第二章「王都ヨキフ」 24.1話
本日最後の投稿です23.3話23.4話をお読みで無い方はそちらからどうぞ。
僕達はいつもの通り早朝に領主館を出て魔窟に向かった。
今日は20層へ挑戦の日だ。
中層の降り口が転移し始めるのは明日以降だから、この数日で覚えた18層までの降り口はそのまま使える。
19層までサクサク進んで20層への降り口をじっくり探す予定だ。
このところ探究の魔獣退治は案内役のカテリナの采配で3人に任せているので、僕は一人勝手に走り回って魔獣を狩っていたが、今日はサクサクの日なので3人の先頭に立っている。
「私もあんな風に魔法も使わずに魔獣を蹴散らせるようになるのかしら」
「極めれば出来ると思うけれど、同じ様には無理かも」
「そうよね。あれはやっぱり異常よ」
「うんうん」
ナタシア様とカテリナが好きな事を言っている。
「ちょっと、わざとこっちへ魔獣を流したでしょう」
「無駄口を叩くほど暇そうでしたので」
「まあ、これくらい何でも無いけれどね」
サクサク進んでも19階層に着く頃には3時間経っていた。
「さて、19階層で降り口を探すのは初めてだけど、他のパーティはなぜ降り口が見つけられなかったのだろうね」
「ここまで時間が掛り過ぎて降り口を探すのに時間を掛けられなかったのじゃあないかしら」
マーカス様の問いにナタシア様が答える。
「それもあるけど、やはり見つける事自体が難しいのだと思うんだよ。だからね、普通の探究者が探せないところを僕等は探そうじゃないか」
と巨大な水溜りを指さす。
「僕が障壁で囲いを作るから、フィンリーは物送系でその中の水を浮かせて。ナタシアとカテリナはその水を障壁の外に退かせてほしい。やはり怪しいのはどこからも遠い一番真ん中辺りだろうな」
水溜りの中央部に円筒の障壁が出来たのが光の屈折でぼんやりと見える。
僕はその中の水を浮き上がらせる。
退ける事も簡単だが、それは女性陣の仕事らしい。
二人が水を障壁の外に撒くように退かせると、水に中空の円筒がクッキリを見えるようになった。
「フィンリー、君なら跳べるだろう」
当てずっぽうでご指名ですか。
「分かりました」
急がないので陣図発動で一気に跳ぶ。
水で囲まれた円筒の中に立つと足元にかなり大きな石板がある。
おそらくこれが蓋だ。
「それらしいのがあるのでここまで来てください。障壁は僕が変わります。皆、魔薬で回復すれば跳べますよね」
「「「了解!」」」
「ようし、それじゃあ開けるよ」
全員が障壁の中に揃い、マーカス様が魔法で蓋をずらして行くとその下に階段が現れた。
お読みいただきありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします。




