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異世界従魔具店へようこそ!〜私の外れスキルはモフモフと共にあり〜  作者: 渡琉兎


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第189話:帰る場所はやっぱり……

 こうしてバルフェムに戻ってきた楓は、その足で従魔具店へと向かう。

 ティアナとヴィオンも一緒で、従魔具店の扉を開くとすぐに声をかけられる。


「カエデさん!」

「おかえり、姉ちゃん!」

「無事に戻ってきたか」


 ミリー、リディ、オルダナの順番で口を開いた。

 自分でも気づかないうちに緊張しっ放しだったのだろう。

 楓は彼女たちの顔を見た途端、大きく安堵していた。


「……ただいま、みんな!」


 そして、笑顔でそう答えると、腕まくりをしながら在庫状況を確認しようとした。


「あ、嬢ちゃんは今日と明日、しっかり休めよ?」


 楓の様子を見て仕事をする気満々だと悟ったオルダナは、真っ先に釘を刺した。

 そんな彼の言葉に楓はビクッと体を震わせると、横目でオルダナを見ながら口を開く。


「……で、でも~?」

「でもも何もない。嬢ちゃんは目を離すとすぐに仕事をしようとするからな。王都へ遊びに行っていたわけじゃないし、休む時はしっかりと休むんだ、いいな?」

「……はい」


 オルダナには頭の上がらない楓は、素直に返事をした。

 だが、在庫状況だけでも確認しておきたいと、こっそりミリーへ声をかける。


「……ねえ、ミリーちゃん? 在庫の状況だけでも――」

「オルダナさーん! カエデさんが在庫状況の確認をしたいそうでーす!」

「ちょっと!? ミリーちゃん!?」

「……ほほーう? 嬢ちゃん、俺の言うことが聞けないみたいだなぁ~?」

「……はは、あはは…………休みます」


 まさかミリーに裏切られるとは思わず、楓は苦笑いしながらそう答えることしかできなかった。


「……ったく。ティアナとヴィオンで嬢ちゃんを連れ出してくれるか? そうでもしないと、仕事人間になっちまう」

「分かったわ、オルダナさん!」

「任された」

「ティアナさんとヴィオンさんまで!?」


 ティアナとヴィオンも同じことを感じていたのか、オルダナの言葉に即答した。


「ほらほら、いくわよカエデ~」

「せっかく帰ってきたのに~!」

「仕事をするために帰ってきたのか? 本当に仕事人間なんだな」

「違いますから~! そういう意味じゃないんですよ~!」


 こうして楓は、帰る場所である従魔具店から連れ出されてしまった。


(……でも、みんな私のことを考えて連れ出してくれているんだよね。前はこんなこと一度もなかったし、ありがたいな)


 従魔具店を離れたくなかった気持ちも本当だが、オルダナたちの気持ちが嬉しい気持ちも確かだ。

 そう思いながら、楓はティアナに手を引かれながら通りを進んで行くのだった。

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