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混沌の戦場 8

大型の輸送車の隣にサッと機体を着地させる技量に周りの兵士達の視線が集まる。


「さすがですね、伯父上」


『冷やかしてるのか……』


そう言いながら孝基はコックピットのハッチを開く。


『紅籐太……』


『本物の紅籐太だ……』


マイク越しに周りの兵士達の呟きがラスコーにも聞こえてきた。


『諸君!任務ご苦労である!』


得意げに話す孝基の言葉にモニターの中の兵士達はリラックスした面持ちでそれを眺めていた。


『諸君等の奮闘もあって現在我が軍は央都めがけて進軍中である。そもそも東宮殿下がこの七年間、兼州の離宮に押し込められていたこと自体が異常で我が軍の目的は帝都を取り戻す当然の行動である』


『そうだ!』


口々に孝基の言葉に賛同する兵士達。孝基は言葉を続けた。


『現在、央都は姦雄ガルシア・ゴンザレスとその取り巻きの支配下にある。これは由々しき事態だ。ゴンザレスとそれに従う君側の姦を取り除き、我々の手に御政道を取り戻してこそ今回の作戦は成功したと言える』


「伯父上は勝つおつもりか?」


「それは無いでしょう。士気を高めて最後まで戦い抜くことしか考えていない」


ラスコーの言葉に隣の相馬は当然のように答えた。画面の中ではコックピットのハッチに立って演説する孝基の姿が映し出されている。


『南都、東海の心ある人士に告げる。ゴンザレスに加担することは逆賊の汚名を自ら名乗ることに他ならない……今からでも遅くはない。我ら正当な遼南王朝の禁軍となって賊臣ゴンザレスの御印を上げることが遼南に住む者の義務なのである』


演説を終えると兵士達は一斉に肩を組んで手を打ち足を鳴らし孝基の言葉に応えた。


「言葉では何とでも言えますが……」


「そうです。西園寺卿はすべてが無駄だとわかっている。でもそれを最前線で戦う兵に言うわけにはいかない……」


相馬の言葉にラスコーは静かに頷いた。

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