12話 離反
「ドゥーロ、買い忘れてたものあった」
いきなりサンが買い忘れがあったと叫び、私はびっくりした。
「うわぁ!?急に大声で言うなよ」
「ごめんね、荷物を置いてから私だけで買いに行くよ」
「分かった、だけど何を買い忘れたの?」
「刺身包丁、今日は刺身をするぞ」
「刺身……魚のお肉だっけ」
「そうだね」
私とサンは喫茶店に帰り、サンだけが再び買い物に行ったのだった。
(一人で心配だなぁ……まるで子犬を外で買うような感じだ)
私はサンが無事に刺身包丁を買えるか心配なのだ。
そしてサンが刺身包丁を買いに行っていると案の定輩に絡まれていたのだった。
「お前、ヴァンパイアだな?」
「あなたはいったい誰ですか?私は刺身包丁を買いに外に出てるんで」
サンはスーツ姿の女性の横を通り抜けた、するとサンの体から二本、透明なナイフが生えた。
「うっ……何だお前は!」
サンは後ろを振り向いた、するとさっきの女性が透明のナイフを握っていた。
(一体何なんだコイツ……人間なのか……?)
サンは透明のナイフを抜き、背中の傷を抱えながら逃げていった。
(夜の間だけヴァンパイアの能力が覚醒する、治癒力もそうだ。いったいどうしようかな)
サンは隠し持っていたフランベルジュを抜いた、そして真っ向から突撃していったのだ。
「何私に手を出しちゃってるの?」
「夜が来る前に仕留める!」
お互いの刃が火花を散らしていた、そして先に血しぶきが舞ったのはサンだった。
「疲れてきたんじゃないか?」
「まだまだ!!!」
(太陽が落ち、夜になるまで5分。5分耐えればいい!)
サンは太陽が落ちて夜になるまで耐えることにした、だが真正面の奴が五寸釘を取り出した。
「搦め手を使う」
「おっとぉ!?」
奴は五寸釘をサンの心臓めがけて投げたがサンは避けた。
(しかしナイフの軌道に癖が出ている、上段だと手首が内側に、下段だと手首が外側に向く)
サンは奴のナイフ捌きの癖を見抜いていた。そこからは簡単な作業だった。
(ここだ)
サンは奴の上段突きが来ると判断し、奴の脇腹にたどり着いた。
「チェックメイトだ」
「うぅぅう!?」
そしてサンは奴の脇腹をフランベルジュで突き刺し、切り裂いた。
「上段を出す汁が見えてるんだよぉ!」
「うぐううう!!!」
血が噴水のように出て奴は倒れた。
「お前は一体どこの所属だ……言えば遺言を言わせる」
「……政府の犬だ、しかし夜が来るまで耐えれなかったか」
「それで遺言を聞いてやる」
「……キスしてほしいな。まぁ気持ち悪いって言うだろうな」
サンは奴の遺言を聞くと奴のそばに近づき、座った。そしてサンは静かに奴と唇を重ねた。
「えっちょ……ちょっと待っ……ん-!?」
その時太陽が完全に落ち切り、奴の体が再生していった。奴はサンの体を叩き、どいてほしいと思っているようだった。
そして数十分後、喫茶店に帰ってきたサンに私は驚いた。
「キスしたら回復してついてきちゃった」
「何やってんだサン!?!?!?」
サンの後ろには奴がついてきていた恥ずかしさのために顔を押さえていたのだった。
「こいつと戦って最期の遺言がキスしてくれだって!なんて変人なのだろう」
「……キスしたの?」
「そうだぞ?」
サンが知らない人にキスをした事に頭を抱えたのだった。そしてサンは奴をとにかく家に上げ、料理を作っていった。だがサンと奴の体の傷が無いのに私は気が付いたのだった。
(もしかしてこの人もヴァンパイアなのかな……?でもスーツ姿だからサラリーマンだよな……?)
そしてサンからこれから告げられる事、それによって私はびっくり仰天するのだった。
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