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ゴールデン・ウイーク・シャッフル  作者: 中山恵一


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忍者漁村 シーン1 最初の記憶


二次創作に近い劇を、やりましょうって事になった。


お題は時代劇で悪役忍者軍団が、何故に出来上がったかを語る前日譚


主人公は悪役忍者軍団の頭目。


何故か、外国で人気キャラになったらしい。


他にも何人かに書いてもらって、良いとこだけ寄せ集めて作るから

思いついたまんま、書いてくれていいからねー。とのこと


・・・



煤けた茅葺き屋根の隙間から、容赦なく差し込む朝の陽光。

そして肌を刺すのは、生臭い潮風と干からびた魚の匂い。


ここは相模の国、海沿いの小さな漁村――表向きの顔は。


物心ついた頃から俺に刷り込まれたこの世界のルールは、

封建社会の理不尽と絶対的な階級社会だった。


この漁村の実態は、忍者家格の武家である村長一族が上忍として君臨し、

村の三役と血縁者が中忍として牛耳る、れっきとした忍者の隠れ里だ。


そして俺が生まれ変わったのは、

その村社会の最底辺に位置する、使い捨ての道具――下忍の家系だった。


「おら、ぼさっとするな! 次の網引きが遅れるぞ!」


低い怒声とともに、硬い木刀の柄が背中を叩く。

痛みに顔を歪めながら立ち上がると、そこは朝霧に包まれた浜辺だった。


今、俺がいるのは「子供組」と呼ばれる、

ある年齢以下の子供たちが親元から引き離され、

共同生活を送りながら漁師や忍者としての訓練を受ける場所だ。


ここでは日の出から日没まで、容赦ない二足の草鞋生活が強制される。


午前中は荒波を相手に網を引く漁師としての過酷な肉体労働。


午後は息を殺しての隠密行動、手裏剣の的当て、

そして毒耐性をつけるための薬草の選別といった、殺し合いのための忍術訓練。


魚をさばく手つきで急所を暴き、大漁を祝う宴の裏で暗殺の密談が行われる。

そんな狂った日常が、「子供時代」の最初の記憶だった。



「おい、小僧。今日の夜の見張り、お前は西の岩陰だ。

 舟の気配があったら即座に鳴き声を上げろ」



古びた麻布の服をまとった少し年上世代の少年が目を向けて言い捨てる。


この世界は「失敗即死」という過酷な環境だった。


だが、不思議と恐怖はなかった。


奇妙なことに、この過酷な忍者の里の環境に驚くほど馴染んでいた。


村の掟、階級、上の命令絶対の縦社会――

長年に渡って閉鎖的な村の中で形成された群れの意識が、

なぜかこの地獄のようでもある村にいる事で、

自分も村の中にある群れの意識の一部という事を思い知らせてくる。


潮風を胸いっぱいに吸い込み、錆びついた手裏剣を握りしめた。



「……おかしいと想う事が、この世界では変な事らしい


 だが、この村に生まれたからには、

 他の場所で生きていく事は出来ない


 大人が言う忍従。それが当たり前なのだ。


 村の中で、この ”群れの意識” の一部として生きていくしかない」



そんな事を自分で自分に言い聞かせた日々が

人生で一番最初の記憶だ。



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