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清姫が追われる理由

 オレたちはアネモネ島へ戻るため、ツバキ雪山を下山している。下山中、魔物と出会いバルバトスの鎧の力で交渉して島に勧誘しようかと考えた。しかし、出会った魔物の言葉が理解できず、交戦することになってしまった。

下山中、こんな事が何度もあった。バルバトスの鎧の力では動物や魔物の言葉が理解できるの力、それが効果を発揮しないのはなぜか?

皆で考えたところ、魔物でも理性で動くやつと本能で動くやつに分けられて、理性で動くやつには効果を発揮して言葉が理解できるようになり、本能で動くやつは効果を発揮しないのではないかと推測した。


 そのまま下山する中、オレ、タラスク、清姫はお互い簡単にできる術と魔法を教え合う。

オレは魔法の基本的なことを清姫に教え、タラスクはオレと清姫にそこからの応用方法を教え、清姫はオレとタラスクに術の基本を教えてもらった。頼光はすぐそばで聞いているだけだが、魔法に関して興味があるそぶりを見せている。


 術と魔法の違いは、

術は五行の火・水・木・金・土の五属性の力を行使する。なおヤマブキでは五行の相生(そうせい)と相克(そうこく)が分かっていれば、ヤマブキの魔物は倒せるとのこと。

こちらは触媒さえ合えれば誰でも術を行使でき、個人的な力に左右されない。一応、適性さえあれば触媒無しでも術を行使できる。

こちらは触媒次第で威力が変わる。自然界に近くで神秘性が高ければ高い触媒ほど、威力が上がる。


魔法は五行をさらに細かくして主な属性は地・水・火・風・氷・雷・光・闇の八つに分かれている。他にも属性は存在する、それらは番外属性と言いう。ヤマブキ以外の土地では主にこの属性が当てはまる。

魔法は触媒無しでも使うことができる。しかし、個人の属性適性と魔力に大きく左右される。

属性の適性がなければ、その属性の魔法は行使できない。さらに魔力がなければ発動ができない。

魔法の威力は魔力と触媒と発動時のイメージ次第で変わる。


まとめれば、術は主に触媒を通して自然の力を行使する方法、魔法は主に個人の属性の力を行使する方法となる。


 下山中に出くわした魔物に対して実験的に教え合った魔法や術を行使して戦う。この時、頼光には一人で前衛を頑張ってもらった。

そして、オレたちは下山し終えて、廃村へ入ろうと入り口近くに来た時、廃村にある廃屋の煙突から煙が上がっていることに気がつき、警戒態勢に入る。もしかしたら清姫を狙っている者たちが増援を呼び。この廃村へと来たのかもしれない。


「まさか、また清姫を狙った奴らが来たのか、全く迷信を信じての愚行、馬鹿に付ける薬はないのに、そんな薬が欲しいよ」


オレの言葉に頼光が反応した。


「清姫殿、いつからそんな奴らから狙われているのだ」


清姫がそんな奴らからいつ狙われ出したのかはまだ聞いてなかった。まぁ、まだ会って四日目だし深く聞こうとしなかったから知らないなあ。そういえばアングレカム湖で安禅(あんぜん)という奴から逃げるられると言っていたから、その安禅から逃げているのか。

清姫はなんか言いにくそうにしていた。


「言いますけど、そのヤマブキにいたときからもう狙われていました。安禅は私(わたくし)に一目ぼれしたと言いこちらに求婚してきました。この時の私には婚約者の安珍様がおりましたし、まだ子供でしたのでその求婚をお断りさせていただきました」


「はぁ、子供?歳いくつぐらいの時?」


「5歳の時の話です。それからというもの行く先々で待ち伏せしたり、後ろから一定の距離をあけて尾行してきたりしていて・・・・・・・、思い出すたびに恐怖を感じてきますわ」


‘清姫のストーカー’、それが安禅か、それに5歳ぐらいからだとまだ清姫は魔族には、いや、ヤマブキ風に言えば妖にはなっていないはず、清姫が逃げ出して、安禅が追いかけてきて、清姫が安禅に追いかけられているうちに清姫は妖の竜人になってしまった。それに気がついた安禅のは迷信を思い出し、それを信じて執拗に清姫を我が物しようと追いかけまわしているか。


「それでも続けてくれ」


「そんな日々が何年も続きました。親にこのことを報告して対処してもらおうにも、親は‘彼は清姫の可愛さにとらわれているのだよ。何、いずれは婚約者の安珍君と結婚するのだから今は彼に夢を見せてあげていなさい’と言われて対処してくれませんでした。安禅自身、大きな寺の出ですので対処しづらいのも一つなのでしょうけど」


頼光は安禅が大きな寺の出と聞いてなんとなく唸った。清姫の話はまだ続く。


「ある日、安珍様が何者かに呼び出された時、私は、虫の知らせを聞いてこっそりとついていったのです。安珍様が呼び出された場所で目塞(めせ)き編み笠を被る者たちが安珍様が襲われたのです。私は安珍様をお助けしようと出ていき、その者たち交戦しました。

しかし、奮闘虚しく安珍様は殺されてしまいました。安珍様を殺した目塞(めせ)き編み笠を被る者を怒りのあまり薙刀で斬りつけたところ、目塞(めせ)き編み笠に当たり素顔が覗けるようになったのです。

そして、その者は安禅だったのです。私はこの時、怖くなって安珍様をおいて逃げ出してしまったのです」


まさか、安禅は清姫の欲しさに婚約者である安珍を殺してしまったのか、とんでもないやつが廃村にいるのか、恋に狂った大馬鹿者安禅。そうなるとオレがいた国の‘あいつら’もそんな感じか。あいつらもここにはいないよな?


