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1話:依頼

 【1000年後の世界で主人公が魔法を唱えた場面、この後の仲間の反応と、それに対する主人公の心境を答えよ】

 

 「これは去年の共通テストで出題された、古ラノベの筆記問題だ。

 誰か答えれる奴はいるかぁ?」

 

 ここはマキシム私立マキシム高校2年B組の教室。

 今は古文教師の問いに教室は静まりかえっている所だ。

 これは共通テストの中でも正解率が低い問題らしい。


 マキシム高校の偏差値はソコソコ。

 難関大学への合格者は、数年に1人いるかいないか。

 たまたま答えを知っていたりでなければ、そうそう答えれないだろう。

 だが1人の生徒が手を挙げ教師も驚いていた。

 

 

 「おっリン、さすがは生徒会長だな、答えてみろ!!」


 「仲間の反応は『こんな力はまるで化け物だ』主人公は『オレは化け物なんかじゃない信じてくれ』では無いでしょうか?」


 「悪くない回答だが、古ラノベの異世界ファンタジーで、そういう暗い展開になるのは例外的なケースだな」


 「そっそんな……」

 

 

 生徒会長は大げさに落ち込み膝から崩れ落ちてしまった。

 とはいえ、この問題を自信を持って答えられる者はいないので、誰も笑ったりはしない。

 それが逆に、どうしようもない空気を造り出してしまっているのだが。

 

 

 「じゃあ、さっきから退屈そうに授業を聞いているネオウ答えてみろ」



 あっ語り部のように傍観者を気取っていたら当てられてしまったか。

 

 

 「はい、仲間の反応は『帝級魔法は宮廷魔法使いでも難しいのに、それを無詠唱で!?』主人公の心境は『こんなの1000年前の魔法使いなら出来て当然だが驚くほどの事か?』だと思います」



 回答を終えて数秒が経ったが、教師は固まったまま反応しない。

 ……オレまた何かやってしまっただろうか?



 「模範的な回答だ!! みんな拍手!!」



 教室中から巻き起こる大喝采、いや……まさに驚く程の事か? って気分だよ!!

 ちなみに、オレは学校内で成績が良い方では無い。

 全教科の合計点は、さっき間違えたリン生徒会長の足下にもお及ばない。

 だけど“色々”あって、古ラノベだけは、難関大学の問題であっても簡単に感じる。

 それこそチート主人公と呼ばれる彼らが、平然と災害級の魔物を倒してしまうように。

 

 

 そんなこんなで授業が終わり、束の間の休み時間。

 オレの前には5人ほどの、ちょっとした列が出来ていた。

 これはオレにとって日常……いや今日は少し多いな、骨が折れそうだ。

 


 「なぁネオウ、このスピーカー修理出来るか?」


 「ちょっと見せてなぁ……あぁ魔力伝達ケーブルが焼けて完全にダメになってる、こりゃ工房の道具がないと直せねぇな」


 「マジか……学食チケット2枚でいいか?」


 「3枚」


 「うぅ……仕方ねぇ!! その代わり明日までな!!」


 「まぁ直せるからいいけど」

 

 

 1人目の依頼者からスピーカーを預かると、すぐに2人目が、依頼を持ってくる。

 

 

 「ネオウ、頼みが……」


 「コントローラーの修理、いや……その包みの大きさはキーボードだな」


 「人の依頼を、言う前に当てるなよ!! 超能力かよ!? 怖いな」


 「またゲームで負けてキーボードクラッシュしたんだろ?」


 「だって3連急所で、コッチの技は当たらないんだぜ!? チートとしか……ゴホン直せそうか?」


 「次の授業は……歴史か、うん授業中に直しておく!!」


 「頼んだ!!」

 

 

 今の会話をリン生徒会長に聞かれたら大目玉なのだが、幸い今は女子数人で話し込んでいるようで、男子の集まりなど興味すら示していない。

 その後も修理の依頼は続き、休み時間は残りわずかとなった。

 

 

 「今日は帰ったら大忙しだなぁ、まぁ好きでやってるし学食チケット助かるから良いんだけど」

 

 

 依頼品を詰めたバックを眺め少し途方に暮れてしまったが、今日だけでどれだけ直せるか、自分を試すのが楽しみもある。

 

 

 「あっあのぉ!!」

 

 

 今日は、もう店じまいのつもりだったが、まだ誰か並んでいたようだ。

 幼い幼児のような声に呼ばれている……

 いや流石に短い休み時間なのでクラスメイトだろうが、女子からの依頼は珍しい。


 

 「あっゴメン、考え事していて気がつかなかったよ」


 「いっいえ!! 私は宮下マナって言います!!」


 

 マナさんはペコリと45℃頭を下げた。


 

 「うん知ってるよ、あんま話したことないけど同じクラスだし」


 「そうでしたか!! 前々から思っていたのですがネオウさんは、古ラノベ、得に異世界に関する知識が豊富とお見受けします」

 

 「まぁ色々あってね、自分でも自信はあるよ」

 

 

 この流れは、依頼じゃなくて勉強を教えて欲しいとか、そっちだろうか?

 

 

 「実は私……聖剣を異世界人に奪われてしまいました!!」


 「はい?」


 「私の聖剣を取り戻すのを手伝ってください!!」

 

 

 マナさんは、再び45℃頭を下げてきた。

 

 

 「ダメ……でしょうか?」

 


 マナさんは、頭を少しだけ上げ上目遣いでオレに目を合わせる。

 オレは、すぐに返事をしなかったが、嫌だとか面倒だとかいう理由では無い。

 確かに魔力は、今や日本をエネルギー大国へと変えた歴史的大発見。


 だが魔力とは、先人が電力に代わる次世代のエネルギーに名付けた名前にすぎない。

 魔法や聖剣は、あくまで昔の創作に登場する絵空事、というのは常識だ。

 ほぼ初めて話す子を相手に、ここまでドン引きする事は無いだろう。

 


 「分かったよ!!」

 

 

 そう即答した理由は自分でも分からない。

 でも今思えばこれが運命だったんだ。

 オレにとっても世界にとっても。

突然始まりました新連載!!


同じく連載中の「また異世界転生ものが始まりそうです~転生でなく銀髪天使と同居が始まりました~」も読んで頂けると良い事があるかも?


少しでも気になったらブックマーク、高評価、いいね、よろしくお願いします。

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