2 片目の老人
カサオが森の中を歩いていると、人が座るのにちょうどいいぐらいの大きさの意志があり、その石に片目の老人が腰かけていた。老人の片目の位置にはぽっかりと空洞が開いていてその周りの肉が醜く引きつっている。
老人は片方しかない目でカサオを見、その後ろにいる青い鳥を見た。そしておもむろにかなづちを懐から取り出した。
「見つけたのじゃ!」
老人はそう叫ぶと、かなづちを振り上げて襲い掛かってきた。
「わっ! 気違い老人だったのか?!」
カサオはとっさに頭を押さえてしゃがみこんだ。しかし、老人が狙っていたのは最初からカサオではなかった。かなづちは青い鳥の頭部にめり込んだ。頭蓋骨が砕ける音が鳴った。
青い鳥は地面にぶっ倒れ頭から緑色の体液と脳漿を垂れ流した。足がぴくぴくと小刻みに痙攣している。
「いきなり何をするんだ! びっくりするじゃないか!」
カサオは苦言を呈した。老人は意に介さず、ひょっひょっひょと笑う。
「こやつはわしの遊園地で飼育しておった動物じゃ」
「遊園地? こんな森の中に遊園地があるの?」
「ある。この道を進めばわしの遊園地じゃ」
こんな森の中に遊園地があるなんてにわかには信じられないぞ。あるいはこの老人はほら吹きかもしれないとカサオは思った。
「今わしのことをほら吹きと思ったじゃろ?」
「ぎくり」
「わしについてくるのじゃ。わしがほら吹きではないことを証明してやるのじゃ」
老人はカサオの先に立って歩きだした。カサオもそのあとについていった。




