↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
8/8

最終話  借りた絵は、百年越しに返される

「・・・・間違いないわ。今でも覚えているもの」


クレマチス侯爵の母君、前侯爵夫人は、私が差し出した小ぶりの宝石を見つめ、驚いたようにそうつぶやいた。


「・・・・話すと長くなるわね。でも、間違いない」


前侯爵夫人は、宝石を見つめたまま静かに目を細める。


「これは、かつての我が家の家宝の絵に飾られていた額縁の宝石よ」


私は思わず息を呑んだ。


やっぱり。


この宝石は、ただの飾りではなかったのだ。


「私の祖父が見せてくれたのよ。私が実物を見たのは50年以上前。けれど、その絵にまつわる出来事そのものは、今から100年ほど前のことよ」


100年前。


有名な、あのプラチナ帝国の皇太子争い。


美術品の出来で皇太子を決めるという、あまりにも奇妙で、けれど華やかな逸話として伝わっている事件だ。


正妃の生んだ第一皇子と、側室腹の第二皇子。


二人の間で起きた皇太子争いを、時の皇帝は平和裏に収めるため、それぞれが見込んだ芸術家に美術品を作らせ、その出来で皇太子としての器を見ると定めた。


そのとき、第一皇子が見込んだ芸術家が、当時のクレマチス侯爵令嬢だった。


そして、勝ったのもクレマチス侯爵令嬢。


そう伝わっている。


ところが、その後すぐに、第一皇子とクレマチス侯爵令嬢は疫病で死んだ。


よって実際に皇位についたのは、第二皇子。


それが、今に伝わる歴史だった。


けれど、前侯爵夫人が語ったのは、それとはまるで違う話だった。


「当時のクレマチス侯爵令嬢――いわば、我が家のご先祖様ね。ご先祖様は、大変な罪を犯したのよ」


静かな声だった。


けれど、その響きは重かった。


「勝ったという、その美術品。それは、ご先祖様が描いたものではないの」


「相手の方が持っていた美術品を奪い、それを自作として提出した。そう伝わっているわ」


私は黙って聞いていた。


隣では、現当主であるクレマチス侯爵が、あからさまに動揺していた。


知らなかったのだろう。


というか、この話。


爵位の低い私が聞いていいのかしら。


後で殺されないわよね。


ちょっと心配になってきた。


「でも、実際は疫病なんかじゃないの」


前侯爵夫人は小さく首を振った。


「呪いで死んだのよ。我が家にはそう言い伝えられている」


ぞくり、と背筋が冷えた。


「その当時、呪いをなんとかしようと研究が進められ、我がクレマチス侯爵家は錬金術に没頭するようになったの」


なるほど。


高位貴族でありながら、錬金術にのめり込む変わった家として有名なクレマチス侯爵家。


その奇妙さには、そんな理由があったのね。


ただの変人の家ではない。


呪いで娘を奪われ、その正体を知ろうとして、研究に取り憑かれていった一族だったのだ。


「いつまでも、その絵を持っていたくなかった我が家は、皇帝から献上の意思があるかと問われたとき、これ幸いにと差し出したのよ」


前侯爵夫人は疲れたように微笑んだ。


「家宝として守るには、あまりにも重すぎたのでしょうね」


私はしばらく言葉を失っていた。


小ぶりの宝石。


呪われた絵。


クレマチス侯爵家の秘密。


ここまでつながっていたなんて。


「・・・・大変な事実ですわね」


やっとそう言うと、前侯爵夫人は静かにうなずいた。


「ええ。侯爵家の恥よ。けれど、あなたは知るべき人だと思ったの」


私はもう一度、宝石を握りしめた。


これだけのことを知った以上、隠しておける話ではない。


少なくとも、アプリコット公爵家には伝えなければならない。


私はこの事実を、キャロット様に報告することにした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


帝都プラチナムを離れ、アプリコット公爵領へ向かおうとした、その時だった。


またしても、あの男が我が家のタウンハウスへやってきた。


グレープ王国第一王子。


またか。


もう、げんなりだわ。


「ふはは!聞いたぞ!なんでもアプリコット公爵令嬢の依頼を果たし、報告へ行くそうではないか!」


「婚約者である私もついて行こうではないか!!」


誰があんたの婚約者よ。


勝手に決めないで!!


・・・・というか、なんでそんなことを知っているの?


以前から、そこには違和感があった。


第一王子は、どう考えても奇抜すぎる。


行動力はあっても、知力は足りない。


ところが、私の行動だけは妙に正確に察知してくる。


いったい、どこから情報を得ているのかしら。


まさか、私の使用人を買収しているの?


