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【終わりに】

【終わりに】

 なろう系の終焉がまことしやかにささやかれている。

 流行のコンテンツが隆盛を過ぎた時、オワコンとはしゃがれるのはいつものことだから真偽のほどは分からないが、もしそれが事実であるとすれば悲しむべきことだ。

 せっかく復権した無意識的欲求を満たしてくれる世界を、我々は再び失うことになるのだから。

 人々の無意識的欲求が止むことは決してなく、目に見える流行が変容したとしても、また新しい形の”なろう系”が誕生するだけではないかという気もするが、一方で口承文学的物語が資本主義経済と相性が悪いことも事実だ。

 なろう系の語り部たちも人間だ。飯を食えなければ物語を紡げない。

 近代以降の”小説”というスタイルとは異なる文学なのだから、新しい形で貨幣経済と結びつけるシステムの構築が、早急に求められるのではないか。

 残念ながら、私は商才が無いことを自覚しているので、幾つか考えてみた試案をここで披露する気にはなれない。(10中8、9、失敗する)

 私にはどうしていいか分からないが、まずはこのエッセイを最後までお読みくださった奇特な読者様には、ぜひなろう系物語をくだらないものと思わず、虚心坦懐な目で読んでみてほしい。

 もし、それを面白いと感じたなら、恥じる必要はない。

 あなたが無意識的欲求に傾ける心の余裕を失っていない、ただそれだけのことだから。


 願わくば、なろう系作品の隆盛が一過性のもので消えてなくならないように。

 ゆりかごを失ってから、その温かさを思い出して嘆いても、もう遅いのだから。


最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。

いかがお感じでしょうか。

もとより、この論考でなろう系のすべてを語りつくしたとは思っていません。

例えば、なろう系作品の多くにゲーム的要素があるのも考察すべき大きな点かと思いますが、とうとう本文中では何も触れられず終わってしまいました。

また、日々変容するなろう系作品の流行に著者自身の知識が追いついておらず、とうに古臭いものとなったジャンルについてなろう系として述べて失笑を誘う点もあったかもしれません。


本エッセイに関するかぎり、他の作品に対してであれば、誹謗中傷的内容とみなされるようなご意見も甘んじて頂戴いたします。

(あからさまに本文と無関係な人格攻撃とみられるような感想は通報致しますが……)


忌憚のないご意見をお寄せ頂けましたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「うわあ、わかります、わかります、文学研究(大衆寄り俯瞰)から離れられない目線持ちとしてわかります」となりつつ拝読いたしました。 「ラノベもなろうもマンガも研究上は等しく文学ですよ、江戸期…
[一言] 思わず最後まで読んでしまいました。 私もなろう系物語風な物を書いていますから、結構納得の七話でした。
[一言] 古典を含めて考えた場合、テンプレート作品とライトノベルを別と見るのは違うかなと思います。 根っこが古典→幹が以降の作品→成長点の部分がテンプレート作品で、まだ育ちきってない分樹皮(文章の修…
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