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闘志
神崎祐也
リトルの世界の中でも特段有名なキャッチャーだった。
その才覚はリトルに入った当初より噂だったらしい。
野球を初めてやった時、その最初の打席。
彼は初めて握ったバットで11ファールの後に左中間を抜くライナーを打ったそうだ。
並外れた動体視力と小学四年生としては桁外れな筋力があってこその結果だった。
さらにはその打席の際、彼はストライクとボールの区別が付かず全てを振っていったらしい。全てのボールを打ち、最後のヒットも、インコースのボールだった。
この大会で相まみえるという時にこの話を聞いた自分はこの打席まで彼を、敬遠していた。万が一にもホームランを打たれては困るからだ。
この場面でもそれは変わらなかった、はずだった。
自分の奥に眠る闘争心はYesとは、言わなかった。
今でこそ神藤守に立場を奪われたが、自分はリトル最強とまで呼ばれたことのあるピッチャーだ。
負けない、抑えてみせる。
二年間練習を重ねてきた。自信はある。
味方も頼もしい程強い、ここまで無得点なのだから。
戦ってやる、そして捻じ伏せてやる。




