↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/68

第十話 結果オーライ

あ~‼️

行き当たりバッタリやな‼️

と思いましたが、行っちゃいます❤️

 マゼランの衛兵隊に拘束されたギルドマスターは、そのまま連行された。

 まあ、殺人未遂ときては、逃げられないだろう。

 そのうえ、地位を利用して、ちょこちょこ悪事を働いているのは明白だ。

 探せば証拠はぼろぼろ出るだろう。

 ま、この世界では、確実な証拠なんてなくても、殿様の裁量で罪は動く。

 利用価値のないやつなんざ、そんなに優遇はされないだろう。

 幸いにして、ここの殿さまは、それほどバカではないらしいからな。


 マスターが決まるまでの代理は、マルコと言う俺に盗賊の顛末を教えてくれたやつがするらしい。

 あいつはまじめなヤツだから、安心していいだろう。

 ほかの冒険者からも信頼が厚い。



「クリーン」

 俺は、生活魔法の『クリーン』を使った。

 腕の血まみれなどが、きれいに拭い去られて、気持ちいい。

「この前から気になってたんだけど、ユフラテっていつ詠唱しているの?」

 マリエが聞いてきた。

「詠唱?」

「ええ、いつも魔法を使うとき、呪文を詠唱していないわよね。」

「そんなもんいるのか?」

「え?詠唱してないの?」

「…してない、と言うか知らないよ。」

「ええ!本当に?それで魔法を使っているの?」


「まあ、できるからかな?」

「できるからって、それだけ?」

「それだけ。」

「なんとまあ。」

「だいたい、魔法なんて個人差だろうが。俺の着火なんて、最初こうだぞ。」

 ぼおおおおお

 全長二メートルの放火。

「なによこれ!」

「だから、着火の魔法。魔力ダダ漏れ。」

「あはははははは!」


「やっとマリエの笑い声が聞けたな。」

「あら、そうかしら?」

「できる女もいいけど、女は愛嬌だよな。」

「なによおっさんくさい。」

「そうか?」

「そうよ。」


 レミーが飛びついてきた。

「ユフラテ~、治った?」

「お~、すっかりよくなった。」

「よかった~、心配したよ。」

「レミーは大げさなのよ。」

「そんなことないよ、心配するじゃん。」

「そりゃすまなかったな、心配してくれてありがとうな。」

 レミーは嬉しそうに肩をゆらした。

 むっとするマリエ。


「ユフラテ、腕は治ったか。」

 ジャックが手を上げた。

「おう、もうこのとおり。」

「しかしまあ、お固いギルドの受付嬢が、そんな顔するなんてなあ。」

「はあ?」

「ジャック、それはどう言うことですか?」

 マリエが首をかしげた。

「そりゃ恋する女の顔だぜ、鉄のマリエさんがねえ。」

「そそ、そんなわけありませんよ。」

「あ~、はいはい。わかったよ。」


「なんですかその、さもしょうがねえなあと言う顔は。」

「しょうがねえなあと思ってるからさ。」

「こここれは、ギルド内部で起こったことに対するですね…」

「もういいからさ、年上でも心配したもんじゃないさ。」

「年上?」

 俺が疑問に思うと、ジャックが答えた。

「まあ、十六~七のユフラテから見たら、二十歳のマリエは十分年上だろうが。」

「十六…俺って、そんなトシなのか。」

「成人したてのガキにしか見えんがな。」

 ジャックも遠慮がない。

「マルソー、どう思う?」

「おれにもそう見えるがね。」


「俺はずっと自分がもっとトシ行ってると思ってた。」

「まあ、しゃべり方がジジくさいからな。」

「マルソーもそう思ったか?なんかオッサンくさいんだよな。」

 二十歳そこそこのジャックから言われるとがっくりくる。

「まあ、ユフラテ、は忘れ病なんだから、自分の歳もわからなくてあたりまえだ。」

「そう言うことだ、気にするな。」

 気にするわい。

 自分の歳も、生まれもわからんのは、不安材料でしかない。

 いくら日々の生活で、飯が食えるからと言って、それは変わらん。


「あ~、ギルドの風通しも少しは良くなるかねえ?」

 マルソーが肩をすくめた。

