第二章「王都ヨキフ」 23.4話
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天地流ではカテリナが姉弟子格と云う事で、更に二人の間は親密さを増したようだ。
魔窟の中では完全に呼び捨てで声を掛け合っているし、貴賓室ではまるで同級生の乗りだ。
学院などの公的な接点が無いので良いが、傍目から見ればとても尋常とは思えないだろう。
おそらくナタシア様もカテリナと同じように今まで同年代の気の置けない友人が居なかったのだ。
しかも王族の自分と同格以上の強さを持つ者がいるとは想像した事もない筈で、本人としては奇跡の出会いなのかも知れない。
*
「僕はもうすぐ成人だけど、ここに来て力の底上げを実感しているよ。もっと早く君と知り合えていたらきっと随分違ったのだろうね」
天地流を始めてナタシア様の精神レベルや武技レベルが上がり始めた。
横で見ているマーカス様まで少しずつ上がっている。
まったく天地流は素養の有る者には優しいよね。
「そうですね。劇的な変化は厳しいでしょう。でもやはり王族としての素質があるので底上げだけでも実戦では結構な差が出ると思います」
「ナタシアが習っているのは君が作った武術なのかい?」
「僕が作った訳ではないですが、今最も習得しているのは僕だと思います」
「君が強いのは『あのベルナール』だから当然理解できるのだけれど、あの子の魔力や武技が僕等より優れているのも君が一緒にいたからだよね」
「そうですね。本人の素養が無ければ無理ですが、僕のやり方で少しは効率が良くなるのも確かだと思います」
「少しで、平民落ちの娘さんが王族以上の強さになるのかい?」
「はい、10年以上続ける事ができれば……ですが」
「そうか、僕は成人までもう1年程度だからね。残念だな」
「基本の鍛錬をお教えしますので続けてみて下さい。先程も申しましたが、王族の素養は馬鹿にできません。1年あればかなりの成果が出ると思いますし、上手く行けば成人後も効果が続く場合もありますので」
「ありがとう。折角だから頑張ってみようか。まあ、僕はともかくナタシアの3年後が楽しみだよ。強くなり過ぎて嫁ぎ先が無くなるかも知れないが。その時は君に頼もうかな、はっはっは」
冗談に聞こえないどころか、かなり本気が見え隠れするのが困ったものだ。
確かにそうなれば彼女の周りで勝てる男は僕しかいない可能性が高いし。
でもね、僕にはカテリナがいるから無理なんです。
「話は変わりますが、どうでしょう。地力も順調に上がっているようですし、マーカス様が居られるうちに20層に挑戦しましょうか」
「到達記録更新か。良いね、楽しみだよ」
決行はマーカス様出発の前々日と決まった。
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