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戦いの序章 13

「お前ら何をやっている?」


「先生!」


突然小学校の教師に声をかけられたシャムとグンダリは立ち止まった。教師の手には銃が握られている。まわりを見れば男達が銃を持って南の街道めがけて走っている様があちこちで見られた。


「先生……それは?」


「村の男衆はアサドさんに訓練されてきたからな。こういう時が来るんじゃないかと……お前達は小学校に集まれ」


それだけ言うと教師はそのまま走り去った。シャムとグンダリは何もできないというようにその場に立ち尽くしていた。


「行くか……」


「グンダリ。やっぱり私達じゃ足でまといになるからね」


仕方がないというように二人は小学校に向かう道を急いだ。


遠くに銃声が響いていた。


「始まったね……」


「ああ」


二人はぼんやりと不安そうに周りを見回しながら歩いている女子供達と一緒に小学校にたどり着いた。


「入ってくるかな……敵」


「大丈夫。お父さんは強いから」


グンダリの言葉にシャムは即答した。幼児の鳴き声や不安そうに呟き合う女性達の声が小学校の校庭に響いていた。そのはるか向こうでは激しくなる銃声が響いている。


「ここなら大丈夫だね……でもなんでこんな何もない村を襲うんだろう」


グンダリの言葉にシャムはぴくりと眉を動かした。


シャムには覚えがあった。彼女の義父アサドが退役時にこの村の奥に運んだアサルト・モジュール。古代兵器のコピーとして先帝ムジャンタ・ラスバが心血を注いで作り上げた『クローム・ナイト』。それが眠っていることはアサドとシャム、それに村長など一部の大人しか知らない話だった。


「でも大丈夫だよ……きっとなんとかなる」


シャムの言葉にグンダリが頷いた瞬間の出来事だった。


突然立ち話をしていた老女の首が消し飛んだ。すぐさま隣の少年の右足が強力な力でねじ切られる。そして銃声。


「何?何が起きたの!」


「スナイパーだ……かなりの距離だ」


シャムは義父に教えられていたことを思い出した。遠距離からの狙撃では銃声よりも銃弾が先に着弾する。一気に小学校の校庭はパニックに陥っていた。


「頭を下げて!物陰に隠れるんだ!」 


両手を振ってシャムが叫ぶ。彼女の声は恐慌状態に陥った村民の耳には届かなかった。続いて連続した銃声が響き、逃げ惑う女性達をなぎ倒していく。


「隠れて!校舎の裏!」


シャムが叫んだ瞬間に校舎裏に向けて走り始めた女性達の群れが爆風に吹き飛ばされていた。


「グレネードランチャー?奴ら本気で皆殺しにする気なんだ……」


「シャム!どうする?敵は見えない……どうするんだよ!」


先程までの威勢はどこへ消えたというように戸惑うグンダリ。シャムは銃声と次々と倒れていく女子供達を見ながら森の方に目をやった。

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