表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】転生悪役令嬢は破滅回避のためにお義兄様と結婚することにしました~契約結婚だったはずなのに、なぜかお義兄様が笑顔で退路を塞いでくる!~  作者: 狭山ひびき
第二部 四大精霊と女神たちの願い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/184

二学期と特別実習 3

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

「二年生は金曜日が特別実習の日だったな」


 補習を終えて、わたしはアレクサンダー様と女子寮に向けて歩いていた。

 アレクサンダー様ってば補講の日はいつもわたしを送ってくれているけど、ウルリッヒ様のことも任されて大変なんだろうし、わたしを寮まで送るのはやめてもいいのにね。


「そうなんです。ヴォルフラムと同じ班になれたから助かりました」

「……君は、ヴォルフラム・オルヒデーエと仲がいいな」


 えっと、まあ、ヴォルフラムはクラスで唯一の友達ですからね。彼がいなかったらぼっちなんで。

 だけど、他に友だちがいないんですと言うのはちょっと恥ずかしいので、わたしは「まあそうですね」と曖昧に笑っておく。


「実習場所は学園が保有している森で、強い魔物はいなかったはずだが、油断はしないように。ニコラウス先生も当日引率者の一人として同行するはずだから安全だとは思うのだが……」


 ニコラウス先生は上級魔法が使えるからね、先生が引率なら心強い。

 学園に在籍する先生たちの中で、上級魔法が使えるのはニコラウス先生とあともう一人だけなのよね。


「私がついて行ければいいのいだが、学生は引率者になれないからな」


 いやいや、アレクサンダー様。上級生には上級生の授業があるので、下級生の実習の面倒まで見ていたら大変ですから!

 アレクサンダー様ってばどこまで面倒見がいいのかしら。

 学生の引率は先生の領分なのだから、先生たちに任せておけばいいのよ。


「実習には侍女も連れていけないのだし、極力ヴォルフラムの側から離れないように」


 うちのヴィルマは何気に優秀ですからね。連れて行ければ百人力だったんだけど。

 何せヴィルマ、上級魔法まで操れるんだもの。武術もどんとこいのハイスペックだし、よく考えたらヴィルマもチートよね。絶対そうよ。

 あれでもう少し性格の方が何とかなれば完璧なのに。どういうわけかヴィルマは昔からわたしで遊ぶことに全力を尽くすのよ。おかしいわ。何故かしら。


「大丈夫ですよ。オリエンテーションのときからわたしも進歩したんです。今ではちゃんとファイアボールが使えますから!」


 胸を張って答えたのに、アレクサンダー様から残念な子を見るような目を向けられた。解せぬ。


「……マリア、こんなことは言いたくないが、公爵家できちんと教育を受けていれば、ファイアボールは学園に入学する前に最低限使える魔法だ。優秀な家庭教師を雇えないような家ならば仕方がないのだが……」


 ぐはぁ‼


 わたし今、アレクサンダー様に会心の一撃を放たれた気分だわ。

 た、確かに、魔力操作を教わる際に初級魔法はいくつか教わった記憶があるけれど……、うん、身についていなかったんだもの。だって、ほぼ遊んでいたから。

 初級魔法と一言で言っても、いろいろな種類がある。

 ファイアボールなんて初級魔法の中でも初歩の初歩。できて当たり前レベルの魔法だ。

 もちろん、優秀な家庭教師を雇えない下級貴族ならば学園に入る前に習得していないこともあるけれど、公爵家で学園に入学する前に習得できていないのは……わ、わたしくらいなものよね。とほほ……。


「とても不安になって来たよマリア。君、実習に行って本当に大丈夫か? やはり無理をしてでも私がついて行った方がいいのではないだろうか。今の君なら普通のスライムにすらやられそうだ」


 普通のスライムってあれでしょ? 木の棒で殴って倒すことができるレベルの魔物だよね?

 さ、さすがにスライムくらいなら倒せるんじゃないかしら……?

 実際倒したことなんてないけど。というか魔物討伐なんてしたことないけど!

 オリエンテーションのときも、お兄様とアレクサンダー様が全部倒してくれたし、わたし、ファイアボールで失敗したし……。


 とはいえ、ここできっぱりと断っておかないと、アレクサンダー様なら無理をしてでもついて来かねない。

 そんなことになれば悪目立ちもいいところよ!

 わたしは女の子のお友達を作りたいのに、女の子たちから嫉妬されて嫌われる結果になりかねないじゃない。

 断固拒否‼


「大丈夫ですよ、わたし、アクアラングも習得したんです」

「マリア、アクアラングは水の中で呼吸をしたり話したりできるようになる魔法だ。あれで魔物は倒せない」

「そ、そうですけど……」


 う、失敗した。

 アレクサンダー様はさらに不安そうな顔になって念押ししてくる。


「いいかマリア、ヴォルフラムと、可能であればニコラウス先生の側から離れないようにしなさい。決して危ないことはしないように。オリエンテーションのときのように山火事に突っ込んでいくようなこともダメだ。約束してくれ。そうしないと私は、不安でどうにかなりそうだ」


 わたし、そんなにダメな子ですか⁉

 アレクサンダー様の中のわたしって、もしかしなくても幼児レベルにできない子なんじゃないだろうか。

 アレクサンダー様がやたらとわたしに過保護なのはそのためかしら。


 ……もっと頑張ろう。


 さすがに幼児と同レベルにされるのは……傷つく。





ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