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決戦 5
アンリ・ブルゴーニュは不服そうに出撃に関する書類にサインをした。
「閣下……」
「言ってくれるな」
部下の言葉に落ち込んだトーンの声が響いた。南都佳城の執務室。これから勝つであろう戦いに出るにしてはあまりに落ち着いた雰囲気と言えた。
「面白くない」
アンリが思わず本音を呟いていた。
「そんな風に戦いを見ているのですか。勝つのですからそれで良いではないですか」
部下の言葉、それも幼い頃から支えてくれた身内の言葉だけにアンリには苦笑いで応えるしかなかった。
「勝つのはあのゴンザレスだ。世の中で一番勝った欲しくない奴だ」
「ですがそれでもその勝利で南都は遼南の欠かせない戦力となる」
「うまい具合に使われるだけだ」
半分やけになったようにアンリは呟いていた。
「ただ……南都の民を兼州の民と同じ苦しみを味あわせるわけにはいきません」
「それはそうだがな……あのゴンザレスがこれから南都に求めてくる無茶な要求を想像するとなんともやりきれないんだ」
「確かに」
アンリの言葉に同意する部下にアンリはただ俯いて応えた。




