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鉄拳の女王 第33話 リアス選帝侯の過去 前編

次話を読んでいただきありがとうございます。

リアス選帝侯の過去…


 リアス選帝侯のリアスには、生涯の師匠がいる。

 リアスにとって父でもあり師でもあり、親というモノを教えてくれた大切な者。

 リアス選帝侯の過去……


 リアス選帝侯は、ゴード時空の貴族が誕生させたデザイナーズの一人だ。


 ゴード時空の各地に広まる宇宙貴族、貴族達には様々な出自がある。

 両親から生まれる者、優秀な人材を生み出す為にデザイナーズとして生まれた者。

 無論、両方とも血縁関係はある。

 特にデザイナーズから生まれる貴族の子は、クローンではないにしても、元の親である貴族の遺伝子を元に強化されて誕生させられる。

 身体能力、知性、様々な能力の付加、完璧と思える程だが、それ故に愛情を受けて育つ事は少ない。

 つまり、オリジナルの強化版。

 生命や人権としては、一人の人間として社会的に認知されている。

 人と同じく罪を犯せば罰せられ、誰かに殺されれば殺した相手が罪になる。

 社会的に認知は高い。だが…人としての絆や繋がりという愛情は…薄くなる。


 リアス選帝侯も、そんな貴族のデザイナーズの一人だ。


 幼少期のリアスは、惑星を与えられた。

 リアスの父はゴード時空の八つある選帝侯の一人だ。

 選帝侯である父は、多くの惑星領土を持ち、その一つ一つに自分のデザイナーズの子を置いて、その中でも優秀な子を次の選帝侯として登用する。

 自身もそうだったように、子供達にも同じようにする。

 個人としては疑問はあるも、それによって優秀な選帝侯が誕生して統治が上手く行っている。

 全てに置いて完璧はない。

 光あれば影もある。

 栄光あれば挫折や屈辱もある。


 だが、それで世界が上手く回れば…個人の意思や悲しさなぞ押し潰される。

 それが世界という無常だ。


 リアスは幼少期の頃から、デザイナーズとしての高い知性ゆえに理解していた。

 愛されてはいない…と。

 無論、リアスは惑星の領主ゆえに、優しく面倒を見てくれる執事や女中達はいた。

 だが、リアスの血族、生まれの初めである父からは愛されていない…とリアスは分かっていた。

 静かで虚無感が漂う子、それがリアスだった。

 リアスと同じ父である選帝侯から惑星を継承された子供達も似た感じで、選帝侯という目標を目指そうとする者はいなかった。

 継承された惑星の領主として、惑星を発展させた方が無難で幸せなのだ。

 ただ、元の父となった男からは愛されていない。その虚無感だけは何時も…。


 そんな日々を過ごすリアスが幼少期に旅行へ出た宙域で、テロリストに捕まった。

 テロリストの目的は、ゴード時空の現宇宙王であるゴード帝の排除、並びにゴード時空を貴族統治ではなく、民主統治にする…というお題目でテロ活動をしていた。

 ぶっちゃけ言おう、ゴード時空は民主統治だ。

 確かに政治的な事で、貴族統治は残っているも、基本はゴード時空全体の連邦議会による統治、民主統治なのだが…テロリストという愚か者に、それを理解する知性はない。

 自分達が上で正しくない世界は、全て間違い!これがテロリストの基本思考なのだ。


 テロリストは、リアスを人質に父である選帝侯に交渉を迫るも、それは拒否された。

 それはリアス自身も分かっている。

 自分は、世界にとっての歯車の一つ。それが失われても世界は回る。


 テロリストの要求は拒否されて、テロリストはリアスが乗っている宇宙船の客席で、リアスを殺そうとしたが


「おやおや、子供を手にかけるなんて、非道だね」

と、老人が微笑む。


「あああ!」とテロリストが老人に銃口を向けた瞬間、テロリストが瞬間凍結して死んだ。

 

 他の仲間も老人を襲おうした瞬間、全員が瞬間凍結して死んだ。


 老人の背後にテロリストを瞬間凍結した氷狼が現れる。

 老人は、冷現叡王であるウルだった。


 唖然とするリアスにウルが近づき

「大丈夫だったかい?」


 幼いリアスは、涙を零してしまった。

 ウルの優しげな微笑み気持ちが解かれて泣き出し、それをウルは抱き締めた。

 これがリアスの師であるウルとの出会いだった。


 ◇◇◇◇◇

 