私は一瞬、周囲を見渡した。


いいえ。


この家にそんな不心得者はいないわ。


では、なぜ。


「兄上!!いい加減にしてもらいたいですね」


低く、よく通る声が割って入る。


なんと第二王子までタウンハウスへやってきた。


「ふん!おまえか!!私のものを横取りしようとしやがって。ミントは俺のものだ!」


「違います!!」


「人を物のように扱うとは・・・・兄上、王族としての振る舞い以前の問題ですぞ」


「うるさい!!それに、ミントは俺に惚れている。そうドミニクが言っていたぞ。女は惚れた男につれなくするものだと」


誰よ!! 


ドミニクって!!


「ドミニク・・・・まだ、その男を側近に置いているのですか!?」


第二王子の声が、はっきりと冷えた。


「あの者は、アイリス都市連合国と通じている疑いがあると、父上から何度も忠告を受けたでしょう!」


え、なにそれ。


アイリス都市連合国。


プラチナ帝国の傘下国のひとつで、古い歴史を持つ国だ。


派手な軍事力で押す国ではない。けれど、外交、諜報、物流に長け、表では笑って握手をしながら、裏では相手の弱みを探る。


そんなしたたかさで生き延びてきた国だと、帝都にいる私でも耳にしたことがある。


その名が、こんなところで出てくるなんて。


「うるさい、うるさい!!ドミニクが言っていたんだ。ミント、お前が持っているその宝石、それを俺に寄越せ!」


そう言って第一王子は、私の手の中にあった小ぶりの宝石――呪われた宝石を、ほとんど奪い取るようにして持ち去ってしまった。


「あっ!」


一瞬のことだった。


「また、奪われちゃった・・・・」


「本当に、兄上がすみません」


第二王子は深く頭を下げた。


けれど、それよりも大問題がある。


あれ、呪われているのよ!?


あの宝石は、勝手に奪った者に悪夢を見せ、精神を削り取っていく。


そんなものを、なぜわざわざ欲しがるのかしら。


「どちらにせよ。私が責任をもって奪い返します」


第二王子は静かに言った。


「それに兄上の側にいるドミニク。彼も排除せねばなりません」


「ですが、それよりも大事なことがあります」


そう言って、第二王子はまっすぐ私を見た。


「な、なんでしょうか?」


「あなたの側にいることです。どうか、私を連れて行ってくれませんか」


そう言って、頭まで下げてくる。


え、ちょっと。


そんなことされたら困るじゃない。


けれど、ここまで来ると、断る方が難しい。


結局、私は根負けし、アプリコット公爵領まで第二王子を同行させることになった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アプリコット公爵領に着くと、私はさっそくキャロット様に面会を願った。


