第9話 人体という神秘
ゲル子は見た目女の子だが、完璧に女の子になれていたわけではなかった。あてがはずれてちょっとがっかり俺だったが、とりあえずはいつもいつも裸でいてもらっては目の毒なので、普段は服を着ているように見えるようにしてもらった。
といっても体色を変えるだけだから、ゲル子にとっては相変わらず裸なんだが。服を着せることも考えたが、せっかく戦闘では変幻自在なのに服が邪魔でうまく戦えなくなっては困るからな。
「おまえは見られて恥ずかしいとかないのか?」
「そうですね、スライムは裸が普通なので特には……」
まあ、そうだろうな。あくまで女の子の姿は仮のもんだし。
「あ、そうです。ありました、人に見せないトコロ」
そういって体の奥をむにゅむにゅさせるゲル子。胸のあたりがぷくっとが丸く盛り上がり、赤いものが浮き出てくる。
「なんだこれは?」
「わたしの核です。クルクさんが魔石と呼んでいるやつですね。とても大事なものなので、普段は体の奥にしまっています。クルクさんだから特別に見せたんですよ」
そういって頬を染めるゲル子。確かにそれはゲル子の生命にとってはすごく大切なものかもしれないが、見せてもらってもあまり嬉しくはない。
「ゲル子の魔石はやっぱり赤いんだな」
そういって何気なく触ろうとすると、「ああん、だめ!」と艶めかしい声を出してゲル子が身をよじる。
「これ、とってもビンカンなんです。だから、乱暴に触っちゃダ・メ」
そういってまた魔石は体の奥の方に仕舞われてしまった。まあ、別にどうしても触りたかったわけじゃないからいいんだけどな。
「ところで、その女の子の姿ってなんかモデルがあるのか?」
「あ、それはですね。以前、遺跡に来た人間をまねさせてもらったんですよ」
ふーん、こんなかわいい子が遺跡にね。俺と同じぐらいの年に見えるけど、ちゃんと戦えてたのかな。
「その女の子はどうしたんだ?」
「あ、わたしが溶かしました」
……………聞くんじゃなかった。
しかし、今の話でひとつひらめいたことがあるぞ。
「あのさ、ゲル子」
「なんでしょう?」
「おまえのさ、その………だけど、ひょっとしてモデルがあれば作れるのか?」
「そうですね、本物を見せてもらって構造を確かめれば作れますよ」
うむ、いいこと聞いた。あとはどうやって実行に移すかだが…………。
翌朝、俺は早起きしてゲル子を連れて実家のほうに向かった。途中で誰かに見られると困るから、念のためゲル子にはシーツをかぶせていった。ひょっとしたらシーツかぶってるほうが目立つのかもしれないが。
実家の近くの川に行き、ゲル子を川に入らせる。
「ゲル子、おまえどのぐらい長く潜っていられる?」
「呼吸は不要ですので、長時間平気ですよ。少し水を吸って膨張するかもしれませんが」
「よし、なるべく底の方で見つからないようにおとなしくしてろ。いいな」
ゲル子が俺の言葉にうなずく。
「今からここに人間の女が来る。それをよーく観察して、下半身の構造をよく真似るんだ」
「わかりました」
俺はゲル子を川底にもぐらせ、俺自身は見つからないように少し離れた木の上に身をひそめ、気配を絶った。我ながらなかなか高度な隠れっぷりだと思う。たぶんよっぽどの手練でもなければ見つけられないハズ。
しばらくして、川にターゲットがやってくる。朝日を受けて輝く栗色の髪。
---------------アマナだ。
綺麗好きのアマナは気温の高い季節は早朝に川に行き、水浴びをする。それが日課になっている。
アマナは周囲に人影がないのを確認すると、エプロンを脱いで草の上にたたみ、するすると服を脱ぎ捨てた。若々しい乙女の肌が目に眩しい。
アマナ、結構成長したなあ……。
最後に見たのは何年か前のことだが、その頃から比べるとしっかりと膨らみが育っている。こんなに綺麗に成長してくれてお兄ちゃんは嬉しいよ。我が妹ではあるが、せっかくなのでしっかり目におさめておくとする。
アマナはつま先で水の温度を確かめた後、徐々に川に体を沈めていった。川はそれなりに深く、すぐに腰のあたりまで水につかってしまう。川の中心部まで来た時、アマナの表情に変化が現れた。
「………え?うそ……なにこれ!」
びっくりして川から上がろうとするが、
「……ぁん!」
そんななまめかしい声をだしてしゃがみ込んでしまう。体勢から見て腰が抜けているようだが、本来であれば頭まで水につかってしまうところを、腰を誰かに支えられているかのように胸から上は水上に出たままだ。
「……いや、ダメ、なんか入って………あ、あ」
顔を真っ赤にして悶えるアマナ。水の下がどうなっているか見られるものなら是非見たいもんだ。いやまあ、それが今回の目的じゃないけどな。
アマナはしばらく悶えていたが、一度びくりと痙攣したように震えると力が抜けたようにぐったりしてしまった。可愛らしい顔は赤く染まり、荒い息をしている。それがなんとも色っぽくて、妹であるにもかかわらず俺はいろいろ反応してしまったが、この際細かいことは気にしない。
アマナが脱力したまま、変な体勢でずりずりと陸に押し上げられていく。無事目的を終えたゲル子が溺れないように移動させているんだろう。
アマナが完全に陸上に揚げられるのを見届けると、俺はこっそり川の上流、あらかじめゲル子と決めてあった地点に向かった。目印の木の根元から声をかけると、水底からピンク色がせり上がってきて、スライム姿のゲル子がぴょこりと顔を出す。
「ゲル子、どうだった?」
『はい、バッチリ分かりました!』
そうか、これは今夜が楽しみだな……………。
その晩、俺はようやく想いを果たすことができた。
実物で勉強してきたゲル子の再現力は完璧だった。いや、俺も実物を拝むのは初めてなんだが。それでも膜らしきものまで再現していたのはパーフェクトと申し上げたい。
ゲル子の中は感触、湿度ともに良好で、特に俺に合わせたようなフィット感とスライムゆえの吸いつき絡みつきがたまらなかった。一晩で3回はおかわりしたが、そのうち2回は昼間のアマナを思い出して興奮5割増しだった。ゲル子をアマナに化けさせなかっただけ俺はまともだったと思いたい。
俺はゲル子をこころゆくまで堪能し、非常に満ち足りた気分で眠りについた。




