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撤退
ユーフォーが止まった。
「やはり水の中か」
手あたり次第に弾を打ち込んだから、どこが成功したのかはわからなかったが、確認はあとである。
「こちらカインコック。正体不明のクリーヴァーと交戦し射殺した。事後処理を頼む。現在は誘拐された参考人の救出を優先する」
インカムにそう告げるカイン。カインはステナを探してユーフォーを飛ばした。
ユーフォーはすぐにステナを見つけ出した。
「クリーヴァーが負けた?」
テリーヌは言った。
「殺すか?」
テリーヌの部下の男は言う。光線銃を私に向けた。放射線で敵を攻撃し無限に撃てる。コストは飴玉一個分の値段で一億発という現代の銃。
「死体にするのはマズい。それにチャンスならまだある」
そう言った後テリーヌは手を挙げた。
これは指揮官が全員に指示を出すときの合図として、うちの組織で使われる方法だ。
「撤収だ」
その言葉と一緒に、テリーヌ達ははるか遠くに消えていった。