「まあな、マルコがマスター代理だってんなら、少しはマシになるさ。」

「そうそう、少なくとも買いたたきはなくなるだろうしな。」

「…」

 マリエは、ギルドのピンハネを少なからず知っていたので黙っている。


「えっと~、ユフラテから見たらあたしもお姉さん?」

 レミーが横から聞いてきた。」

「あ~わからんが、同じくらいなのか?」

「今年十八になりますが~。」

「そうか、それほど離れていないんだな。」

「そうよね~。」

 マルコが指揮をとるようになって、レミーもジャックもみんながEクラスに上がった。


「おれもかYO」

 ヨールも驚いている。

「ウサギがふたりで狩れるようになったんだから、安心して上がれ。」

 マルコに説明されて、ヨールも喜んだ。

 少しは実力がついたってことさ。

 いままで積んできたことが、無駄にならなくてよかった。

 ヨールもやればできる子なんだけど、要領が悪くて損をしていたんだ。

 マルソーも、御同様で力の強さが災いして、無駄な動きが多かった。

 二人で補い合うと、なかなかいい攻撃ができる。

 ヨールの器用貧乏のくせが、貧乏におおきく傾いていたからな。

 天秤をもどして、器用の方に触れるようにしたんだ。


「ユフラテに教えてもらったからだYO」

 ヨールはやけに感謝していた。

 パーティのリーダーがDクラスなら、護衛任務もこなせるようになり、実入りがよくなるのだ。



「マリエ!マリちゃん!こんなところにいたのか。」

 日に焼けた、ガタイのいいアンちゃんが声をかけてきた。

「あら、ブンちゃん、どうしたの?」

 え?キャラがちゃうやん。

「いや、ギルドに行ったら教会に行ったと言うからさ。」

「ええまあ、怪我した人がいたから。」

 マリエは俺をさして言う。

「ああ、このひとかい?」

「ええ、冒険者のユフラテさんよ。こちらは、ブンロクさん。」

「へい、でぇくのブンロクともうしやす。」

 腰の低い人だ。

「こりゃあご丁寧に、ユフラテでござんす。」

「マリエがお世話になったそうで。」

「いや、言うほどのことは。」

「そうでやすか。おいマリちゃん。」


「なんだい?」

 いなせだねえ。

「やっと親方から許しが出たんだ、で、おめぇを迎えに来たんだよ。」

「迎え?」

「おう、おめえを嫁にするためにむけぇにきた。」

「ブンちゃん!あたいは、弟たちを一人前ェにするまでは、嫁に行かないって決めてるんだよ。」

「一人前になる前に、おめえが嫁き送れっちまうじゃねえか。」

「それでもいいんだよ、あの子達が立派になりゃあ、死んだおとっつぁんやおっかさんが…」

「ばかやろうが、弟たちも親方が面倒見てくださるよう話がついた、おめえは安心していいんだよ。」

「ブンちゃん。」

「惚れたはれたの話じゃねえ、おめぇは生まれたときから俺の女房になるって決まってるんだよ。」

「ブンちゃん。」

「十歳から奉公に出て、いままでがんばってきたんだ、それもこれもおめえと一緒になるためだよ。」




「え~っと、俺たちお邪魔じゃねぇか?」

 盛り上がる二人を背に、俺は、レミーとマルソーたちにこっそり声をかけた。

「んじゃまあ、そういうことでえ、話がまとまったら教えてくんな~。」

 関西人が、むりやり江戸弁で話すようなへんなイントネーションになってしまった。



 メインストリートのカフェに避難して、みんなで顔を合わせた。

 ジャックがつぶやいた。

「あの鉄のマリエが、『ブンちゃん』だぜ~。」

 マルソーも目をむいた。

「びっくりした~。あ・オレ、エールね。」

「あ~あたしもエール。」

 ジャックは渋い顔だ。

「レミー、昼間っから。」

「エールなんて水といっしょじゃん。」

「まあまあ、オレ、おごるよ。いろいろ心配させたし。」

 オレが言うと、みんなこっちを見た。


「じゃあ、マリエの結婚がうまくいきますように。」

「「「かんぱーい。」」」

「か~!昼酒はうまいYO~!」

「ユフラテはふられちゃったYO~」

 レミーがヨールのまねをする。 あ~あ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。