そして、ことの顛末を報告した。


宝石の由来。


クレマチス侯爵と前侯爵夫人から聞いた話。


そして、第一王子に宝石を奪われたことまで。


「・・・・そう、なのね」


報告を終えてもしばらく、キャロット様は何もおっしゃらなかった。


やがて、静かに口を開く。


「宝石の件はいいわ。そのことは、もう報告を受けているから」


うわ。


さすが公爵家。


すでに把握済み、ということね。


じゃあ、私の行動も把握されていたのね。


キャロット様はにっこり微笑んだ。


「ええ、そうよ。あなたには、こっそり護衛をつけていました」


「ですが、第一王子と、その側近ドミニクに関しては、こちらの管理下にあるの」


だから安心して。


・・・・意味がよく分からない。


管理下って、どういうことなのかしら。


私の困惑をよそに、キャロット様は立ち上がった。


「いいものを見せてあげるわ。あなたにも関係することよ。ついてきて」


言われるままについて行くと、そこは以前見た公爵家の保管庫だった。


さらに、鍵のかかった奥の部屋へ案内される。


私は、一番奥に置かれた美術品へ、自然と引き寄せられた。


・・・・なぜだか、懐かしい魔力の気配がする。


近づいてみると、穏やかな女性の絵が描かれていた。


その瞬間、目から涙がこぼれた。


どうしてだろう。


見たことがないはずなのに。


懐かしくて。


あたたかくて。


胸の奥が、じんわりと痛くなる。


キャロット様が静かに言う。


「さすが。気づいたようね」


「この絵は、皇帝陛下から直接下賜された我が家の家宝よ。今から百年前、プラチナ帝国中興の祖と呼ばれる第25代皇帝が愛した絵画」


「聞いたことはないかしら。当時は皇太子を美術品の出来で決めようとした。お互いの候補者が芸術家を選び、描かせた」


「それを描いた令嬢の名は、カーペラ・クレソン嬢」


キャロット様は、まっすぐ私を見た。


「あなたのご先祖様よ」


私は言葉を失った。


目の前にあるのは、私がずっと探していた絵だった。


我が家に代々伝わる言い伝え。


かつて我が家は、プラチナ帝国のクレソン男爵家だった。


その家の令嬢、カーペラ・クレソン嬢は特別な才を持ち、家は栄えた。


そして、ある縁から当時まだ小国だったグレープ王国を助けるため、クレソン男爵家はプラチナ帝国から移った。


名を変え。


爵位を上げて。


それが、バーントシェンナ伯爵家。


だから我が家は、今もプラチナ帝国との縁を残している。


その縁によって、帝都プラチナムにタウンハウスを持つことを許され、私自身も帝国の中枢である内務省勤務を許されていたのだ。


そして幼いころから、私は聞かされ続けていた。


先祖であるカーペラ・クレソン嬢の作品が、この世のどこかに眠っているのだと。


私の美術品好きも。


あの絵に惹かれる感覚も。


もしかすると、あの人から受け継いだものだったのかもしれない。


ようやく、謎は解けたのだ。


「そして、こちらがもう一つの絵よ」


キャロット様は、布がかけられた別の絵を示した。


「クレマチス侯爵令嬢が出したという、呪われた絵」


私は息を詰めた。


「この絵は見てはいけない。そう伝わっているの。あなたに渡した宝石は、その額縁についていたものね」


「昔からあったのだけれど、なぜ呪われているのかは分からなかった。でも、あなたのおかげで分かったわ」


キャロット様は、静かに言った。


「これは、カーペラ嬢がエリューシオン教会から借りた絵なのよ」


「・・・・借りた物は、お返ししないとね」


私は、はっとした。


そうか。


これは教会から借りた物。


なら・・・・


「最後のお願いよ。聞いてくれるかしら」


私は、その願いを快く引き受けた。


100年前に、ご先祖様が借りた絵。


返すのは、子孫の私がふさわしい。


キャロット様もそう考えたのだろうし、私もそうしたかった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


公爵家から絵を預かって外へ出ると、第二王子が待っていた。


言葉どおり、ちゃんとついてきてくれていたらしい。


当然、公爵家の屋敷には入れないので、外で待機していたのだろう。


「お待たせして恐縮ですが、第二王子殿下」


「用件は終わりましたか」


「まだです。最後に、エリューシオン教会へ行ってもよろしいでしょうか。私の最後のお勤めがあるんです」


私がそう言うと、第二王子は何も聞かず、静かにうなずいた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


エリューシオン教会の総本山。


帝都プラチナムにある総本山の前に立つと、妙に感慨深かった。


100年以上前、ご先祖様であるカーペラ・クレソン男爵令嬢は、この教会でよく奉仕活動をしていたという。

きっと、その縁で絵を借りたのかもしれない。


そう考えながら扉を開くと、


「あれ?もしかして、ミント様ですか」


聞き覚えのある声がした。


振り向くと、そこには以前、修復作業を手伝ってもらった商業人のグリーンがいた。


後ろには、あの妙に存在感の薄い従者もいる。


「あら、久しぶりね。元気そうで何よりだわ。あの時は助かったの。また何かあれば依頼を出すから、その時はよろしくね」


私はそう言って微笑み、それから教会の聖女に事情を話し、絵を返却しようとした。


すると、黒髪に黒い瞳をした、息を呑むほど美しい聖女がやってきた。


「・・・・そうですか。たしかに、100年以上前にカーペラ・クレソン男爵令嬢へお貸しした絵ですね」


「確かに受け取りました」


私は、しっかりとその聖女へ絵を返した。


なんだか、とても晴れやかな気持ちだった。


先祖が借りたものを、100年後に子孫の私が返却した。


時間はかかったけれど、それでも返せたのだ。


・・・・しかし、目の前の聖女様、すごく美人ね。


聖女様って、美人じゃないとなれないのかしら。


そんなことを考えながら、私は思わず見つめてしまった。


すると、グリーンが聖女へ話しかけた。


「ねえねえ、ノワール、それなに?」


「ご主人様、これはですね。その昔、私がこの場である令嬢にお貸しした絵なんですよ」


「たしか、リューシェ様が描いたものですね」


ひょこっと従者が絵をのぞき込む。


「あ、ほんとですう。以前、私がご主人様を想って描いたものですね。あ、防犯魔法がまだかかっています」


「・・・・よいしょっと。これで魔法は解けましたね」


「どれどれ・・・・うわあ、きれいだねえ。うん。芸術のことはよく分からないけど、この絵はきれいだ」


「そうですか。なら、これは屋敷に飾りましょう。ご主人様に喜んでもらうのが一番です」


私は絵を返したあと、少し離れた位置まで下がっていたので、何を話しているのかまでは聞き取れなかった。


けれど、あの絵から呪いのような魔力がふっと消えたのは感じ取れた。


やはり、元の持ち主のところへ返したからかしら。


なにはともあれ、良かったわ。


私はそう思いながら、教会をあとにした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


外に出ると、そこには第二王子が立っていた。


「用件は終わりましたか」


「はい」


「それでは、次は私の話を聞いていただけますか」


「何でしょう?」


第二王子は私をまっすぐ見つめた。


そして、はっきりと言った。


「私と婚約していただけませんか」


・・・・はい?


