第二章「王都ヨキフ」 13.1話
本日は3回投稿予定です。
「コルネッテ様。私もご紹介いただけないでしょうか」
先ほどマジャンの公爵家孫娘と名乗った令嬢に彼は摺り寄った。
マジャン王国貴族の主流はルマナ系で、彼女もジェリナ様と同じ銀髪直毛で白い肌だが、ビクスドールまがいの容貌で『あろうことか』髪を縦ロールにしている。
あっ『』の中は聡の好みが無意識に言わせたんです、きっと。
「まあゼスタッテ、貴方先程の態度は感心しませんよ」
「面目ございません」
「仕方ないわねぇ。ジェリナさん、こちら当家寄子の子爵家嫡男ゼスタッテ・バルスですわ。礼儀知らずで申し訳ありません」
なんだか大仰で芝居じみたやり取りだなぁ。
「いえ、お気になさらずに。ジェリナ・フルトです、よろしくお願いします」
「ありがとうございます。ゼスタッテと申します。お会いできて光栄です」
「はい」
「不躾で申し訳ございませんが一つお尋ねしてもよろしいですか」
「何でしょう」
「先程私が『らしい』と彼に話した件なのですが、パノンの公爵家と辺境伯家のチームが騎士爵家が率いるチームに負けたと伝え聞きました。わが国では終ぞ考えられない事態なのですが、誠なのでしょうか?」
コルネッテ嬢の瞳がきらりと光ったのをジェリナさんは見逃していない、もちろん僕達も……ほぉこの茶番はこう云う仕込みだったんですね。
「ええ、紛れもない事実ですわ」
ジェリナ様は気付かぬ風で即答する。
「高位貴族の方々が余程調子を崩しておられたのか、将又精進が足りなかったのでしょうか。一回戦で私どもがそのチームと当たりますので、我が国の実力をお見せできるかと……」
「ほう、それは興味深いですね」
更に語り続けようとするゼスタッテ君を遮るように声が掛かった。
ザネルの侯爵家次男ムロミュート・タンドスと名乗っていましたね。
「私達が一回戦を勝ち抜けばどちらかの勝者と当たるのですよ」
いや、2回戦の前に1回戦の心配してください。
まぁ、ゼスタッテ君に最後まで喋らせなかったのは褒めて上げてもいいかな。
「我が国パノンは実力本位で、忖度や斟酌が勝敗に干渉する余地はございませんので。どうぞ皆さん明日は存分にご確認ください」
おぉっと、ジェリナ様が言い放ちました。
これで負ける訳には行かなくなった……元々負ける気もしないですけど。
まあ、どういう風に勝てばいいのかは考える余地がありそうです。
どなたにも疑問の余地無く分かるような勝ち方にしないとね。
それにしてもやっと訪れた『ざまあ』の機会、長い間待ちましたよ神様。
テンプレ風味のふりかけはここから活躍するのでしょうか。
次の投稿は17時の予定です。よろしくお願いします。




