第532話 流れた先
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ディオス達は、逃れた先で研究していた。対策の為に…
ディオス達を乗せたアルシュの時空戦艦は…。
ディオスは、とある解析室にいた。
ライアーは、アルシュがワールストリアの大いなる父、イブアベルから借りた時空戦艦ロンバルディアの幾つもある格納庫の一角を研究室に改造した。
そこで、ディオスとライアーにキャロルの三人は、原子サイズのナノマシンを超えた、電子サイズのマシンの集合体、フェムトプラント機で、とあるエネルギー体を解析していた。
ライアーがディオスの操作する立体画面の隣に来て
「どうだ?」
ディオスが顎を摩り
「間違いなく、プランクサイズの次元体だ」
と、ディオスは立体画面にメビウスの輪が幾つも重なった物体を映す。
ライアーが
「信じられない。こんな事が可能なのか? プランク粒子なんて仮想の存在だろう…」
ディオスが真剣な目で
「だが、存在している」
ライアーが額を押さえ
「この仮想粒子の世界では、時間は無限だ。無限とはつまり…は! だから…」
ディオスが腕を組み
「そうだ。無限だ。無限を何らかの方法で定義、固着させれば…。これは神格炉、高次元波動炉だ」
そこにキャロルが来て
「どういう事なんだ? 意味が分からない。無限を定義するなんて、オレやディオスが使う魔法…いや、どの時空にも存在する力や法則では、不可能だ」
ディオスが
「神格炉の原理は、非常にシンプルだ。我々がいる次元の遙か上、高次元の存在を閉じ込めて、そこから漏れ出す高次元の波動、エネルギーへ形を与えればいい。原理としては、流れに乗せて、その形を固定する。自分達の使うアースガイヤの魔法が同じ原理だ」
キャロルが
「だから、お前は…デウスエクス達を人の形をした神格炉と…。なるほど、要するに高次元の力、エネルギーをあのデウスエクスとして人を保っている者の意思によって、その力を固定化、定義化させているのか…」
ディオスが頷き
「そうだ。だから、ライアー達のキャッスルドを襲撃した連中は、一人だけで戦わせたんだ」
ライアーが腕を組み
「つまり、同じ原理で動くデウスエクスが二人以上になると、お互いの力が干渉して、世界の複雑化が始まり…」
ディオスが指で韻を踏みつつ
「複雑化する世界は、それと似た世界と共鳴する」
キャロルが
「だから、お前は…ディオスは、宇宙王の権化を発動できたのだな。複雑化した世界によって共鳴する世界を辿り、接続を…」
ディオスが
「だが、次は通用するは思えない」
ライアーが
「では…どうする?」
ディオスが指を鳴らすと、別の立体画面が出てくると、あのカログリア達が黒い太陽を昇らした現象を映す。
「これが鍵だ」
キャロルが
「かつて、ワールストリアで魂の積層、ソウルホールとされた超越存在達のグゥディオ・ソルが?」
ディオスが
「どうやら、自分の…超越存在の力は…その高次元の固定化された世界力と別の世界力を、上手い事に両立させて繋げる力があるようだ」
ライアーが
「なるほど、超越存在の力は、次元を時空を、世界を超えて行く力だ。別世界の時空に来ても己を保ったまま別時空へ別の法則を入れ込める」
ディオスが頷き
「そうだ。それを使って自分の力とアシュリード君の、そちら側の力をあせて、複雑化させてしまえば、勝機はあるが…これは、あくまでも、デウスエクスに限ってだ」
キャロルが
「本丸のアルダ・メルキオールには…」
ディオスが厳しい顔をして
「自分一人の超越では…厳しい」
ライアーが
「充人も…」
ディオスが
「契約をそうしたからムリだった。ライアー。君との契約は、君が解放したい者達の為に働く。解放されたい者達が解放されたら、ライアーは今後、私の裏として働くと…」
ライアーは頷き
「ああ…。だが、充人が拒否したのは…」
ディオスが
「ライアーに友情を持っているんだ。だから、充人は従属させる事を嫌った。充人の生い立ちを考えれば…そうなるさ」
キャロルが
「では、頼めそうな協力は…」
ライアーとディオスが視線を合わせて二人して「アイツはムリそうだなぁ…」と
そこへ、例のアイツが来た。
「食事だ」
雷御である。
三人分の携帯食のパックを持って来た。
雷御に三人の視線が集中する。
雷御がそれに気付き
「なんだ?」
ディオスが
「どうすれば、私達に協力してくれる?」
雷御はフンと鼻で笑い
「期待しても意味は無い。オレは…アヌンナキの一柱と契約している。アヌンナキのゴミ掃除をする代わりに…。それ相応の報酬は受けている」
と、告げて背中を向ける。
その背にキャロルが
「金銭じゃあないよなぁ…」
雷御は黙って出て行った。
ディオスは後頭部で腕を組み
「仕方ない。ここは…奏君に落として貰うか…」
ライアーは首を傾げ
「出来るのか? その真田 奏も…雷御に対して、距離があるように思えるが…」
キャロルがフフ…笑み
「その真田 奏…。雷御の事が好きなんだよ。でも気持ちを知っているからこそ、言えないでいる事がある。そんな感じだ」
ディオスが
「女の勘?」
キャロルが頷き
「ああ…そうさ」
ディオスが携帯食のパック三つを手にしてライアーとキャロルに分け
「後で、船から下りて話してみるか」
そう、ディオス達は…今、フォース・エクソダスの時空、ギアドス宇宙にいる。
そのギアドス宇宙の元特異点災厄対策機関だった…特別防衛部隊の本部カディンギルの地下港に匿われている。
雷御は、ディオス達に食事を届け終わると、時空戦艦ロンバルディアから出て、巨大な塔型の本部カディンギルの外を見られるテラスに行く。
そこで、草原の大地を見ていると…
「じゅーくん」
と、黒い軍服洋装から、女王のような華やかなドレスを纏ったベガが姿を見せた。
雷御が
「このギアドス宇宙を混乱と破壊の渦に落とした男に近づくなんて、不用心だ」
ベガは無視して
「別に、気にしてない。君は…私にとって大切な家族だからな」
雷御はフンと呆れのような息を出した。
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