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寝たらだめ  作者: ばく
3/3

第2話 ~話眠~

最近、ピクニックにハマっています、公園で食べるご飯は結構風情が出てておいしく感じますね。


速雄は握手を終えると壁にどっしりと背をつけ、大きく息を吐いた。


「それじゃあまずは俺がここに着た時の状況から説明しようか」


そう言うと速雄はゆっくりと語り始めた


最後に覚えてる記憶は親友と肩を組み、夜道を酔っ払いながら歩いている光景


今考えると我ながらに迷惑な奴だったと思う。


肩を組んでいる親友は昔ながらの友である小宮(こみや) 遊馬(ゆうま)

両耳に合わせて12個もピアスを開け、額から右目を跨ぎ頬まで大きな入れ墨がある、

革ジャン姿のアニメのキャラみたいなヤバいやつだ。


だが、こんな見た目と裏腹にかなり頭が良く、

一流企業で重役職に就いてるんだってんだから驚きだ…


この男から久しぶりに飲みの誘いを受け、街まで出てきた俺は、

思いのほか話が盛り上がり、既に酔いつぶれた身ながら、2軒目の店へ向かおうとしていた。


「速雄ぉ、おまえそんなに酒弱かったかぁ?デロンデロンじゃねーかよ!」


「うるせぇ、最近色々あって全然飲めてなかったんだ、体が驚いたんだろうよ!」


「なんだそれ意味わかんねー!!」


夜道をバカみたいな大声で進んで行き、橋の下の短いトンネルへ入った時、


「速雄!」


ゴッ


遊馬の声が聞こえた瞬間、鈍い痛みが頭を襲い、視点が歪む…


「速雄…」


薄れゆく意識の中、俺の名を呼ぶ遊馬の声が小さくこだましていった…



!!




唐突に視界が真っ白に変わる


「??なんだ?何が起きて…」


頭が完全にパニック状態になり、色々な可能性を考える、


いや、考えられる事がおかしい…


先程まで俺は泥酔し、その上何故かは分からないが後頭部を殴られ意識を失った。

にもかかわらず俺は今この状況を冷静に分析でき、全く酔いも感じない。


意識を失う直前に感じたはずの頭の痛みもない…


まるでさっきとは違う体みたいだ…


とりあえず状況を整理する為、色々と確認を行う事にした。


恰好は倒れた時と同じ…


持ち物は…ポケットの中にガム3つだけ…

携帯や財布はない…か…


もしかして俺は死んだのか?


いや…意味がないな…


可能性の話をするのはあまりにここは

現実からかけ離れ過ぎている。


宙を浮く直方体を見上げ、考える事すら無意味に感じた男は行動する事で

状況を把握する事にした。


ある程度歩き回ったが、どこへ行っても直方体の森が無くなる事は無く、

暗闇に包まれた空のおかげで時間の感覚すら麻痺してしまっている…


「なんなんだここは…なぜこんなことに…」


腰を落とし、そう考えを巡らせていると、疲れがたまっていたのか

自然と瞼が重くなり、俺は眠りについてしまった。

何時間経ったのだろうか、突如強烈な匂いを感じた俺は飛び起きた。


朦朧とする意識の中立ち上がろうと腰を上げた俺は、何かに足を滑らせ思いっきりズッコケてしまう


「痛ってぇ…」


痛みにより意識がはっきりとした俺の前に広がっていたのは常軌を逸した光景だった。


一言でいえば肉の加工場、明らかに人の面影を残した肉片が辺りに無数に散らばり、

地面は血の湖のように真っ赤に染まっている。


「なんだ…これ…」


俺は情報の整理が追いつかず、ただただ呆然と立ち尽くすしかなかった…


その時、


ドゴォォン!!グチャドシャッ!!


とてつもない轟音と共に地面が揺れる、


「いやだぁああ」


血まみれの男が遠くに見える道から現れる、涙を流し、まるで何かから逃げるかのように…


その男と目が合ったその瞬間、


脇道から手の形をした大きな肉塊がとてつもない勢いで現れ、男を壁に向かって押し潰す


ドパン!!!


男は腕と足だけ原型を残したままバラバラにはじけ飛んだ。

手の形をした謎の肉塊は全貌を見せず、腕のような部分は現れた道の先に向かって延びている、


「なんだあれ…指の大きさだけでも俺くらいある…」


ズシン…ズシン…


地面を揺らしながら何かが迫ってくる…


徐々に強くなるこの刺激臭は…俺が起きるときに感じた…


呆然と立ち尽くす俺の前に現れたのは、化け物…


そう形容するしかない、一軒家ほどの大きさのあるグチャグチャの肉塊に

男女の足が無数に生え並び、至る所に人間の顔や眼球が張り付いている、

巨大な腕が左右非対称な大きさと量で不気味な動きを繰り返しているその姿は壊れた玩具の様だ…


肉塊の中心には大きな口が開き、先程延ばした手に張り付いた男の肉片を咀嚼している…


絶望…


まさしくそれを体現するようなこの状況の中で、


俺は覚悟を決め、全速力で化け物から見て反対方向へ駆け出した、


「全盛期なら100m11秒位だったか…まだ鈍ってない事を願うぜ!」


他の全てを一旦忘れ、ただ逃走に専念する速雄の背後の化け物は

速雄を見つけると口を歪ませ笑い始める…


あぁぁうふふふぅぅ…うふふふうふ


あ゛っあぁああぁっっいぃうぅうきうき…


う゛うぅきぃうき…ドリームゥゥパレードォォォォオオオ


はぁっじまるるるるるよぉぉぉおおおお


化け物は壊れたラジオのノイズのような奇声を上げて動き始めた…



次回:逃眠

次回は結構キャラクター増えると思うよ?やっぱヒロインはいるよな

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― 新着の感想 ―
[良い点] 独特な言い回しのある表現で読んでいて読者を飽きさせない文章です。また、地の文が詳しく書かれており、読者が容易に想像しやすい作品だと思います。 [気になる点] 会話文の少なさが気になります。…
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