「この事件は大きな寺の権力によって事件は握りつぶされてしまい。安珍様は何者かよって殺されたことにされたのです。私は怖くなって家出同然で、家を飛び出しました。

しかし、安禅はそれに気がつき、執拗に追いかけてきたのです。

追いかけられている時、龍神様が眠る湖へと赴き、心からお祈りいたしました。その時、声を聴きまして、気がついたときには私は竜人になったのです。

私が竜人になったことに気がついた安禅は今度は私の血を求めて配下の人たちを私に襲わせるようになりました。

私は逃げ続け、そして、今に至ります」


誰も何ともいない。龍神が眠る湖、そこで清姫は妖になった。考えた次第では龍神が清姫に宿ったようにも思える。安禅は清姫の血だけではなく、清姫に宿った思われる龍神の力も欲しているのか。


『恋に狂った大馬鹿野郎が相手っスね』


「何とも嘆かわしい。ヤマブキ男児たるものは恋に狂ってしまうとは、あの寺の奴らはどの世代にも必ず一人は大馬鹿者が現れるが、愛しさのあまり人殺しをやった奴はいなかった。やっても婚約者を正々堂々と奪ったぐらいだ」


殺しはしないが寝取ったかそれはそれで駄目のような・・・・・・・、それはともかく


「オレたちの仲間である。清姫を狙う以上、いつかはこの世からご退場、願わなければならない。恋に狂った大馬鹿野郎どものは‘あいつら’で十分だ!この先にいるというのなら、安珍の無念を晴らしてやろうじゃないか!」


「安珍様の無念・・・・・・・」


「婚約者を残して逝ってしまうのは相当無念だったに違いない。それにヤマブキ男児たるもの正々堂々と挑めばよかったのだ!」


『安禅は正々堂々と挑んで玉砕したような気がするんっスけど・・・、頭があっぱっぱーにはわからないんっスかね?姐(あね)さんが聞いたなら速攻、鉄拳制裁が飛んでくるっス』


「聖女リリィ様って本当に聖女だったのか?」


『逆に聖女と呼ばれていること自体が驚きっス』


「確かにリリィ殿が聖女と呼ばれていること自体、驚きだが拙者もリリィ殿のやろうとすることには賛成だ」


「ならオレたちがリリィ様に変わって安禅の野郎をぶちのめしてやろうぜ!」


 オレと頼光とタラスクで盛り上がり、安禅をぶちのめすことにした。後は清姫の賛同だけだが、清姫自身考え事していた。安禅の狂気ともいえる恋心のせいで婚約者である安珍を死なせてしまったことへの恐怖に怯えて逃げ出した清姫、あなたは安禅をどうしたい?


「私(わたくし)は安禅に立ち向かえるでしょうか?」


「その答えは拙者たちでは出せない」


『清姫さんは安禅をどうしたいっスか?』


「皆様にこのことを話して、皆様が安珍様の無念を晴らそうとしてくださることは嬉しいです。しかし・・・・・・・」


清姫はまだ踏ん切りがつかないようだ。オレは兜を脱ぎ、片膝をつき清姫の手を握って目線を清姫より下にして聞く。


「清姫、あなたに聞くよ。あなたは安珍のことをどう思っているの?これからも‘逃げ続ける’という‘選択’はできる。でもいつかは逃げ道を防がれて‘答え’を出さなければいけない時が来る。」


「私(わたくし)は安珍様のことを愛していす!今、この瞬間も!」


「本来なら安珍と添い遂げる未来が狂った恋心によって無くなり、そいつは罰を受けず、未だに諦めず追いかけてくる。この手の者はどこかで‘終止符’を打たなければどこまでも追いかけてくるものだ。ここで終止符を‘打つ’か‘打たない’かはあなた次第、今なら私(わたし)たちがあなたの力になってあげられる」


「フリージア様・・・・・・・」


「時は立ち向かう勇気が必要だよ。立ち向かわなければ欲しい未来は手に入らない。あなたはこれからも安禅から逃げ続ける未来でいいの?安珍は清姫にそんな未来を生きてほしいと望んでいないはずだよ」


清姫は視線を落として考え始め、何か意を決したように顔を上げる。


「私(わたくし)、安禅との関係に終止符を打ちたいです!皆さま、力を貸してください!」


「私はそのつもりよ」


「拙者もそのつもりだ」


『自分もっス』


‘私’たちは安禅を潰す。ために廃村へと向かう決意を固めた。‘オレ’は兜をかぶり直し、頼光からノーザンライト・リッパー一本を返してもらう。

なぜと聞かれたが、安禅以外を流石に皆殺しにするわけにいかない。その時にビームサーベルを振るっていたら光の剣と思われて、どこかに入る勇者とややこしいことになるのを警戒してのこと。

そして、オレたちは廃村へと突入した。

廃村にいた連中はオレの見知った連中だった。そいつらは、


「ここにいるのは勇者アリス一行かよ!」


これから勇者アリス一行と交戦を開始する。

フリージアたちは安禅をぶちのめすため廃村に突入する。

だが、そこにいたのは安禅ではなく勇者アリス一行だった。

安禅は今、いったいどこにいる?


現在の装備

武器:剣:ビームサーベル

    短剣:ノーザンライト・リッパー×1

兜:自作品の衝撃の兜

体:バルバトスの鎧

腕:自作品の命中のガントレット

足:自作品の命中のグリープ

背中:自作品の一角獣バックパック

その他:マント


現在の清姫の装備

武器:薙刀(応急処置)

頭:欠けた簪

体:傷んだ良家の着物

足:草履


現在の頼光の装備

武器:短剣:ノーザンライト・リッパー×1

体:ヤマブキ特有の着物にところどころに鎧

足:草履


現在のタラスク(人型)の装備

武器:聖杖リリィ・ザ・ホーリー・ケイン

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