第4章 プルナ星国歌
「ツッパリハイスクールロックンロール」
は良い曲だから、生活感をすぐ掴めるから聴いておけ。とリーゼント頭のお兄ちゃんに言われた。しかしだ、カレックはケンに言った。
「この喫茶の後の話だが、実はもっと上を行く素晴らしい曲があったんだと。しかも日本人が全部プルナ語で歌っていたんだ、素晴らしい。」
との事だ。
「はて、日本人がまさかプルナ語で唄うなんて。プルナの星の言葉なんか誰も知らない筈だけど。私以外の人がプルナ星の星の存在を知る筈無いし。」
ケンはカレックの思い違いだと思った。何でも我々プルナ人、カレックを崇拝する曲なんだとか。この曲のプルナ語での意味がこれ。
「カレック、プルナ人はぶっ飛びの大天才、強くてかっこいい、我らのヒーローだ。熱い、貴方に抱かれたい。社長、愛してるわ。プルナ万歳。」
なんだとさ。それが日本の曲として日本人が歌っていたから、本当にびっくりしたんだって。流れていた曲を慌てて、近くで持っていたヨボヨボのおばあちゃんのラジカセをムンズと借りて一緒に付いていたテープってやつに、急いで録音して、それをとっとと星に持って帰ってから直ちにこの曲を我がプルナ星の国歌にしたんだそうだ。
「毎朝9時に国歌斉唱をかけて国民に聞かせている。今では国民も覚えて歌っているよ。」
と、とても誇らしげだった。ケンはラジカセを奪われたおばあちゃんが気の毒で、どうなったか気にはなるのだが、カレックの話だと喫茶の後に訪れた新大阪でサラリーマン変装時に駅地下の居酒屋でその曲を聞いたらしい。
星で録音を聞いた時、カセットというのは非常に性能が悪く、騒音交じりで非常に聞きにくかったので、プルナの星で再度カレックが改めてプルナの星の一流楽団を揃えてカレック本人の肉声で魂を込めて歌い直して(コーラス おかん)プルナ星の音質の良いCDで収録し直したんだって。
その後過去に戻って返しに行ったとさ。時間を巻き戻せるから実際にそのおばあちゃんが待ってた時間は5分程だったそうだ。
では聞いてくれ。その録り直したカバー曲がこの曲じゃ、いくよ。ポチっとな。
すると、木魚とチーンの鐘の音のお焼香サウンドが流れてきた。ケンは思った。
「今日は誰かのお葬式か?」
すると、悲しい木魚のリズムに合わせて歌が聞こえてきたのだ。
「うーカレー食ったら〜ウンコッコッコココーオー、ブリブリドカン、それゆけっウンココッココッココッコ〜ウンココッココッココッコ〜ブリブリドカン、ウンココッココッココッコ~~~~っと 次は越前そば1個、大盛り。 コラ、ちょっと、それ出前メニューよ。注文してんじゃないのよっ。もうっ、言うのこっち。今新幹線車掌役でしょ? 腹減ったの? 次は名古屋よっこのっバンバンッ。うぎゃ、母ちゃん堪忍ー。早く言い直しなさいバカ。…うーおほん。てへ。なんちゃって。次は名古屋、名古屋やでー。うーウンコッコーヲヲーララーウンコー。」
「はて? こんな歌日本にあったっけ? 曲は完全に葬式のお経、何? 越前そば大盛りって? 出前か? しかも何か間違えてるし。隣の声はおかんか? コーラスって? プルナの一流楽団ておかんとカレックの声か、木魚とチーンって舐めてんのか? おい、一流楽団はどこだ?」
「しかも何だこれっ? この歌殆どウンコしか言ってないけど、カレーだと? これのどこが強くてカッコいいとか、社長愛してる、我らのヒーローって? ウンコだろ? プルナ万歳なんかどこで言ってるか?」
「大体こんなクソミュージックがプルナの国歌だと? アホなのか?」
あり得ないクレイジーなプルナ人の感覚にただ唖然とするだけだった。何でも曲名は日本人に敬意を表して「君が代2」にしたそうだ。
さっきのリーゼント頭お兄ちゃんが言った。
「ボディタッチ付きの日本語学校に招待してやったからお礼に金よこせ。聖徳太子の札で100枚だ。」
当時の1万円札の事だが、1万円札を見た事が無いので、見せてもらった。カレックが言った。
「リーゼント頭お兄ちゃんの持っているそのポーチのカバンに入れてあげるから私にあなたのカバン貸して。ワクワクしながら後ろ向いて目を閉じたら両手で顔隠していて。声かけるまで待ってね。」
リーゼントは本当はこの後母親を呼び出す計画だったが、カレックのおかんなんか呼んでたら、ぶっ殺されていた。良かったとケンは思った。
「カレックはリーゼントにそう伝えると嬉しそうにリーゼントは後ろ向きに両手で顔を隠していた。カレックは頭の中で見せてもらった1万円札を即念写して目から出る眩しい光の光線で1万円札をスキームで超高速に彼のバッグの中に100枚分刷り下ろして渡してあげたそうだ。偽物だけど。
目を開けた時とても喜んでいたよ。後日リーゼント頭お兄ちゃんはブタ箱というところに行ったらしく、結局わしはその後寂しくて1人ぼっちになったからプルナへ帰ってきたんじゃ。」
「まあでもわかったわい。これからは(おう、コラ、ボケ、タコ。)はプルナ星でも(素敵な人)を称する意味だし外国語の(DEAR)と変わらないんだけど。日本語だとなぜか威圧的な悪口になり、敬愛語と違うから止める。使わない。日本人の使う日本語って宇宙とは意味が逆だから下品なキチガイ語だと思われているんだ。仕方がない。これからは色々気をつけるわ。」
「何を言ってるか、宇宙人の感覚の方がどうかしてるわ。」
そう思ったが、言わずに我慢した。
「追伸、カレックが借りたおばあちゃんのラジカセはとても音が酷かったので、お礼に地球上には無い感動的なサウンドを作り出す超高性能チップをラジカセ内に組み込んだ。」
「テープ機能はそのまんまだが(笑)。音はそれでも腰を抜かす程びっくりしてるじゃろうて。しかも特別に我が国歌を特別にテープに入れておいてあげたんだ。ふおふおふお。めでたいのう。じゃあ次は本題の宇宙の話をするよ。」
私はおばあちゃんが気の毒でならなかった。どうか気づかずに聞かない事をただ祈っているのだった。




