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運命の黄色い糸 七

 時は12月。今年も残す所、あと1ヶ月だ。

「あ、こんにちは、圭太さん!

 それと…、すみません、お名前は?」

「あ、私、井上友香いのうえゆうかって言います!

 えっと…、井手由利加さんと、佐藤克也さんですね!はじめまして!」

「はじめまして!」

俺たちの最初のあいさつは、由利加が圭太の新しい彼女の名前を訊く所から始まった。

 そして、(気になる)圭太の新しい彼女であるが、予想に反して、(と言うかどんな予想をしていたのか自分でも分からないが)「清楚な黒髪の女性」といった感じであった。

 髪型はセミロングほどで、また目はそんなに大きくはないものの、全体的に整った顔であった。そしてどちらかというと彼女は「キレイ系」ではなく、「可愛らしい」といった印象だ。しかし、背は低くはなく、(ヒールのせいもあるが)背がそんなに高くはない俺と並ぶと、ヘタをすると見下ろされてしまいそうである。

 「よし、あいさつも終わった所だし…、行こっか!」

「はい、圭太さん!友香さん!

 克也も行こっか!」

とりあえず俺たちは前もっての打ち合わせで、今日は基本的に圭太の行きたい所に行くことになっている。

 そしてそして…、気になる「運命の糸」であるが…、やはり友香さんと圭太の間には、「運命の青い糸」が見える。

 しかも、その日付は…、クリスマスよりも前になっている。

『悪りぃな圭太。お前らは、クリスマスまでも持たないよ。

 この人は運命の相手ではなかったな…。』

俺はそう思ったが、せっかくの雰囲気をぶち壊しにしないため、それを顔に出さないように努めた。

 あと、それとは別に、気になることがあったので、俺はそれを友香さんに、目的地まで歩く道中で訊いてみた。

 「あの、友香さん…人差し指、どうかされたんですか?」

「え、あ、絆創膏ですか?

 いやこれ実は…、料理をしている時に、包丁でちょっと指、切っちゃって…。

 すみません私、ちょっとおっちょこちょいな所があるんです。」

「ああ、それは痛かったですね。いえいえ、謝らなくても…。」

「そうなんだよ~。でも、そんなちょっとドジな所も、かわいいよな!」

圭太がそう友香さんをフォローすると、

「そうですよね~大丈夫大丈夫!」

と、由利加の方もそう言う。

 その他にも、今日の由利加は全体的に盛り上げ役で、明るく話し、また人の話にもよく相槌を打っている。それは、俺と2人でいる時の由利加というよりかは、俺たちが初めて、圭太と俺と由利加と3人で会った時のような、「好印象」と思われるような雰囲気の由利加であった。

 『こいつ、また猫かぶってるな…。』

その彼女の実態をこの中で唯一知る俺は、心の中でそう思い、苦笑した。

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