことなので、メンバーを二つのチームに分けます。チーム分けはアリーナに任せることとします。」


(交流都市ハーフェンかぁ、楽しみだな。)


「最後に魔法について話しておきます。」


「ミナレ国の冒険者の中には、簡単な魔法を使う者は多く居ると聞いています。ただ、正式に魔法を学習した者はほとんど居ないので、強い魔法を使う者は希だと言うことです。あまり目立ってしまうと、やりにくいことも出てくるので、魔法は必要最小限度の使用にとどめ基本的に武器で魔物を討伐してください。」


この時ユウト達は武器の使用に関してもかなりの手練れになっていた。


「何か質問はありますか?」


最後にヘレス参謀が聞いたが、皆は早く旅に出たかったので、黙っていた。


ヘレス参謀も皆の気持ちが分かっていたので、「では、出発は皆で相談して決めて下さい。以上です。」と言うと、部屋を出て行った。


「では、いつ出発しようか?」


ユウトが問いかけると、ヨシマサが、「今すぐ!」と言った。


するとアークが、「いや待て、両親への報告や準備もある。明日の朝でどうだろう。」


そして色々と話し合った結果、明日の朝、移動門で南方の都市ズードまで移動して、そこから馬車でハーフェンへ向かうことに決まった。


出発日が決まったのでヘレス参謀に報告すると、「今すぐにでも出発しそうな様子だったが、明日になったか。ははは。」と笑っていた。


「では、早速パイトス様に皆で出発のご挨拶をすると良い。」


「はい。」


ユウトは返事をすると、皆のところへ戻って、一旦解散となった。


昼食を済ませた後に、魔王パイトスに出発の挨拶のため王城へ向かった。


王城では、謁見の間ではなく、応接室で魔王パイトスが待っていた。


ユウトは魔王パイトスの前に進み出て「明日の朝、出発いたします。」と報告した。


「そうか、ミナレ国では魔獣が増えて、子鬼やオークなども生まれてきているようじゃ。魔人王の誕生はなんとしても防がねばならん。期待しておるぞ。」


いつになくまじめな魔王パイトスを見て、ユウトは重要な仕事だと改めて実感した。


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