 この一件を機会に、ウルはリアスの教育係として雇われる…というより、リアスの願いで住み着く事になった。


 リアスが「師匠」とウルを呼ぶと、ウルは微笑み

「なんだい?」


 リアスは、ウルから様々な技法を教えて貰う。

 剣術、槍術、果ては魔術、そして…ウルが持つ超越存在の権能の一つも受け取り鍛錬する。

 リアスとウルは、共に過ごす時間が増えていく。

 それは、リアスにとって甘えられる父親を求めるように、ウルもそれに応じる。

 ウルは、リアスの生まれに関して同情もしていたが、ウルにとってもリアスといる事が心地よいとも感じていた。


 ウルの師事を受けて過ごすリアスの日々に、大きな事件が起こる。

 それは選帝侯の一人が反乱を起こした事だ。


 ゴード時空では、数年に一度、大きな力を持った貴族達が選帝侯の一人を巻き込んで、ゴード時空を手にしようとする。

 

 それによる内乱が起こってしまった。


 それにリアスも巻き込まれて、自分の領地から出兵していった。

 リアスの主力艦隊にはウルもいた。

 ウルはリアスの師匠として、リアスの領地で様々な者達の育成をしていた。

 その者達は、超越存在の一歩手前、超越者となり、強大な兵力としてリアスを助けた。

 成果を上げるリアス達を中心に、制圧艦隊が結成されて、内乱を起こした領地を取っていく。


 反乱を起こした選帝侯は捕まり、処罰されて制圧された多くの領土がリアスの支配下に入った。


 だが、それを面白くないとするゴード時空の宇宙王、ゴード帝の一派が、リアスからその領土を没収するようにゴード帝に進言した。


 それにリアス達も怒り、紛糾して戦うべきだ!とする意見が多く上がった。


 それにウルが

「もし立ち上がって…争いを起こせば。我らが倒した者達と同じだ。その者達は、今…どうなった? 自らの欲を追求した末路は、私がいたカレイド連邦と同じになる」


 ウルの言葉に反対する者達もいたが、リアスは

「ゴード帝に、得た領地を渡す。捨てたからには、そこがどうなろうと一切の責任を負わない。今後、絶対にだ」


 得た領地を捨てて、リアスは元の惑星領主に戻った。


 戦乱によってリアスの配下になった仲間達は、ゴード時空の様々な勢力や機関に引っ張られて、リアスには惑星の領主だった頃の仲間だけが残った。

 リアスの決断を愚かだ…と嘲笑う者達もいるが、リアス自身は内乱に辟易していて、大きくなった領土の管理も悩み所だったの丁度、良かった。


 リアスから権勢を奪った者達が強くなって、リアスを嘲笑うが…それは続かない。


 リアスから奪った領地を堪能していた簒奪者達の黄昏が急速に訪れた。


 リアスが取った領土には反乱を起こした選帝侯の配下達が多く残っていた。

 処罰されたのは、争いを起こした選帝侯だけで配下は残されたままで、リアスの温情によって残った。そのお陰でリアスの支配下にいても問題を起こさなかったのが…別の者に変わった。

 自分達の上に立つ者達は、信用が置けないという疑念が蔓延して、再び内乱が勃発した。

 その勃発した内乱への武力提供は、ヘオスポロスという外宇宙勢力が行い、更なる混乱の渦中へ突入した。


 奪う者に未来はない。奪う事は得意でも、生かす事も平穏に治める事も出来ない。

 それが世の常。


 リアスから奪った者達は、反乱を起こした者達によって瞬時に駆逐され、再びゴード時空が戦乱に包まれる。


 それに、ゴード時空の宇宙王、ゴート帝がリアスの力を頼ろうとしたが。


 リアスはハッキリと

「申し訳ありません。前に宣言した通り、一切の責任を負いません。私は、惑星領主の一人なので…」


 リアスは自分の領地の惑星だけを守り、それに他の惑星領主達も続いて、ゴード帝の力だけで争いを収める事態になった。

 

 悪徳に加担した者は、悪徳の報いを受けるのだ。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、リアス選帝侯の過去 後編

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