表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/1544

第二章「王都ヨキフ」 5.2話

今日2回目の投稿です。本日初めての方は5.1話からお読みください。

 スェーニャさんの魔法はジブリス往きで父上達が使った熱を飛ばす魔法だ。

手元の空創系空間に温操系の熱エネルギーを溜め込んで20メートル程先の的へ空操系で飛ばす。

当たった部分の藁束から炎が上がり、やがて全体が燃え上がった。

出番が終わった皆から拍手が起きる。

スェーニャさんも誇らしげだ。


 ヨーザイル君も同じ系統で見た目はスェーニャさんと変わらないが、発動時間は少し長い。

発動すると当たった瞬間に藁束全体が一瞬で燃え上がった。

某超有名RPGでスェーニャさんのが『×ラ』とするなら、こちらは『メ▽ミ』だろう。

先ほど拍手をした皆から歓声が沸き起こった。

ヨーザイル君はそれに手を上げて答え、僕に視線を送って来た。

うーん、やっぱり首席に成れなかったのが悔しいのか、かなり意識されているようだ。


 皆の魔法を見てからにしようと思っていたので、まだ何をするかも決めていない。

テンプレならここは『×ラゾーマ』で試射場の壁ごと壊してしまったりするんだろうけど、あまりに単純過ぎるし魔力量は理解してもらえる範囲に押さえないとね。


 何人かが電操系を使ったので準備した的は余っている。

上半分を水で湿らした藁束の的を4つ準備して15メートル程先に並べた。

陣図準備の時間を少し置いて、皆が見た事のないだろう仕草で右手から左手と順番に腕を振りきった僕は的に向かって歩き出した。

4つの的の藁束が下から燃え上がり、続いて上半分が凍てつく。

僕があらかじめ腰に差しておいた棒切れを出して四つの的を軽く叩いて回ると、叩いた順に的の上半分がパラパラ砕け散ると同時に下半分の藁束が燃え尽きた……皆にはこう見えたはずだ。


~聡さんの解説タイム:面倒な人は読み飛ばしてね~

 スェーニャさんが使ったのは温操系を使った攻撃魔法では最も一般的で分かりやすい魔法だ。

温操系の熱エネルギーを空創系空間に閉じ込めて空操系で的まで飛ばす。

呪文や陣図も基本通りなので発動時間も長くはならない。

 ヨーザイル君の場合は少し手の込んだ事をしている。

空創系空間に熱エネルギーではなく温操系魔法の特性そのものを封じ込める。

これはもちろん僕も出来るが結構繊細な感覚が必要だ。

魔力量の多寡だけではなくて魔力を扱うセンスと努力の成果だろう。

確かに一部の魔法の陣図習熟度が50を超えて他の皆の倍程になっている。

しっかり鍛錬したんだろうな、頭が下がる思いだ。

ただし、効果は高いが魔法自体が複雑になるのでどうしてもスェーニャさんの魔法より発動時間が長くなる。

更に魔力量も多く必要なので彼等の魔力量の場合、スェーニャさんの魔法なら連発も可能だが、ヨーザイル君のはかなり微妙だ。

ジブリス往きの狼討伐の時に父上達が基本の方を使ったのは、倒す相手と発動時間そして自分の魔力量のバランスを考えての事で、どちらにも一長一短があるのだ。

 僕が使った魔法は……取り敢えず天地流で空創系障壁空間を身にまとう。

親指を除く指先の空間を伸ばして右手の指先には温度上昇、左手には温度低下の魔法を詰める。──詠唱100なら簡単なのだが発動させながら陣図を頭の中で繋いでゆくのは結構大変なのだ──

天地流で最初に右手次いで左手が最大速度で振られるような動きを取り、タイミングを見計らって障壁空間に作ったくびれを解き放ってゆく。

小さな空間が僕の手の勢いのままに的に向かって飛んで行くと同時に僕は的に向かって歩みだす。

左の的から順番に下半分に右手の魔法が当たる。

『×ラ』よりも小さな炎だが下から上に燃え広がるように狙って当てている。

湿った上半分が下からの炎で少し温まったところに左手の魔法が当たる。

湿って温まった藁が急激に温度を下げられて凍てついた。

僕が木の枝で的の上半分を軽く叩くと凍てついた上半分は急激な温度変化に耐えきれず、芯になった木材の表面ごとバラバラに砕け散る。

ほぼ同時に下半分の藁束が燃え尽きたのは叩くタイミングを見計らったからだ。

 温操系は温度を操るが、同じ温度差なら温度を上げる方が魔力消費は少ない。

聡の知識は分子が動きたがる性質を持っているからだと告げる。

ただ、物を瞬時に燃え上がらせるには何百度以上の熱が必要だが、生き物を行動不能にするには数十度温度を下げれば済む。

今回使った温操系は温度を1000度位上げるのと100度位下げるもの。

上げる方は的の一番下だけに火を付けて燃え上がらせる極小のものだが、下げる方は対象が上半分全部だから魔力は下げる方が多く必要だった。

ただ、指先の距離ほぼゼロで発動させたのと射出に魔法を使っていないので、全体の魔力消費量はスェーニャさん、ヨーザイル君よりも少ない。

~解説タイム終了~


「……何をしたんだ?」

呆然と4本の的を見ていた先生が問いかけた。

「えっと、使った魔法は空創系と温操系だけです。飛ばしたのは体の力ですから」

「何の魔法を使ったかじゃなくて、どう使ったかを訊いているんだが」

「小さな空間に魔法を詰めて振り飛ばしただけですが」

「どうしたらそんな事ができるのだ?」

う~ん、天地流が無いと難しいよね。

「自己流の感覚だけでやっているので説明は出来そうにありません」

ここじゃ天地流は究極の自己流だから嘘ではない……と思う。

「4つの的を同時に発火と凍結それも腕で振り飛ばした魔法で、こんなのは見た事が無いぞ。まあ、魔力消費はそれ程でもなさそうだが。どちらかと言えば魔力量よりも魔力操作に自信があるのか?」

「はい、魔力操作は嫌いではありません」

これは本当だ、魔力量は内緒だけど。

「流石に首席だけの事はあるな。次席と三席も見事だった。他の者も発動を確認出来たし、今日の演習はこれで終了だ」


 これからの為にも、魔力は人並みだが操作は得意な主席君……こんな感じで覚えてくれると助かります。

お読みいただきありがとうございます。

もし良ければ「小説を読もう」でブックマーク登録していただければ嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
↑ これをピコッと押すと私のレベルが少し上がります。
★★★★★ 付けてくれるととっても嬉しいです ((* •ω•)。´
『小説を読もう』ブックマークよろしくお願いします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ペコ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