私は数秒、言葉を失った。


第二王子は苦笑する。


「そんな顔をしなくてもいいでしょう。もちろん、政略です」


「バーントシェンナ伯爵家は、プラチナ帝国から移ってきた家です。つまり、我が王家――ひいては、グレープ王国自体を監視する役目も負っているのでしょう?」


・・・・やっぱり、この王子は厄介だわ。


その通りだもの。


100年以上前、グレープ王国がプラチナ帝国の傘下に入るとき、我が家はクレソン男爵家から名を変え、バーントシェンナ伯爵家としてグレープ王国へ移った。


表向きは、グレープ王国を助けるため。


けれど実際には、監視という密命も帯びて。


第一王子のやらかしで傘下を外れた今、我が家はいつでもプラチナ帝国へ戻ることができる立場にある。

私が内務省に勤務している理由も、その延長線上にあった。


「改めてお願いします」


第二王子は、静かな声で言った。


「私と婚約し、再びグレープ王国を監視してください。そして、ともに繁栄に尽力してほしい」


「兄の処分は、すでに決まっています」


私は目を見た。


「兄はもう、第一王子ですらありません。王族からの除籍が決まりました」


私は目を見開いた。


「え・・・・」


「あなたの宝石を奪うかどうか。あれが兄の最後の試験だったようです」


「ドミニクはアイリス側と通じていたのでしょうけれど、最終的にはアプリコット公爵家の掌の上でした」


・・・・なるほど。


つまり、こういうことね。


ドミニクはアイリス都市連合国の者ではあっても、最終的にはアプリコット公爵家に把握され、利用されていた。

第一王子の側近として近づき、その行動を見張りながら、最後の試験まで仕組んでいた。


だからキャロット様は、宝石の件はいいとおっしゃったのだ。


「そういうことだったのね」


第二王子は黙ってうなずいた。


「そして、私が王太子となり、プラチナ帝国に功績を立てれば、傘下を認めてもよいという内諾を得ています」


そこまで話が進んでいるのか。


この人は、もう国を背負って立つ覚悟を決めている。


「だからこそ、私にはあなたが必要なんです」


第二王子は少しだけ目を伏せ、それから言った。


「政略としても。そして、私個人としても」


なによ、それ。


まるで、好きだと言っているみたいじゃない。


私みたいな、貴族令嬢らしくもない人に。


そんなわけないと、自分が一番よく分かっている。


でも、そうね。


政略、と言われれば、まだ割り切れる。


私だって、貴族令嬢の端くれ。


政略結婚がどういうものかぐらい、嫌というほど知っている。


それに。


この人なら、少なくとも国を壊す側ではなく、立て直そうとしている。


それが分かっただけでも、私には十分だった。


私はゆっくりと息を吸った。


「・・・・分かりました」


第二王子の目が、わずかに見開かれる。


「お受けします。政略として」


そう言うと、彼は少しだけ笑った。


なんだか、その顔が思ったよりうれしそうで、私は少しだけ視線を逸らした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


この後。


グレープ王国では、第一王子が病のため療養に入り、第二王子が王太子になり、その妃として、ミント・バーントシェンナ伯爵令嬢が迎えられたことが正式に発表された。



さらに十数年後。


王妃となったミントは六人の子をもうけ、美術品の画期的な保存方法を提案し、それが高く評価されたことで、グレープ王国は再びプラチナ帝国の傘下に戻ることを許されたという。


後世の記録には、こう記されている。


王太子夫妻――のちの国王夫妻は、政略結婚でありながら、生涯にわたり仲が良かった、と。



・・・・いや、それはまあ、間違ってはいないのだけれど。


その“仲が良い”の中身については、当の本人である私としては、少々異議を申し立てたい。


「政略って言ったじゃない!!なんでこんなにデロデロに甘やかしてくるのよ!!」


思わずそう叫ぶと、目の前の男――今や正式な婚約者となった第二王子は、困ったように笑った。


「だって、そう言わないと結婚を受けてくれないと思って」


「そういう問題じゃないのよ!!」


「ですが、嘘は言っていません。政略でもありますし、私個人としても、あなたが好きですから」


「さらっと言わないで!!」


こんなの、心臓に悪いに決まっている。


私は真っ赤になって抗議し、第二王子はどこか楽しそうに笑っていた。


・・・・まったく。


第一王子は救いようのない馬鹿だったけれど、こちらはこちらで、別方向に厄介だわ。


でも。


この厄介さなら、案外、悪くないのかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。