連休明けの憂鬱
連休が明けて最初の登校日、教室は明るい雰囲気に包まれていた。
話題は自分がどこに旅行に行っていたかがメインで、オーストラリアに行っていた誠二は皆から羨ましがられていた。
「裕二。土産買ってきたぞ!」
ふと誠二が会話から離れて俺のところにくる。席替えがあったので今は近くないのだがこうして土産を渡しに来てくれた。
「ああ、サンキュー」
俺は手を出すと誠二はそこにお土産を乗せた。
「お土産のコアラのメーチだ」
「へぇ……。海外でも作ってるのか」
パッケージを観察しながら海外製品と日本製品の違いを探そうとするのだが……。
「いや、嘘だから。信じるなよ?」
どうやら騙されたようだ。それにしてもこのネタをやるためにわざわざ買ってくるとは芸が細かい奴だ。
「本当の土産はこっちな」
そう言うと2つの物が机に置かれる。片方は濃い色の瓶に入っている液体だ。
「そっちはユーカリのエッセンスオイルだな。ルームフレグランスとして使えるから由美ちゃんへの土産だ」
「お、おう。悪いなわざわざ」
誠二は妹と会ったことはないのだが、この前話にだしたせいか本当に土産を用意してくれたようだ。
それにしてもルームフレグランスとはお洒落だな。誠二は贈り物を選ぶセンスが高い。
「もう一つのこれは……『T2』なんだこれ?」
黄色い箱にはT2と文字が書かれている。
「これはオーストラリアで有名な紅茶ブランドだ。ティーバッグが幾つか入っていて、ルイボスとかハーブとか色んなフレーバーが楽しめるようになってるから由美ちゃんと一緒に飲んでくれ」
「な、なるほど。ありがとう」
俺への土産も洒落ている。確かにこれは良さそうな品だ。
俺は受け取った土産をバッグへとしまうと……。
「そういえば愛華がまた世話になったようだな」
その名前が出た瞬間、俺の身体が固まる。
「……白石さんから聞いたのか?」
帰り際の彼女の一言が思い出される。
「ああ、家の鍵を無くした愛華をお前が泊めてくれたんだったよな? 助かったぜ本当に。改めて礼を言わせてくれ」
誠二は俺のことをまるで疑っていないのか真摯に接してきた。
「いや、知り合いが困っていたら手助けするのは当然だろ」
そのことに俺は罪悪感が湧きおこる。俺は誠二から目を背けると。
「今度そのお礼もしたいからさ、愛華も交えて3人で会わないか?」
「いや、止めとくよ。お前らの邪魔をするのもなんだし、礼については今回の土産で十分もらってるからさ」
これ以上白石さんに会うべきではない。俺はそう考えるのだが…………。
「そっか、裕二がそういうならまあいいか」
誠二は怪訝な顔をするものの、引き下がるのだった。
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