違わなくないから
「く、くすぐったいのじゃ! わしの背中は滑り台じゃないのじゃ! 真面目に背中を流してくれなのじゃ!! 悪い子なのじゃ! 悪い子なのじゃあ♡」
先ほどから……やたら うるさいヴィルマのキンキン声。
なにを騒いでやがる……と、思った所で――ふと違和感。
いや、違和感どころか……慣れ親しんだ
ぷらぷらと股間に揺らぐ感触も、質量も……その一切が……なかった。
目を閉じたまま、リンスのボトルでも探るかのように股間を、辺りを、手をバタつかせて慌てふためく――俺。
(こ、これはアレか? アレなのか!? ……たまにニュースなんかで見る)
『交番勤務巡査長! コンビニのトイレに拳銃を置き忘れる!』
そんな類の見出しで記事になるような……ミスを、やらかしたと言う事なのか?!?!
「……ない、ない、ないっ……無いっ!?」
もし、どこかに落っことして来たと言うのであれば……大変なことになる。
急いで捜しに行かなくては! お迎えに行ってあげなくては!!。
「どうしたのじゃ? ツガータ??」
慌てる俺とは対照的に呑気なヴィルマの声。
「……クーゲルシュライバーの奴が、居ねぇんだよっ!」
湯で泡を流して目を拭おうとすると、隣に座るヴィルマから「ん」と言った様子の事も無げな気配で、石鹸でも手渡すかのように――馴染み深い感触のブツが。
「お、おお……あ、焦ったわ。マジで……」
手渡された半身をいつものポジで、ドッキンg……
「ちっ……があぁ~~~う!!?」
受け取ったソレを浴場の床の上に、シターン! と雑巾みたいに叩きつけると――俺は、即座に泡を吹いて青い顔で風呂の床で……倒れ、
半身の方はと言うと、床に張り付いて断末魔の痙攣で、ぴくぴくと蠢いて……。
「ツガータっ?!」
(ま、まさか……こんなことで……生死の境を彷徨う事になる……なんて)




