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覚書  作者: 汀 空木
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何もない。

最近、なぜだかわからないが、涙が出ることが多い。

だが、どれも頬を伝うことはない。

自分でも理由が分からなくて、

ただ空虚で分からない。

自分が疲れているはずがない。

だって何もしていない。

あの人の方がよっぽど、何百、何千、何万倍も頑張っている。

だから、私が疲れていていいはずがないのだ。

それなのに、体が重くて、苦しくて、眠くて。

こんなことがあっていいはずがないのに、

一体どうして。どうしたら。

姉が憎い。

仲間に恵まれ、仕事があり、辛くてもいい、

許される人。

悔しくて、悲しいのに、どこか空っぽで静かだ。

でも、ふと気づいた。

姉が高校三年生の時、日記を書いていたこと。

姉は、努力して尚、人には言えない苦しみを抱えていたのではないか。

私は、いつまでも姉に勝つことなどできないとわかった。

姉の辛さは姉だけのもので、決して理解できず、私がそれを越すこともない。

自分は一体何を頑張っているのだろうか。

姉の真似事で、勝手に苦しくなって。

酷い冒涜だ。

私はあなたのようになりたかったけれど、

なりたくなくて、

勝手に否定して苦しくなっている。

これを貴方のせいにしてしまう。

私が選んだはずなのにね。


あなたの努力が愛おしくて大切で、

殺したくなるほどに、憎い。

あなたの陰なくして、私は生きれるのだろうか。


彼が安心して休めるように、私は笑顔でいよう。

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