第一王女のお茶会 1
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結婚式の準備やらヴィルマのことやらで、今回もどっと疲れる週末でしたよ!
今週末こそはゆっくりのんびり、何なら一日中寝て過ごしたいわ~と怠惰なことを考えながら迎えた月曜日の朝のことだった。
「マリア・アラトルソワ公爵令嬢はいるかな?」
「「「きゃああああああ‼」」」
涼やかな声と、黄色い歓声にびっくりして振り向けば、二年三組の廊下にアレクサンダー様が立っていた。
わたしを見つけて、にっこりと極上の笑みを浮かべてひらひらと手に振る様は――うぅ、眩しい‼ お兄様をはじめ、この世界のイケメンは見慣れたと思っていたけどそんなことなかったわ!
「今朝、いつもより早く登校してよかったですわ~」
「おはようございます、アレクサンダー様」
「本日は大変お日柄も良く……」
見合いか‼
思わず心の中で突っ込んじゃったわよ。
朝のホームルーム前の我が教室の女生徒を一瞬で虜にしたアレクサンダー様は、彼女たちに特に構うことなくわたしのそばまですたすたと歩いてきた。
きゃーきゃー騒がれるアレクサンダー様に、わたしと席の近いヴォルフラムがあんぐりと口を開けている。
ヴォルフラムもものすごくイケメンでモテるけど、同じクラスだけあって、こんな風に騒がれることはない。
きっとこれが上級生マジック……! ヴォルフラムも下級生の教室に行けばきっとこうなるわよ~なんて、どうでもいいことを考えながら、わたしは歩いてくるアレクサンダー様を見上げた。
「おはようございます、アレクサンダー様。どうなさったんですか?」
本当に、どうなさったんですか、ですよ。ほら見なさい、クラスの女生徒の視線が痛いこと!
絶賛、女の子友だちが欲しいなキャンペーンのわたしにはマイナスでしかありませんよ。どうしてくれるんですか、これ。
なんてアレクサンダー様に文句を言うのはお門違いでしょうから、もちろんそんなことは言いませんけどね!
「おはよう、マリア。朝早くにすまないな。妹経由で、これを預かってね」
妹と言うと、アグネスね!
アレクサンダー様は週末にナルツィッセ公爵家に帰ってアグネスの様子を見て来たらしい。元気そうだったって嬉しそうよ。
わたしはアレクサンダー様から手紙らしきものを受け取って、くるりとひっくり返しぎょっとした。
封蝋に押されているのは、王家の紋章。
そして差出人は……あちゃー……。
……そう言えば、しばらく会ってなかったわねえ。
差出人の名前は「ブリギッテ・ポルタリア」。
言わずと知れた、この国の第一王女様である。
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