3話 臨戦態勢
■
全裸の女はどう見ても人だったけど、人じゃない？
全裸の女を生で見たことが無いから違和感が麻痺しているのか？
ユーレイ？
ユーレイかもな。
宇宙人？
このレベルで擬態できるものか？
できるなら今まで見てきた人間が人間か定義が揺らいでしまう。
宇宙人は無いわ。
この線は考えても仕方がない。
夢？
夢はあるな。
夢かもな。
幻覚？
幻覚もあるな。
ユーレイ、夢、幻覚。
マジシャン？
マジシャンあるわ。
マジシャン何でもできるし。
俺の部屋でマジックショー？
無いわ。
ユーレイ、夢、幻覚。
ユーレイの未練、「私の夢は、幻覚になることだったの」
知らんがな。
なんだこれ。
吐きそう。
全裸の女の顔を見る。
目が怖い。
三白眼。
俺を殺せる目をしている。
逃げたい。
でも玄関のドアにはチェーンがかかっている。
助けを呼ぶか。
呼べるのか？
誰を呼ぶ？
幻覚だったらどうする。
助けを呼んだら社会的に死ぬ。
疲れてるのかも。
夢だったら。
人だったら。
家のドアは金属？
木じゃない。
多分蹴っても開かない。
逃げようとしたら追ってくるかも。
こわい。
多分何かの間違いだ。
悪意があるなら来るんじゃないか。
悪意は無い？
可能性はある。
何で全裸？
全裸の意味がない。
夢か見間違いだ。
ドグラマグラモヨコって何だ。
そんな名前あるか。
夢。
夢か。
夢って手でさわれたっけ。
何をさわればいいんだ。
わからない。
何かの間違いじゃないか。
情報が足りない。
情報戦だ。
全裸の女の足から視線を外しておっぱいを見る。
そうだ、おっぱいをさわろう。
全裸の女のほうから、俺に一歩近づいた。
俺をにらんでる。
怖い。
やっぱり逃げよう。
固い。
何が。
俺のおちんちんが。
硬い。
おちんちんが臨戦態勢に入った。
おちんちんが邪魔で逃げられない。
俺の本能がガンガン警報を鳴らす。
俺のおちんちんがバキバキになる。
脳の奥が痺れる。
俺の頭は真っ白になった。
