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プロローグ3

プロローグの第3章です。


女神から神器を賜った眷属の魂が自ら考え行動する。その一場面になります。

1500文字程度の軽い文になるかと思います。



主神である女神がその姿を隠すと、彼女の眷属である魂は肉体を持った体を寝具にゆっくりと沈めた。久しぶりに訪れた「休む」という感覚に、これまで味わったことのないどっしりとした重みが体を包み込むのを感じる。


まずはっきりさせておきたいのは、自分が従っている神に反感を抱いているわけではないことだ。その神の能力に疑念はないし、彼女の行動が間違っているとも思っていない。だが、眷属の女性は自分のために用意された部屋の中で、ため息をつきながらぽつりとつぶやいた。


「これって、どうすればいいのよ……。」


その視線の先には、触れることすら畏れ多い神々しい輝きを放つ品々が並んでいる。どれもさっき主である女神から授かったばかりの神器だ。これらはただの神の道具ではなく、神でない存在が神と同じ力を使うために魂の格を高めるための道具でもある。


それでも、これらを使ったところで、他の神々でさえも対応が難しかった問題がある。自分がなんとかできるとは到底思えないし、そう考えるとシアという眷属の心はますます重くなるばかりだ。神々の行動は理解しがたく、それを汲み取って動くのが眷属の役目だと自分は思っている。だが、数百年かけても解決できない問題を、眷属が突然解決できるとは信じられないのだ。


しかし、主神から託された仕事は遂行しなければならない。生前とは違った種類の重圧がシアの背中にのしかかり、その肩をぎゅっと押さえつける。


「でも、やるしかないんだよね。」


その決意は揺らぐことはない。どうすればいいか明確な方法はまだ見つかっていないけれど、やらなければならないなら、まず動き出すしかない。神から授かった神器を、一つずつ自分の意思で身につけていくごとに、魂の格がぐんと上がっていくのがわかる。今まで感じたことのない情報や感覚が五感以外のところからも入ってくるようになる。


ただ、その感覚は一瞬で消えてしまう。おそらく、生まれは人間である自分の魂の限界だろう。


「これでまた一つ、試練を乗り越えられる。」


シアを含む魂だけの眷属の役割は、魂を浄化し、格を高めて新しい世界の神になることだ。そのために、神のいない世界を育てる。そしてそこに至るまでに主神からいくつもの試練を与えられてきた。それもそのうちの一つだとシアは確信している。


全ての神器を身につけたその瞬間、全能感にも似た変な感覚に包まれたが、それもすぐに消えた。神になっていないシアには、この借り物の力を最大限に発揮することが難しいと、魂が理解したのだろう。


「それでも、下界の人から見たら超常の力には違いないよね……。」


一瞬でもそんな想いが頭をよぎったが、すぐに振り払った。そんな感覚も感情も、人間だった頃の残滓であり、これからは必要のない心の動きなのだ。


「……行こう。」


決意を改めてつぶやくと、シアは手にした杖をひと振りした。すると目の前に神秘的な光の輪が現れ、それが少しずつ広がってシアの身の丈ほどの縦長の楕円形になる。輪の内側は向こう側が見えなくなるほどの強い光を放っているが、不思議とまぶしくはなく、じっと見つめることもできた。


シアは固まった決意のまま、その光の輪の中に足を踏み入れた。まだ方法が定まっているわけではない。しかし、他の神のように、事態に直面してすぐに何とかできるだろうという自信にも似たものと、不安が交錯しているのは確かだ。


その感覚を信じて、シアは一歩ずつ進んでいくのだった。

今回も遅くなりましたが更新です。

早々にプロローグを終わらしたいといっているにも関わらず、牛歩の更新申し訳なく思っています。今月中に本編の開始とSNS連携を行いイラストも出せればいいなと思っていますのでよろしくお願いいたしま。

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