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天元突破の超越達〜鉄拳の女王〜  作者: 赤地鎌
ゼーレ・ヴィアジャル(魂の旅路)
534/1167

第533話 流れた先、その二

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


ディオス達は、様々な話し合いを行うも…

 特別防衛部隊の本部カディンギルの外テラスで、雷御とベガは…再び。


 雷御は、無言で手すりに腕を乗せて体を預けている。

 その隣にベガは立ち

「じゅーくん。お帰り…」


 雷御は鋭い目をして

「オレは…この世界を壊そうとした。なぜ…受け入れをしたんだ?」


 ディオス達が乗る時空戦艦ロンバルディアは、時空転移して宇宙達を彷徨っていたら、あの充人とライアーの師匠であり、アヌビスも顔見知りの人型の全能殿、王水の多頭龍が現れて、このギアドス宇宙へ導いた。

 

 正直、今後の事でどうしようか?と困っていたので、渡りに船だった。


 ベガは

「ディオス殿には恩義もあるし、アルシュ殿は、別宇宙で力を持つ超越存在だ。恩義を売って繋がりを作って置くのも悪くない…とはウソだ」


 ベガは優しげな顔で雷御を見詰め

「ここへ帰って来ないか? じゅーくん」


 雷御は無言だ。


 ベガは

「じゅーくんが、どうしてここに帰って来ないのか…その理由は分かっている。だけど…それは、君一人が抱えるべきではない」


 雷御が

「サタンヴァルデットは、その性質上、問題を引き寄せる」


 ベガは

「じゅーくんが、サタンヴァルデットになったのは、この世界が原因だ。ならば、それを抱えるのも、この世界の役目だ」


 雷御がフッと笑み

「言うは易し、行うは難しい。口では何とでも言える。このギアドス宇宙は…そこまで強固ではない。ベガ姉の言う通りになったとしても、いずれはオレは追い出される」


 ベガは

「では、君は…ずっと、彼女の…奏をひとりぼっちにさせるんだな」


 雷御が厳しい目をして

「奏には、たくさんの友人や、思ってくれる人達がいる。オレなんかよりも、そっちの方がいい。オレはオレだけで終わるのが相応だ」


 ベガは悲しげな顔をして

「それは絶対にしないよ。彼女は…真田 奏は…」


 雷御が空を見上げ

「己が利益がない事を何時までも続けるほど、人は甘くない。近い内に、オレと真田 奏とのリンクは途切れる」


 ベガは、優しげに子供を見る瞳で

「そうやって、君は…何時も変わらない。自分の本心を論理や理屈で隠す。違うだろう。じゅーくんは、彼女が…真田 奏が、そして…奏君が安寧を願い続ける事によって成り立つ、この世界を守る為に…君は汚れた仕事を続けるからこそ、奏君とのリンクを切りたい」


 雷御がベガから離れて

「気のせいだ。オレからではリンクが切れないから、困っている。それだけだ」

と、施設内へ戻る。


 その背中に、ベガは

「じゅーくんにとって、奏君とのリンクは予想外だった。だが…わたしにとっては…君と奏君が繋がったのは運命だと思っている」


 雷御は立ち止まり、背を向けたまま

「そんな運命なんて、オレにはない。オレには罪を喰らうという宿業だけだ」

 そう告げて去った。



 雷御が、室内に入った瞬間、そこに奏がいた。

 雷御は少し戸惑い、奏は上目遣いで見詰める。

 雷御は、困惑気味に頭を振りつつ

「気にするな。君は君の人生を歩めばいい」

と、告げて奏から離れる。


 奏が

「わたし…分かっているから…」

と、どこか悲しげに微笑む。


 雷御が振り向き、そこには不器用な微笑みがあった。

「幸せになれ。それだけだ」

と、告げて去った。


 そのやりとりを、ディオスとライアーにキャロルが隠れて聞いていた。



 雷御達のやり取りと聞いた後、ディオス達はアルシュがいる時空戦艦ロンバルディアへ来た。

 この時空戦艦ロンバルディアは、アルシュの部下の一人、ヴァルギリアが…いや、達が操縦運営している。


 多くのヴァルギリア達が船内で活動している風景は、同じ姿の装甲少女達が忙しなく維持活動をしているのは、どこか…無機質のように思えるが…僅かではあるが…ヴァルギリアの個々を見ると違いがあるので、無機質ような生命的な何かに思える。


