表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/75

避難勧告特権

   -エステール-

 「翔龍姫跳躍確認!」

 その言葉に、ブリッジはにわかに沸き立った。

 翔龍姫だけは、王女だけはこの場より退避させた。あとは……。

 「ライツ、頼んだぞ」

 そして、己が命の問題だ。

 「フォクスター、ガーヘルト、両艦全砲門こちらに照準されました!」

 両艦の主砲、一斉回頭。

 ……だろうな。

 予想はしていたことだ。

 「障壁全開!クリス、最期と思って徹底応戦!奴らに僅かでも多くの損害を与えろ!!」



  -フォクスター-

 クラウスは震えていた。

 ……やられた!

 面子丸潰れである。

 かくなるうえは……。

 「あの海賊艦、エステールは必ず墜とせ!!」

 もはや意地だ。

 「ガーヘルトは無視しろ!エステールに全砲門……」

 「艦長!」

 観測員のオルドレン少尉が割り入った。

 「控えんか、少尉!」

 ロックハートの一喝。

 「艦長命令を遮るとは何事だ!!」

 しかし、オルドレンは退き下がらない。

 「そんな場合ではありません!ここに環境観測要員として、避難勧告特権を発動します!!」

 クラウスとロックハートは顔を見合わせた。

 外部環境の僅かな差が、一瞬で命を奪う宇宙空間。連邦航宙法でも定められる特権……それは軍とて宇宙に身を置けば変わらない。

 「報告します!落下中の衛星が惑星に衝突します!計算では衝撃波がこの宙域を通過します!!」

 「待て、衛星の衝突ごときで……」

 しかし、クラウスも思い出す。

 「そうか!反応炉の燃料が満載されているのか!!」

 オルドレンが硬い表情で顎を引いた。

 「戦闘を中止してください」


   -エステール-

 これは幸運と言うべきか……。

 ダイモス最期の仕事だ。

 「全艦緊急回避!全速でこの宙域を離れる!!」

 しかし、幸運を唄うのは無事この危難を回避してからだろう。

 「副長、ダイモス火星に衝突!!」

 ……予想より早い!

 ディスプレイ上の赤い惑星に、鋭い閃光が。

 「総員対ショック態勢!!」

 数秒後、激しい衝撃波が押し寄せ、艦の機能を次々に破壊していった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