表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢様最前線  作者: mask
花園への転入編
5/264

紹介します

「今日から、このクラスで共に過ごす子を紹介します。入ってきて!」

 先に教室に入っていった学園長に呼ばれて、レビンは教室の前のドアをゆっくりとスライドさせる。

 レビンを見た、彼と同じ制服のクラスの女生徒たちーー女の子しかいないから当たり前だが、彼女たちが静かにざわめき出す。ここで騒いだりしないのは、礼儀正しい、お嬢様たちだからだろうか?

 緊張を押し殺したレビンは教壇の隣に立つ。

「皆さん初めまして。私の名前はレヴィ。レヴィ・グリフィーナです。どうぞよろしくお願いします!」

 ばっと頭を下げる。

 何とか噛まずに言えたが、慣れないことで恥ずかしさが込み上げる。

 パチパチと手を叩く音が聞こえた。その音は徐々に大きくなり、教室に響き、広がる。

 レビンが顔を上げると、女生徒の一人が席から立ち上がる。拍手が静まる。

「ユーランシュテ学園高等部二年一組へ、ようこそ!」

 彼女に呼応して他の生徒たちが声を合わせる。

「レヴィさん、ようこそ!」

 再び拍手の嵐。レビンは別の意味で恥ずかしくなり、はにかんだ。

「はーい。皆さんそこまで。レヴィさんの席は一番後ろの空いている席ね」

 レビンは頷き、女生徒たちの席の間を抜ける。好奇心や興味に満ちた視線を全身に浴びながら席についたレビンは一息吐く。かなり疲れた。戦場での緊張以上かもしれない。

「よろしくね、レヴィちゃん」

 隣からレビンに声をかけたのは夕焼け色のセミロングの少女。前髪をピンでオシャレに止めていて緑の瞳からは活発そうな印象を受ける。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。私はシーナ・ミレイ。シーナって呼んでね!」

「よ、よろしく」

「うんうん! よろしくね!」

 ぶんぶん、とハンドシェイキングされるレビン。

「あ、そうだ。写真一枚良い?」

「しゃ、写真?」

 一眼レフを構えだしたシーナにレビンは戸惑いを覚える。

「どうしてですか?」

「私、新聞部なんだ。ごめんね、癖で」

 レビンは逡巡する。自分は潜入している身なのに写真を撮られて良いものなのかと。

「すみません。写真は苦手てで」

 レビンは苦笑する。これは回避した方が良いだろう。後でベールナに確認すべきだと考えたからだ。

「そ、そうだよね。あはは」

 そこでシーナは思いつく。

「そうだ、学園を案内してあげる。今日は午前で終わりだから」

 それは良い提案だった。一人で行動しようと考えたが、やはり案内があったほうが学園を探れるだろう。これは任務なのだから戦場を知らなければ命にかかわるから。

人物設定(仮)

レビン・グリフィーナ

十七歳

軍国出身

二年一組

階級は一等兵

孤児院より徴兵。軍国の東にある赤連邦との戦争(東部戦線)に参加。

運動が得意。家事一般も出来る。

女の子に間違われるのが悩み。軍国への忠誠は――



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