13話 フランク
サンは台所と向き合いながら私に目の前の人の事を伝えられた。
「この人は私を襲ってきた政府の犬だ」
「犬には見えないけど?」
「……たとえ話だ。政府が私を殺そうとこいつを派遣してきた。それでどうしてキスを求めてきたんだ?」
どうやらこの人は政府によって雇われた人らしい、そして政府の犬がこういった。
「お前は施設から逃げた、元々は戦争の道具として使われるはずだった」
「へぇ……戦争の道具ね。私には関係ないな」
「いや、あの施設で造られたヴァンパイアは全部道具になるはずだった。だが一部のヴァンパイアは逃げ、この街に居ると政府に知られている」
(サンはこの間施設を抜け出してきたって言ってたなぁ……それに関係してる話なのかな)
サンはお茶を出して地面に座った。
「それでどうしてキスなんて求めてきたんだ?」
「……キスしようとした瞬間に喉元を噛みちぎろうと思っていた、だけどそれよりも先にキスが早かっただけ」
「確かにキスをするときは隙が現れるね、そこを狙ってたとは。無意識でガードしちゃったよ」
「サン、この人ってもしかしてヴァンパイアなの?」
「夜になったと同時に体の再生が始まったからそうだと思う」
「そうだ、私はヴァンパイアだ。そして政府の犬だ」
どうやらスーツを着た人はヴァンパイアらしい、だけどヴァンパイアっぽくない服装だなと私は思っていた。
「それでこれからどうするんだ?任務失敗したらどうなるんだ?」
「規則として任務失敗したら死ねとか仲間に背いたら死ねとか」
「いやキツイ言葉だな……」
(普通なら死ぬとか書かれているのに死ねはさすがに強制力が強いなぁ)
「ヴァンパイアは量産できるからな、規則をガチガチにしているのは支配をしようとしている志向の表れだ」
(しかしこんなにべらべらと内部情報を話していいのか?)
私は内部情報をべらべらと話すヴァンパイアについて疑問を抱いていた。
「サン、ちょっとこの人内部情報話しすぎだと思うけど」
「確かに話しすぎだと思う。何故だ?」
「ここに居させてくれ、どうせ戻っても死ぬだけ~」
「……居るんだったら下の喫茶店の手伝いをしてもらうつもりだけど?」
「暗殺よりもサービス業の方が楽そうだ、今日からよろしく~」
サンは頭を抱え、そして少し笑った。
「いいだろう、お前を喫茶店で雇う」
「よろしく~」
そう言ってヴァンパイアはスーツを脱ぎ捨て、シャツ一丁になった。
「そう言えば服無いんだっけ」
「そうだね~」
「なんだかこの人フランクになってない?」
「確かにフランクになってるね、仲間になったからかな?」
「敵は冷酷に、仲間には素をってね」
(この人の素はこんなにフランクなのか……楽しくなりそうかな)
「それで名前何なの?フランクフルトか?」
「それソーセージ、名前はシリウス、よろしく~」
こうして私とサンの喫茶店にシリウスが仲間入りしたのだった。だがこの事は政府のとある派閥の耳に届くのだった。そして私はあの時に見た陰謀論のポスターが真実のように見え始めてきたのだった。
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