輝く夜のお姫様
質問『永琳がなんでも一つ薬を作ってくれるとしたらどんな薬を貰いたい?』
ワシは不死は嫌だけど、不老の薬もらって20歳ぐらいで飲みてぇな
多分一つのセリフに1番傍点を張ったのがこの回だと思います
「あら、妹紅?いつの間に赤子なんて産んだの?w 言ってくれればご祝儀の1つや2つ持って行ったのに。そーねー、この『蓬莱の玉の枝』の贋作なんて如何かしら? 贋作と言っても根が白銀、茎が黄金、実は白玉でできている高級品よ。あなたにとってもお似合いねww」
(………あぁ、ムカつく…)
こんなヤツ、本来ならとっくに燃やし殺してる。
でもそれはできない。
いや、正確には100万回は殺している。
でも死なない。
殺してるのに死なない。
なぜか? それはコイツが私と同じ、不老不死の蓬莱人、蓬莱山 輝夜であるからだ。
*
そこは妖怪の山の正反対に位置する。
人里からだいぶ外れ、段々と外景が木から竹に変わっていき、やがて一面竹になった。
迷いの竹林。
その名の通り、入った人は永遠に迷い続け、よほどの強運がなければ、竹林の養分になる。
原理としては単なる妖精のイタズラであり、常に景色が変わったり、霧が出ていたり、これと言った目印もなく、その原因の妖精と話さなければ、まず脱出は不可能。
だが、永遠亭が解放され、誰でも通える場所となってからは、里の人間がよく竹林に近づくようになった。
もちろん、ただの人間にこの魔境から生還することなど難しく、行ったっきり帰ってこない者が続出した。
それは流石に困るということで、今は私がボランティアで道案内をしている。
何を隠そう、私もここの妖精たちと話せる人物なのだ。
しばらく歩くと、先ほどタケノコを掘っていた場所についた。
「ふっ、ほーらマイ。ここら辺にお前が産まれたんだぞ〜」
「あぅ…?」
おんぶから抱っこに切り替え、あたりの景色を見せても、マイはただキョトン?とするだけだった。
(あはは…まぁやっぱわかんないよな)
そしてその時、私は重大なことに気がついた。
「____ッ!!!」
(もし本当にかぐや姫の史実通りなら、竹を切ったら大判小判があるはず!探さなくては!)
確かタケノコを掘っていたのは、今来た道から左手に入って、そこから北側に外れたあたりだった気がする。
記憶では、赤ん坊しか見当たらなかった気がするが…いやいや気のせいだ。普通赤ん坊が出てきたら近くに小判が落ちてても見逃してしまうはず。
(あった…)
斜めに切られてる竹が一本。
いまだこの距離まで近づいても、まだ金の気配はしてこない。
(あってくれ____)
意を決して覗き込んだ竹筒の中には____
____特に、何も、、なかった、、、
(じゃぁ、なんで金色に光ってたんだ………?)
その時。
「…うっ………ぅうっ…ゔわぁー!!ゔわぁー!!」
マイが泣き出してしまった。
「アハ…ごめんごめん。はーい泣き止んでねぇ」
抱っこして優しく揺らしてやる。
(早く行けってことか………)
*
何もなかったところに、いきなり左右一列、等間隔で灯籠が並びだした。
さらにそれに沿って歩けば、変わり映えしなかった竹林に、突如として、豪華な屋敷が現れる。
ここが永遠亭。
ありとあらゆる薬を調合する薬師も、月から逃げてきた兎も、地球産の幸運兎も、そして月のお姫様がいるところである。
玄関の戸を開けると、ちょうど紫色の制服とスカートの兎が薬の入った竹籠を運んでいるところに出会した。
「よっ、うどんげちゃ。久しぶり」
「あぁ、妹紅さん。久しぶりです。今日はどんな要件で?ていうか後ろの赤ちゃんは?)
「ん?あぁ用事?輝夜姫、赤ちゃんになってたから、連れてきたよ)
「あっ、どうも妹紅さん。それはそれは、どうも…ありが…と、うございま…、?す…________えぇえーーーーーーーー!?!ーー!?」
うどんげちゃんは一瞬何を言われたのかわからず、そのまま処理しようとしたが、流石にスルーはできなかったようだ。
当たり前だ。
知り合いがいきなり赤ん坊を連れてきて、しかも「あなたのご主人が赤ちゃんになったので、連れてきましたよ」って。
カオス以外に言葉が見つからない。
*
うどんげちゃんは頭を抑えながら、アイツのところまで案内してくれた。
しかしブツブツ何かを呟いてるだけで、会話すら成り立たなかった。
「コノサキニイマスノデワタシハコレデシツレイシマス(ボソボソ)」
部屋まで私を案内すると、そのまま上の空できえていった。
私はさっきの竹を覗く以上に意を決して、襖を開いた。
「________妹紅」
一目私を見るなり、そいつを目を丸くし、その後私が抱き抱えているマイを見てさらに驚く。
しかし、私はそんなこと気にせず、いきなり本題に切り込む。
「輝夜…正直に話せ。これは、お前の仕業か?」
いちおう補足しときますね。
・輝夜が妹紅にご祝儀で送ろうとした蓬莱の玉の枝『の』贋作
→妹紅の父親が輝夜に求婚した際、要求した品物。東方の世界では、本物なのに「偽物」と輝夜が難癖をつけ、求婚を断ったことから、妹紅は「父親が恥をかかされた」として、輝夜を恨んでいます。それがわかっているから、輝夜は『贋作』と強調した蓬莱の玉の枝を渡そうとしてます。




