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戦いの序章 17

「それが商売道具でね」


吉田の言葉に真田は唇を噛み締めた。


「しかも狙っていたのはラスバ帝の遺産……」


「ラスバ帝の遺産……『クローム・ナイト』とパイロットか?」


気づいたゴンザレス将軍も唇を噛み締める。そこには彼の犯した間違いを見て取ることができて吉田は満足げに頷いた。


「この遼州星系の先住民族『リャオ』の残した超古代兵器……突撃及び格闘戦での予想される圧倒的な実力から突撃兵器……『アサルト・モジュール』とカテゴライズされた人型兵器のオリジナルがあんな田舎に隠されているとは……しかも近年まで時間凍結で眠らされていたオリジナルのパイロットまで付いてるとは……胡州も何が何でも確保したくなるわけだ」


「傭兵風情が知ったことか!」


「傭兵だから分かるんですよ。アンタ等正規の兵隊さんが無駄な動きをするわけがない……俺もハッキングの痕跡をあまりあちこち残すわけにいかないから一番場慣れた部隊を追ってたら……ビンゴだ」


「ハメたな!」


真田はそれだけ言うと立ち上がって不機嫌そうに首相執務室から姿を消した。


「しかし……胡州の手に落なくて何よりでした。……うちも手駒が少ないですからねえ」


「浅野。それは言ってくれるな」


ゴンザレスは苦笑いを浮かべながら葉巻に手を伸ばす。


「しかし今は宝物に手を伸ばすタイミングではありませんよ……しばらくは見て見ぬふりをしているのが吉かと」


「吉田少佐、なぜかね?」


思わせぶりな吉田の言葉に浅野は引っ張られるように問うていた。


「先ほど言ったとおり生存者はオリジナルのパイロットのみ。しかも最も近い村からも50キロも離れた僻地です。下手に動いてほかの勢力に手を出される可能性もあります」


「ほかの勢力に取られるなら放置しておけということか?」


葉巻の吸い口をカッターで切りながら機嫌も良さそうにゴンザレス将軍がつぶやく。吉田の口元には笑みが浮かんでいた。


「まあ今はそんなことには構ってはいられない……今度こそ兼州には動いてもらわなけらばな」


ゴンザレス将軍はゆったりと首相の椅子に身を横たえながら煙草をふかす。その様子を吉田は満足したように眺めていた。

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