第二章「王都ヨキフ」 22.4話
本日最初の投稿です。今日もよろしくお願いします。
「貴方の事はカテリナから随分と聞かされています。貴方はきっと幼い頃からカテリナを守って来たのでしょうね。カテリナは貴方に全幅の信頼を寄せていますし、信じられない事ですが、その頃から貴方にはそれに応えるだけの実力があったのでしょう」
ここは下手に口を挟まずこの言葉に耳を傾けよう。
「私がここで言葉を止めても焦らず待つ。何なのでしょうね、貴方は。まるで貴方の中に誰より経験深い長者が隠れているようです……。まあそれは置くとして、考えて欲しいのです。貴方の手の届く範囲でカテリナを害せる者は居なくても、まだ暫くカテリナは貴方と離れて暮らさなければなりません。貴方達の婚約は彼女の親が貴族になるのを待たなければならないし、それにはお父様が男爵になる必要がありますね」
「仰る通りです」
「貴方はカテリナが誰にも負けないように鍛えたのですね、この娘が貴方と離れても大丈夫なように」
「はい」
この人には分かっているのだ。カテリナと僕が過ごした日々を、そしてその時にかけがえの無い事が。
「それでもこの娘はまだまだ年端の行かない少女なのです。私はこの娘が可愛い。沢山の家人を育てましたが、こんなに素直で純粋な娘には初めて出会いました。もし貴方がそこまで考えてこの娘を導いたのだとしたら私は恐ろしくてどうしようも無い。それでも貴方にお願いするの。どこにでも居る口さがない輩にこの娘を攻撃する隙を与えないで下さい。取るに足らぬ輩の一言が思わぬ結果を引き起した事態を私は何度も観てきました。貴方に足りないのは恐らくこの世界での経験だけなのでは?」
これを見抜く彼女をこそ恐ろしくて、僕には言葉を挟む事も叶わない。
「カテリナも楽しみにしていたので今日は大目に見ました。明日からは自重してくださいね」
「……、ご忠告ありがとうございます。カテリナの傍に貴方が居て下さる事に感謝の言葉が見つかりません。是非、これからも。是非、是非よろしくお願いします」
僕は深く永く頭を下げた。
ここにいれば、彼女が居ればカテリナは大丈夫だ。
これぞまさしく天の配剤。
僕は随分久し振りに神様に感謝した。
「おはよう」
「おはよう」
「昨日は寝ちゃってゴメンね。アリアーナ様に叱られたでしょ」
「いいんだ。僕もこれから気を付けるよ」
翌朝早く顔を出したカテリナが会う早々ペロっと舌を出した。
この顔を見るだけで幸せを感じられる自分が、嬉しい。
次の投稿はお昼前後の予定です。