 ディオスがヴァルギリアの一人に近づき

「アルシュ殿は?」


 ディオス達と相対したヴァルギリアが暫し考えるように上を向いた次に

「どうやら、船内にはいません」


 そこへ別のヴァルギリアが

「このカディンギル本部の総司令の下へ行っていますよ」


 ディオス達は、微妙だ。

 確かに繋がっている個体達なので、ここに質問しているようで、全員に質問している。

 故に、このように別方向から返答もあるのは、分かるが…何か微妙だ。


 ディオスが

「分かった。ありがとう」



 ディオス達は、総司令の源治郎がいる発令所へ向かうと、その通路の途中でアルシュと遭遇した。


 アルシュが

「どうしたんだ?」


 ディオスが「君を…」と告げようとするも言葉が濁る。


 アルシュが微笑み

「もう、君のおじであった人物の事は、過去の…このアルシュに生まれ変わる前の事だ。気にするな」


 ディオスはふ…と息を抜いて

「今後の事について、雷御の協力をこぎ着ける為に」


「オレは、火の粉を払う程度しか協力しないぞ」

と、隠れていた雷御が姿を通路の角から見せる。


 ディオスが

「アヌンナキとの契約、その契約の対価は…真田 奏の事だな」

 その言葉を放った次に、全員がディオスに視線を集中させる。


 ディオスが冷静に続ける。

「君と真田 奏君は繋がっている。君が奏君とのリンクを切っても、奏君に起こる災厄を引き寄せる力…運命はなくならない。雷御が作った充座システム、宇宙を創成管理する機構は、君のサタンヴァルデットの力を動力にして、このギアドス宇宙を管理する筈だった。

 本当は、君は…充座の動力炉に成り果てて死ぬつもりだった。

 だが、出来なかった。

 君の心と奏君の心の重なりがピッタリと合わさってしまった為に、サタンヴァルデットの因果…。強力な存在を引き寄せる縁が奏君にも作用している」


 フンと雷御が鼻息を荒げ

「そこまで分かっているなら…」


 ジリリリリリリリ

と、ディオス達の後ろで電話機の音が鳴り響く。


 ディオス達、ディオス、ライアー、キャロル、アルシュが背後に、通路の真ん中に出現したアンティークの電話機を凝視する。


 そのアンティークの電話機から底知れぬ気配を感じていた。

 勝手にアンティークの電話機の受話器が上がって会話が始まる。

「初めまして、私が雷御…サタンヴァルデウスと契約しているアヌンナキだ」


 ディオス達が鋭い目で、ディオスが

「何のつもりだ?」


 受話器から発せられるアヌンナキは

「何のつもり? 無駄な事は止めておくんだね。私が…雷御君と契約して、真田 奏や…このギアドス宇宙に訪れようとする超位の災厄の因果を断ち切っているんだよ。

 その対価として、雷御君のサタンヴァルデウスの力、罪人食いによって後始末をお願いしている。私との契約を破棄すれば…。

 サタンヴァルデウスの因果が、このギアドス宇宙に…雷御君が大事に持っている奏達に及ぶ」


 ディオスが

「つまり、裏切れないと…」


 受話器のアヌンナキが

「裏切る? 契約を真っ当すればいい。それだけだ。真っ当できないなら」


 突如、激震が襲いかかる。


 カディンギル本部周囲に、十の光の柱が出現する。


 カディンギル本部の上の空に次元の穴が空き、そこには無数の摩天楼のビル群の世界があった。

 ホーリートライアングルの時空だ。

 そのホーリートライアングルの時空を繋いだ次元穴から、あのデウスエクスの十柱が降臨する。


 戦神のデウスエクス、ファングリオン…レーヴァティンを筆頭にラプター、パンテーラ、ルプス、ウルスが

 大母のデウスエクス、アルデリオン…ロゴスリアを筆頭にリュシュオル、ユティス、イエツァ、マレーナが


 カディンギル本部の上にあるホーリートライアングル時空と繋がる次元穴には、カログリアの四人が浮かんでいた。

 そして、カログリアの四人が、両手を伸ばすと、あの超越存在達の魂の積層である黒い太陽…グゥディオ・ソルが浮かんだ。


 ファングリオンのパンテーラが

「さあ、狩りの時間だ」

と、獣のように嗤う。



 カディンギル本部内で、雷御と契約するアヌンナキが出ているアンティークの電話機から

「さあ、どうするか…それは君達次第だ」

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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