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神綴る封印書庫  作者: 文月沙華
1章:少年と猫

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14/59

幕間

 ペンを止め、書きかけていた文章に目を滑らせる。

 やや躊躇いもあったが、ページを丸めてノートから引きちぎった。まだ乾ききらないインクが指先を汚す。


 この事件は、後に「シェラトゥ断章事変」と呼ばれることになる一連の騒動の始まりだったのかもしれない。


 しかし、これを記録すべきではない気がしたのだ。

 あの少年が事件に関わるきっかけになったのは間違いないが、この事件はあくまでも少年が猫を助けただけのものだ。


 男は依頼を受け、宮廷魔術師の使い魔を釣るために猫を誘拐していた。

 証拠もなしに書いても、後の記述の信憑性を損ねるだけだろう。


 これまで集めた情報を確認しながら、ノートの白紙に新しい記録を綴っていく。


 やはり、禁書庫が破られた夜の出来事を、一連の事件の始まりにすべきだ。

 同じ孤児院を出た少女が巻き込まれた、寄宿学校で起きたあの事件を……。

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